ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. 創作に役立つ知識
  3. 才能について
  4. プロ作家になる人の共通点公開日:2011/12/23

プロ作家になる人の共通点

 当サイトの利用者の中で、プロ作家になった人が数名いますが、彼らには共通点があります。

・長編小説を比較的早い時間に何作品も完結させて投稿している。
・投稿した作品はどれも一定水準のクオリティーを持っている。
・批判されても、読者に反論したりすることはない。

 つまり、どういうことかというと、

 プロになる人にとって小説を書くことの優先度が、一日の生活の中で非常に高いということです。

 我々が、だらだらゲームしたり、ネットをボケーっと巡回している間、彼らはせっせと小説を作っています。
 新人賞を受賞した作家さんに「執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?」とインタビューすると次のような回答が返ってきました。

第七回スーパーダッシュ小説新人賞佳作 弥生翔太さんの回答
 主に深夜、午後十一時から午前三時くらい。
 今は時間に余裕のある大学生なので、この辺りでしょうか。
 雑音があると書けないタイプなので、静かな夜だとはかどります。

講談社X文庫ホワイトハート新人賞受賞 石和 仙衣さんの回答
 最近は五時間くらい寝た後、午前3:00頃起きて、出勤する7:00頃まで書き続けます。
(この方法だと寝坊しない)
 仕事が無い土日は、ほぼずっとPC前に座ってます。
 でも「時間がたくさんある=良い作品が書ける」とは限りません。
 時間を有意義に使えるよう、いまも試行錯誤中です。

15回スニーカー大賞 ザ・スニーカー賞 春日部タケルさんの回答
 前述の通り兼業ですので、勤務日は帰宅から就寝までの2~3時間。
(早番遅番があるので時間帯は定まってません)
 休日は、間にネットサーフィンとかゲームとかを挟みながら、終日だらだらと書いている感じです。

第18回ファンタジア長編小説大賞佳作 細音啓さんの回答
(『イヴは夜明けに微笑んで』でシリーズでヒットを飛ばした人気作家さんです)
 休日は午前中に4時間。夕方六時までにさらに三時間。深夜1時までに三時間、くらい。
 午前中が勝負です。

 このように、一般人からすると、こ、この人たち、仕事や勉強をこなしながら、なぜそこまで努力できるのだ!?
 と驚嘆してしてしまうほどの時間と労力を執筆作業に傾けています。

 しかも、彼らは、ただ書くのではなく、どうすればクオリティーの高い作品になるのか創意工夫を重ねつつ、恐ろしく早い執筆速度で作品を完成させます。
 えっ、もう次回作、完成させたの!? と他人が一作完成させている間に三作品は作っているような感じです。
 そうこうしている間に、おもしろい作品を作り上げるための独自のノウハウを自分の中に作り上げ、発表する作品がことごとく頭一つ抜きんでた物になります。

 彼らにとって創作活動は時に苦しさを感じることはあっても、それを上回る充実感と喜びを与えてくれ、やればやるほど身体中にエネルギーがみなぎってくるような気分にさせてくれるものなのです。

 あなたもそのように感じたことはありませんか?
 創作活動に対する喜びが他を圧して強く、またこの喜びが衰えぬことなく、数年間にわたって継続されているのなら、それはまさしく小説を書くことに対する資質が備わっていると言って間違いありません。

「才能とは、無意識に繰り替えされる思考、感情、行動のパターンである」
引用・『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』 著作マーカス・バッキンガム

 世界的ベストセラー『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』では、才能をこのように定義しています。
 以上の点を踏まえて、私なりに小説の才能がある人間を定義してみました。

 小説の才能がある人間とは、無意識のうちに小説の執筆を行いたいと思い、上達することに喜びを感じ、小説を完成させる、というサイクルを繰り替えしている者である。

 逆に、才能が枯渇した人間にとって、小説を書く作業は、ただただめんどうで辛く、拒絶反応さえ感じさせるものになります。
 それはもう意志の力で嫌がる心を無理矢理ねじ伏せて、机に向かわなくてはならなくなります。
 そして、ますます小説を書くのが嫌いになって、いつの間にか引退しているという結果になります。

 才能を開花させ、伸ばすためには、いかに「欲求」「成長」「実績」のサイクルを回転させるか、このサイクルを崩さないかが重要になってくるのです。

携帯版サイト・QRコード

QRコード

 当サイトはおもしろいライトノベルの書き方をみんなで考え、研究する場です。
 相談、質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。

意見を送る

『プロ作家になる人の共通点』に対して、意見を投稿されたい方はこちらのメールフォームよりどうぞ。

カスタム検索