インターネット上のテキストでは、書き手の感情を表すために(笑)、(汗)、(爆)や顔文字などの記号を使ったモノが溢れています。
かくいう私も、文章をおもしろくするための手段として、これらの記号を使っています。
しかし、小説の文章で、(笑)や顔文字などの記号を使うのは御法度です!
登場人物の感情を表現するのなら、これらの記号に頼るのではなく、キチンとあなたの言葉で描写してください。
●例
× そりゃあ失敗するわけだよな(笑)。
○ そりゃあ失敗するわけだよな。俺は笑いを噛み殺すのに必死だった。
× 「実はさ、彼氏にふられちゃったんだ(涙)」
○ 「実はさ、彼氏にふられちゃったんだ」
気丈を装っていたが、私の声はわずかに震えていた。
× あの娘、かわいいなぁ、 (*´Д`)ハァハァ。
○ あの娘、かわいいなぁ。ボンヤリと彼女を見つめる俺の脳内で、バラ色の妄想が花咲く。
登場人物の感情、心の機微は、(笑)や顔文字などの安直な記号では決して表現できません。
これらの記号を使った時点で、登場人物の感情を描くことを放棄したと思われ、読者は確実に去っていきます。
どうしても絵という視覚に頼った表現をしたければ、小説ではなく漫画を描くことをオススメします。
ただし、ごく一部のプロの作品では、顔文字や(笑)が使われている場合もあります。
例えば、メール、チャットのやりとりなどのシーン。オタクやネット文化にどっぷり浸かった人物の一人称における地の文など、そのキャラや作風に合っている場合などです。
実際に、人気作『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』5巻(2010年1月発売)においては、地の文で顔文字が使われています。
また、『とある魔術の禁書目録』1巻(2004年4月発売)p53でも、会話文に(汗)(涙)が使われています。
この作品では、ギャグシーンをテンポを殺さずに勢いよく描写するのに役立てられています。
読者に与える効果をうまく計算した高等テクニックです。
もし、顔文字や(笑)などの記号を使うなら、これらのプロの作品のように読者にどのように読まれるか、その効果を計算して行なって下さい。
安易にこういった記号を使うのは自殺行為になりますので、注意しましょう。例に出した二作品も、一巻に何度もこのような表現が出てくることはなく、例外的な手法として使われています。
初心者のうちはまず基本に忠実であることが大切です。
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