ライトノベル作法研究所
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  4. 「技を盗む」という意識を持つ公開日:2013/08/12

「技を盗む」という意識を持つ

  一般的に良く言われる文章上達法は

 『文章力は読書量に比例する』
 『書けば書くほど上手くなる』

 ということです。
 これは確かにその通り、一片の疑いもない真実なのですが、コレをそのまま鵜呑みにすると手痛いカウンターパンチをもらいます。

 実例を上げますが、私の友人にライトノベルが死ぬほど好きな人間がいました。 
 彼はライトノベルをどっさり買い込んできて、貪るように読んでおり、ライトノベルに関しては何時間でも熱く語れるような男でした。
 でも、自分でファンタジー小説を書くとなるとまるっきりダメ。
 一度書いて「文章が下手だね」と仲間に言われたが最後、彼は自信を完全に喪失し、二度と創作というリングに立てない身体になってしまいました。
 なぜこんなことになったのでしょうか? 彼には文章のセンスが欠如していたのでしょうか?
 そんなことはありません。

 ただ本を読んでいるだけだったから、読んだ内容を知識として吸収し、活用しようという意識を持たなかったから、起きた悲劇にすぎないと私は解釈します。

 本はただ読めばいいというわけではないのです。
 読んだ。ああ、おもしろかった。で終わってはダメなのです!

 また、書けば書くほど文章が上手くなるなんてことも実は、半分嘘です。
 ネット上でブログを何年も書いている人は大勢いるでしょうが、その人たちはプロ作家並みの文章力を身につけているでしょうか?
 私の知り合いの女性にブログで日記を5年間書き続けている人がいますが、彼女の弁によると、自分の文章力が向上しているという実感はまったくないそうです。
 なんとなく書いている、というやり方では文章力を大きく向上させることはできないのですね。

 斎藤孝さんの著書『「できる人」はどこがちがうのか』では、

 上達の秘訣を以下のように解説しています。以下引用。

 言葉で丁寧に教えてもらえないからこそ、あるいは言葉で教えてもらえる以上のものを身につけたいからこそ、「技を盗もう」という意識が生まれる。
 技は、何となく見ているだけでは、到底身につけることはできない。
 「技を盗むんだ」という意識を強く持って、積極的な構えをもって場に臨むことによって、初めてヒントが得られるのである。
「できる人」はどこがちがうのか・斎藤孝

 つまり、ただ小説を読んでストーリーを楽しむのではなく、その本を書いた作家の技術を盗むように目を光らせるのです!

 市販されている本は、それでご飯を食べているプロが考えに考えて作った作品ですから、素人には及びもつかない高度な文章テクニックが濃縮されています。
 それを盗みましょう。そして、自分の血肉に変えましょう。
 ストーリーやキャラクターをパクれば盗作だと騒がれるかも知れませんが、文体やテンポ、語彙をマネしたぐらいで訴えられることなどありません。
 プロの技はどんどんマネして、どんどん応用しましょう。

 『技を盗もう』と意識して本を読むようにするだけでも、上達スピードに雲泥の差が付くようになります。

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