ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. ライトノベルの書き方
  3. 世界観の作り方
  4. 世界観とは何か?公開日:2013/08/21

世界観とは何か?

 世界観とは、読んで字のごとく世界の「観」方です。

 もともとは、民族学で使用されていた学術用語でした。
 例えば、「イスラム教徒の世界観」などという使い方をします。
 イスラム教徒の目から見える世界は、それ以外の人とは異質なものになります。
 彼らはアラーの神を唯一神と崇め、聖典「コーラン」の教えに従って生きています。
 この世界はアラーによって作られ、アラーの教えに従って生きるのが正しいのだという世界観です。

 また、江戸時代の日本人による世界の「観」方と、現代日本人による世界の「観」方も異なります。
 江戸時代は士農工商制度があり、お侍が一番えらいという価値観が支配していました。
「将軍様は神様と同じで、オラたち農民は、とにかく畑を耕して年貢を収めなけれならん!さっさ、とっと畑を耕しに行くだ!」という訳です。それ以外の生き方など、想像すらできません。
 飢饉の時などは、口減らしのために生まれてきた子供を間引きするという、食料が豊富にあり、人権意識の発達した現代では信じられないこともやっていました。

 このように同じ地球上でも、土地、民族、環境、時代、によって世界観は大きく異なるのです。
 これが異世界を舞台にしたライトノベルだったらどうでしょう?
 異世界の住人が日本人と同じ世界の「観」方をしていることなど、絶対に有り得ません!

 例えば、16歳で元服(成人)を迎えて結婚できるような世界の少年少女が、日本の中高生と同じような感覚で生きていると思いますか?
 答えはノーです!
 16歳で結婚できるような世界の少年少女の精神年齢は、日本の中高生よりはるかに高いでしょう。
 そのため考え方もシビアになるでしょうし、恋愛観や貞操観念も異なってくると思います。 

 この辺を理解してないと、世界観作りに大失敗してしまいます。
 世界観作りとは、単に設定を作り込めば込めばイイというものではないのです。

 もし専制君君主制だったら、もし徴兵制度があるとしたら、もし電気や水道が無かったら、もし、ドラゴンや魔法が実在したら、その世界の人々はどのような価値観や行動様式を持つだろうか?
 と考えてシミュレートしなくてはならないのです。

 素人の作る異世界ファンタジーを読むと、日本の少年少女となんら変わりない思考の持ち主がゴロゴロでてきます。
 さらにひどくなると、現代日本の世界観どころか、ゲームの世界観をそのまま転用している小説まであります。
 少年少女が遠足気分で魔物や山賊退治に出かけて、当然のごとく勝ってしまうような物語です。
 そんな作品にはリアリティの「り」の字もありません。

携帯版サイト・QRコード

QRコード

 当サイトはおもしろいライトノベルの書き方をみんなで考え、研究する場です。
 相談、質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。

意見を送る

『世界観とは何か?』に対して、意見を投稿されたい方はこちらのメールフォームよりどうぞ。

カスタム検索