第8回HJ文庫大賞「金賞」受賞
長編の間を主に利用させていただいておりました垣崎しきと申します。
この度、第8回HJ文庫大賞にて拙作「水上のヴェリアル」が金賞を受賞いたしましたので、そのご報告とお礼に参りました。
作品を投稿するたびにご感想を書いて下さった語太郎様、篠宮俊樹様、うさま様、ご感想下さった皆様、本当にありがとうございました。
今後は、志木謙介というPNになります。
デビュー作ともども宜しくお願い致します。
Q1: 初めてライトノベルに出会ったのはいつですか?
3年前に読んだ「狼と香辛料」でした。
当時はラノベの存在を知らず、ふんわりとアニメみたいな小説があるということだけを知っていました。
何か書こうと思って考えついたのが「アニメみたいな小説」の話だったので、そのとき参考に読んだ作品でした。
Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
3年前でした。
敵国の王女と出会った主人公が、彼女との約束を果たすために敵国調査を名目に、失踪中の彼女を仲間とともに探す。というような物語でした。
長編の間にも投稿させていただきました。設定は穴だらけで拙いものだったのですが、悪くはない評価をいただいたのを覚えています。
Q3: 作品はどのようなソフトを使って書かれていますか? あるいは手書きですか?
ワードを使っています。なぜか執筆は横書きで、推敲は縦にして作業してます。
Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
冒頭から順番に書いてます。強いてあげるなら、エピローグを書き終えるまで推敲しないことでしょうか。
Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?
その処女作を応募しました。もちろん一次落ちで、それが悔しくて本気で小説を書いてみようと思うようになりました。
Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
何作か書いた後、書きたいものが無くなって途方に暮れたことがありました。
一度書いたジャンルは書かないという謎の自分ルールが枷になっていたことと、自分の「面白い」引き出し不足だったことが原因のようでした。
その引き出しを増やそうと色んな作品を読んでどうにかなったのですが、書きたいのに書きたいものがない、っていう状態が一度だけありました。スランプとはちょっと違うかもですが。
諦めようと思ったことはありませんでした。
Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか?(ハウツー本など)
「ミステリーの書き方」 が参考になりました。このサイトのインタビューで他の方が紹介されているのを見たのがきっかけですね。
Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
特にいません。
もちろん読者として好きな作家はたくさんいます。
江戸川乱歩、北方謙三、桜庭一樹、道尾秀介(敬称略)の作品が好きでよく読むのですが、読者としての好き=書き手として尊敬っていうのは、違うんじゃないのかと思っています。
自分がどれだけ尊敬しようがその方々になれるわけじゃないですし、真似出来ても劣化版がせいぜいです。その先生方に限らず、その人だから書ける物語があるからこそ、プロなんじゃないのかなと。
ぼくも書き手としてそうなりたいし、そうでありたいと思っています。
Q9: アマチュア時代にどのような方法で筆力を高めていきましたか?
いいなと思った表現、自分が使ったことのない表現、比喩、描写、語彙、響いた台詞等をメモしていました。
それだけをメモる手帳があったりします。
Q10: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?
朝と夜が多いですね。仕事行く前と帰ってきてからです。
Q11: 一日の執筆速度はどの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか?
34行×42字のフォーマットで、平日なら3P、休日なら10Pを心がけています。
Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
朝にだいたい1時間、夜に2時間くらいでしょうか。休日なら終日書いてます。ワードの編集時間とページ数を割ったら、だいたいどの作品も毎時1.2Pくらいでした。
Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
作品によりけりなのですが、物語の主筋を作るときは、中盤とクライマックスで、こういうシーンが書きたい、っていうのが一つ二つあって、そこを基準にすべて逆算して作ります。
Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
ジャンルを決めたうえで、他の作品とどう違うのかを考えること。
差別化したそれに、自分の持ち味を反映させること。
あとは、しっかりとエンターテイメントさせることです。
鳥肌が立つくらいの熱いバトルでもいいですし、背後からド突かれたような驚きでもいいです。可愛いヒロインに萌えさせることでもいいですし、ひりつくようなサスペンスでもいいです。切ない悲恋でも、涙を誘う家族ものでもいいです。
とにかく120、130pの文章で読者の心を動かす話を書こうと思っています。
Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
売れるものを書くべきです。プロですしね。「売れるもの」の中に、どれだけ独自性を擦り込んで自分の色に染めるのか。そこが腕の見せ所じゃないのかなと思います。(言うは易し行うは難しの例文が左記のものですね、はい。
Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
努力半分、運半分だと思います。
先行作品の研究。自分の武器の確認。それを作品にきちんと装備させられているのか、などなど。
他を知り己を知れば百戦危うからずって感じで「知る」努力を怠らなかったことでしょうか。
これアツいっしょ! どうっすかこれ! っていう熱量を作品に落とし込んだ上で、エンタメさせることができたっていうのもあると思います。
残り半分の運については、自分の良さを認めてくれる編集部に拾っていただいたことです。
Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
受賞のことを家族や友人たちに報告したのですが、そのときみんなが喜んでくれたことです。それが一番嬉しかったです。
Q18: 最後に、これから志木謙介さんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?
公募はやっぱり運要素があると思います。
よく思うのが、当たりくじがひとつ必ず入っているクジ引きみたいだなと。ハズレの数はわかりません。当たりを引くまで、諦めずにクジを引き続けられるか、そういうことじゃないかなと思います。
こんなの書けるんだよ!っていうのをアピールできればそれでいいと思います。応募作は、自分をレーベルに売り込むための商品みたいなもんですから。
デビュー=作家になるっていうのも、ぼくの感覚としては少し違っていて、デビューしてようやく作家になる権利を与えられる、そんな認識でいます。
プロにはなりますが、まだまだ作家志望です。
デビューしていようがしてなかろうが、やることは皆さんと同じです。
これからもお互い頑張って面白い作品を書いていきましょう!