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魔界都市<新宿>
199×年、東京都新宿区を襲ったマグニチュード8以上の直下型地震〈魔震〉は、 新宿区「だけ」を壊滅させ、それにより新宿は、他のあらゆる区域から隔絶された空間となった。 それ以降新宿には、ありとあらゆる種類の犯罪者、 人外の怪物、超能力者などが跋扈する〈魔界都市〉と化した。 そして2030年。地球連邦の主席であり、きっての『聖人』と謳われた羅摩こづみに、 呪殺者の魔の手が忍び寄ってきた。 羅摩こづみの師匠であるライ老師は、 これを世界を暗黒のものとしようとする魔道師レヴィ・ラーのものと断定。 しかし、ラーを倒しに行こうとした者は帰らず、主席の命もあと三日と迫ってきていた。 ライ老師はこの状況を打破する為に、一人の高校生に目をつけた。 その少年こそライ老師第一の弟子であり『念法』の創始者、 十六夜弦一郎の一子、十六夜京也であった。 京也は愛刀『阿修羅』を片手に、羅摩こづみの娘さやかと共に、 レヴィ・ラーの本拠〈新宿〉に乗り込むが…… 現代のシリアス系ライトノベルの元祖!
1982年の作品(この時代にはライトノベルという言い方自体無かった)なので、 少し気が引けますが。 はっきり言って、今のライトノベルの『元祖』と言っても過言では無いと思います。 (この小説を語る言葉は、この一言に集約されます) 舞台設定、登場人物の性格の造り込み、作品のメッセージ性の凄さは、 正直言って、現在のライトノベルと比較しても、一切の遜色はありません。 いや、それらと比較しても、頭一つくらいリードしているのではないか、とすら感じてしまいます。 その証拠(?)に、現在でもこの<魔界都市>を舞台にした作品が、 主にアダルト向けで、続々と出版されています。 正直言って、この作品は本気で『語ろうと思ったら一日あっても足りない』くらいです。 「こんなに古い作品なんて……」と思っている方、 そう言った気持ちは一旦置いておいて、書店で見つけたら、是非読んでみることをお奨めします。 本当に「この作品は面白い」です。
(本当はドクター・メフィストを挙げたかったのですが、 メフィストは他の「魔界都市」シリーズのほうが好きなので)。 もうこの時代の段階で、 外見とかに一切頼らずに、性格や行動だけで、程よい「萌え」を感じさせるのは、 「萌え」を前面に押し出す作家群に、是非見習って欲しいところです。
(「魔界都市ブルース」シリーズや「魔界医師メフィスト」シリーズなど)とは、 若干違う世界観になっているというところですね。 世界観をしっかり繋げて欲しかった……。
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魔獣狩り
<精神ダイバーとは人間の頭脳に潜入し、その秘密を探り出す特殊能力を持つ超戦士である>。 過激派集団から大金を奪った文成仙吉は、山中で闇の乱交儀式を目撃したため、 巨大な獣人に襲われ指を食いちぎられた。 一方、聖域高野山で空海の即身仏が盗まれ、 精神ダイバー九門鳳介と密教術の達人美空が謎を追うが、獣人が二人の前に…… 人気シリーズ待望の文庫化!
登場人物一人一人に、はっきりとした背景があり、思いがある。 それが、読み手に伝わってくる。 物語の途中で死んでしまうような、敵方の人物にさえも、感情移入してしまう。 それが、スゴイ。 夢枕獏の文章は、スゴイ。すばらしい。 その一文字一文字に、強い力がある。 説得力がある。 そしてなによりスゴイのは、そのクオリティを維持しつつ、 未だに執筆し続けているということである。 読んでみて、絶対に損はしない。
自分に生き恥をかかせた男に対する恨み。 それを晴らすためだけに修行し、その男を殺すためだけに生きる復讐鬼。 ドロドロとした思い。 化け物じみた強さ。 何と言うか。それがカッコイイ。
人の頭脳の内部における、精神世界の描写や、戦闘描写がそれです。 残酷描写が苦手な人には、あまりオススメはできません。 これは、当時連載されていた雑誌の編集側からの要求だったそうです。 冒頭から、いきなりS○Xシーンです。 エロスが苦手な人には、多分無理だと思います
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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