第2回講談社ラノベ新人賞〈大賞〉
はじめまして、幹と申します。
このライトノベル作法研究所さまでは、主に掲示板をひっそりと活用させていただいておりました。
このたび、と言っても一年も前なのですが、『神様のお仕事』という題名の作品で、第二回講談社ラノベ文庫新人賞、大賞を受賞いたしました。
諸事情ありご報告が遅れてしまいましたが、第三回新人賞の受賞者の方々が発表されたのを機に、ご報告させていただきました。
このサイト様で学んだことは、私と私の作品を構成する血肉になっております。
管理人のうっぴ―様、ならびに利用者の皆様、ありがとうございました。
まだまだ新人ですので前途も多難ですが、それらを活かした作品を作ることができるように心がけたいです。
Q1: 初めてライトノベルに出会ったのはいつですか?
小学校六年生くらいで、図書室においてあったロードス島戦記を読んだのが初めてです。
まだライトノベルとは呼ばれてなかったころですね。
Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
書き始めたのは遅かったですね。
大学三回生のときです。
SFでした。
といっても科学知識もSFに詳しいわけでもないのに書いたなんちゃってSFですけれど。
Q3: 作品はどのようなソフトを使って書かれていますか? あるいは手書きですか?
パソコンに入っているワードをそのまま使っています。
Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
最近は、冒頭から順に書くようにしています。
書きたいところ、書きやすいところから書いてしまうと、特に書きたくないところ、書きにくいところが残ってしまいますので。
そうなると執筆のモチベーションが格段に下がってしまいますし。
それでもいい展開や会話などを思いついたりすると、別のフォルダに書いてとっておきます。
Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?
最初に書いたSF作品を、そのまま投稿しました。
ですので大学三回生のころですね。
初めて書いた作品が一次通過して、あれ、もしかして俺才能あるんじゃないの?
次送れば二次、その次で三次、その後は受賞だ、と天狗になってました。
もちろんその後、伸びた鼻はへし折られるわけですが。
Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
二年くらいで五、六作、長編を作ってからは、ぱったり書けなくなりました。
面白い作品を書こう、と意気込むあまり、完璧な作品を追い求めすぎたんだと思います。
そのまま数年して、諦めたというか、受賞できたらラッキーくらいに思えるようになって、肩の力を抜いて最初に作ったのが受賞作『神様のお仕事』だったりします。
Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか?(ハウツー本など)
ラノベに限らず小説はいろいろと読んでいましたが、ハウツー本は読んでないです。
小説以外でもそうですが、特にこれというのではなく、読んできた本の積み重ねが重要なのだと思います。
Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
インプリンティングではありませんが、やはり最初に読んだ水野良先生ですね。
最近新作のファンタジーを出されたので歓喜しています。
それともう一人選ぶなら、秋田禎信先生ですね。
お会いしたことはありませんが、同じレーベルから作品が出ているというだけでドキドキものです。
まあお会いできたとしても、生来の人見知りと緊張で会話も出来ないでしょうけれど。
Q9: アマチュア時代にどのような方法で筆力を高めていきましたか?
特に意識して行なっていたことなどはありません。
小説を書き始めたのが遅かったこともあり、あまり筆力自体は最初と変わってないんじゃないかと思います。
Q10: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?
多いのは朝方ですね。
Q11: 一日の執筆速度はどの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか?
平均はよく分かりませんが、三、四ページくらいですかね。
文字数換算するといつの間にかページ数がかさんでいたりするので、基本的にはページ数で考えています。
集中しているときや追い込みをかける時はもっとですけど。
ノルマというか、作品を書ききると決めた期間は絶対に作品に触るようにはしています。
逆にいったん書ききると、一切触らない冷却期間もあります。
Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
まちまちですが、一、二時間くらいでしょうか。
Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
アマチュア時代はほとんどプロットを作らなかった、というか作れませんでした。
頭の中で、いくつかの通過点と着地点は決めてましたが、あとはとにかく流れで書いていましたね。
プロになってからこれはいかんということで、なんとかがんばって作っています。
といってもそれも、キャラクターや世界の概要と、全体の流れを書く程度のものですけれど。
もっとちゃんとしたものが作れるようになりたいんですけどね。
Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
書き上げることですね。
よっぽど決定的な設定の矛盾が出たときは別ですが、とにかく最後まで書きます。
修正は後からでも出来ますし。
Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
どちらかを選べと言われるなら、書きたいものを書くべき、でしょうか。
売れ線に合わせたからといって売れる世界ではありませんし、売れ線を仕方なしに書いて売れなかったらと思うと、ね。
それに作家を目指す原点は、やはり書きたいものがあるからだと思うんです。
人に注目されたいとか、お金が欲しいとかいうなら、別の道を選んだほうがいいですしね。
まあこれは、私が書きたいと思うものと、現在の売れ線がそこまで乖離していないから言えることかもしれませんが。
Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
小説を完成させ、投稿したからだと思います。
いや当たり前のことなんですが、これくらいしか。
正直、私は自分の作品が他の作品と比べてどうなのか、というのがいまいち分かっていないんですよね。
ですから他の投稿作と比べてこうだったから、というのも思いつかないんです。
Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
自分の書いたキャラクターをプロの絵師さんが描いてくれて、本という形のあるものになったこと。
しかもそれが本屋に並んでいるのを見たときにはもう。
あと他の作家先生方とお話させていただいたことも、でしょうか。
いままで一読者として作品を読んでいた相手が目の前にいて、会話してるんですから。
一番ということなのに二つですいません。
Q18: 最後に、これから幹さんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?
まだ新人なので、あくまで私はこうしているという程度の話ですが。
案ずるより産むが易し。
設定やキャラや世界や流行に悩むのなら、とにかく書いて作品として形にしましょう。
そしてそれを投稿するなり、誰かに読んでもらうなりしてから、もらった評価に悩みましょう。
たとえ良い評価にならなくても、それを書いた経験は絶対に無駄にはなりません。