ライトノベル作法研究所
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  4. 下手の横好きに陥るのはなぜ?公開日:2014/06/20

下手の横好きに陥るのはなぜ?

 下手の横好きに陥るのは、目標を決めてこれを達成しよう、としていないからです。

 例えば、ゲームが好きな人には2つのタイプがあります。
 一つは、手に入れるのが大変な隠しアイテムを苦労して手に入れたり、全キャラクターを最強レベルまで育成したり、一人パーティでラスボスを倒すという縛りプレイに挑戦したり、常人には不可能な空中コンボを使いこなしたリといった、自分で目標を決めて、大量の時間を費やして、これを達成しようとするタイプです。
 彼らは、他の人ができないこと、難しいことに挑戦して、苦労の果てに栄冠を掴むことに喜びを感じます。面倒な作業プレイも厭いません。攻略情報の収集などにも熱心ですし、時には、私生活や健康、仕事を犠牲にしてまでゲームをプレイするので、ゲーム廃人などとも言われます。

 もう一つは、ゲームの時間は一時間と決めて、徹夜でゲームするなど絶対にしなかったり、クリアしたらやりこみ要素には手を出さないで、とっとと売りにだすような、自分で目標を決めたり、大量の時間を費やしてしてまでゲームをやらないタイプです。
 彼らにとって、ゲームとはあくまで娯楽や暇つぶしであって、時間のような人生において重要なリソースを犠牲にしてまでやる価値を見出しません。ましてや、最速クリアのタイムアタックに挑戦するなど、自分で目標を決めてゲームをするなど、考えもしません。極めて、まっとうな方々です。

 ただし、ゲーム大会で優勝する才能や、プロ・ゲーマーになれる可能性があるのは前者で、後者はどこまで行っても下手の横好きです。
 同様に小説を書く人間にも、2つのタイプがいます。

 『自分で目標を決めて、これを何としても達成しようとする人間』と『目標を決めずに、なんとなくやる人間』です。
 このうち成功する可能性があるのは前者で、下手の横好きは後者です。

 前者は、新人賞を受賞する、小説投稿サイトのランキングで10位以内に入るなどの目標を決めて、これを達成するために情熱を燃やします。栄光を求めて、夜遅くまで原稿を書いたり、ヒット作や資料に目を通して研究したり、読者から批判されても、めげずに作品を作ろうとします。
 後者は、特に達成したい目標がないので、大量の時間を費やしたり、不愉快な思いをしてまで、小説を書きたいとは思いません。途中で嫌になったら小説を完結させるのをあきらめたり、好きな小説や漫画だけをなんとなく読んで、読者から批判されたら、落ち込んで書かなくなります。
 達成したい目標の有無が、モチベーションや成長速度に大きく関係するのです。

 実は、新人賞を受賞できる人間とは、新人賞を受賞しようと思っている人間だけです。
 下手の横好きから抜け出す方法は一つ、『目標を決めてこれを達成しようとすること』です。

 ただし、あまり難しい目標を決めると、やる気がなくなるので、最初は『長編小説を完結させる』など、達成可能は目標を決めましょう。実はこれはかなり難しい目標なのですが、質に拘らなければ達成できます。
 ゲームがおもしろいのは、ボスを倒したり、アイテムを入手したりするような、ちょうどいい難易度の目標があるからです。ちょうどいい難易度の目標を何度もクリアすることで、レベルアップしていき、高難易度のラスボスを倒す、というのが楽しいゲームの流れです。 

 自分で目標を設定する場合は、ちょっと努力すれば達成可能程度の難易度の目標を設定していくことです。まずは小説を完結させる、次は新人賞で一次選考突破。というように自分の実力に応じた現実的な目標を設定していきましょう。

 最初から新人賞で大賞を取る!などと難しすぎる目標を掲げると、高難易度すぎるクソゲーをプレイしているような状況になるので、楽しくなくなります。

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