作家修業で一番大切なこと……それは読書です!
ライトノベル作法研究所では、いろいろなノウハウを研究、紹介していますが、実は技術だけ学べばおもしろいラノベが作れる訳ではないんですね。
ライトノベルが漫画化、アニメ化されることはよくある話です。
でも、原作(小説)を読んだことがある人は、たいてい「漫画やアニメよりも、原作の方が断然良い」と言います。
なぜでしょうか?
それは、原作者が言葉で表現した世界を、自分ならではの空想世界で楽しむことができるからです。
登場人物の心の動きを想像力を駆使して我がことのように感じ取り、彼らが織りなす活躍や、見たこともない風景を心象世界で疑似体験できるのが「読書」のすばらしさです。
本の中には、アニメやゲームでは味わえないスリルや感動がいっぱいなのです。
あなたは本を読むことで、知らない世界や時代に飛び込み、未知の冒険をすることができるのです。
この読書を繰り返すことで、想像力や感性が発達し小説を書く力を高めてくれます。
また、アイディアは無から生まれるのではなく、既存のモノが組合わさって生まれます。
そのため、ライトノベルやオタクコンテンツだけでなく、それ以外の分野の知識を得ることが、良質なアイディアを授かるための条件です。
「創造力とは記憶力である」
これは世界的に有名な映画監督、黒沢監督の言葉です。
あなたがなにかを書こうとしたとき、これまでに蓄積した経験・知識を元にしてしか表現はできないのです。
アウトプットのためには、インプットが欠かせません。
オタクコンテンツに習熟するだけでなく、それ以外の分野のたくさんの知識を身につければ、この二つが頭の中で知的化学変化を起こし、今までになかったアイディアを生みます。
例えば支倉凍砂氏の『狼と香辛料』 (2006年2月刊行)は、「ファンタジー+商売(経済学)」という、他の人には考えもつかなかった独自の組み合わせを生み出し、400万部を越えるヒット作となりました。
特にヒロインのホロの言動がかわいらしく、支倉凍砂氏が経済学だけでなく萌えを深いレベルで理解していたことを示しています。
まず誰よりもオタク的教養を身につけ、これに異分野の知識、経験を組み合わせることで、ラノベ読者に受け入れられる作風と、他の作品にはない差別化という、両立するのが難しい二つの要素を両立させることが可能にになるのです。
さらにもう1つ、文章力というのは読書量に比例します。
多くの本を読んでいる人はその分、大量の語彙を自分の中にストックしていますので、いざ文章を書くときはスムーズにできるのです。
文章を書く能力を身につけたいのであれば、まずは本を読まなくてはなりません。
作家修行で読書が必要不可欠と言われる由縁ですね。
ちっとも、おもしろい小説が作れないという人は、本をあまり読まないことが、最大の原因の一つです。
そもそも、小説を書くのは好きなのに、読書は嫌いという人は根本的に矛盾しています。
例えるなら、野球の試合は好きだけど、練習は嫌いと言っているようなモノだからです。
練習もしないで本番に勝てるような人間は、よほどの天才でしょう。
読書をまったくせずに物語の創作テクニックだけ学んだのでは、絶対におもしろいラノベは作れません。
本が苦手、あまり読まないという方、まずは自分に興味のある本を読むところからスタートして、徐々に本を好きになってください。
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