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時空のクロス・ロード
「それにしても、平和だよな」 気が置けない仲間達に囲まれ、平凡だが平和な日々を過ごしていた富子市の高校生・木梨幸水。 そんなある日、 「お前さんには才能があるようじゃ―」 彼は不思議な爺さんと出会い、時空転移装置なるものを手渡される。 スイッチを入れた彼が辿り着いた先、そこは、 「この世界は、地獄だ…」 崩壊した富子市だった。 そして、困難な状況の中で必死に生き延びてきた仲間達が彼を待っていた。 「よかった…生きてたんだ…」 生還を喜ぶ幼なじみの香織。 だが幸水は戸惑いを隠せなかった。 「ここは、僕の世界じゃない…」 電撃hpに一挙掲載され、読者人気第1位を獲得した注目作、待望の文庫化。
帯のこの一言に惹かれて購入したこの小説。 電撃hpで掲載され読者人気第一位を獲得した作品です。 主人公の木梨 幸水(ゆきみず)はごく普通の高校生。 写真部に所属し幼馴染の女の子やちょっと変わった後輩、 気の置けない友人たちと楽しくも平凡な生活を送っていた。 しかしある日、 ひょんなことから撮ってしまった一枚の写真が彼の人生を大きく変えることになる…… ※ここから先はネタバレですが…… 一枚の写真がきっかけで、自分が存在している世界の他にもう一つ存在する世界へと、 関わることになってしまった幸水。 その世界は自分たちの世界と全く同じ歴史を送り、全く同じ人物が生活していた。 ただ一点。 恐ろしいまでの致死率と罹患率を誇る疫病によって崩壊しかけていること以外は…… ほとんどの大人がいなくなり、法律がなくなってしまった世界。 そんな中でそれでも懸命に生きようとする幼馴染や友人。 その世界の「現実」とぶつかりあった時、幸水は思い出す。幼い頃に書いた作文を…… 「ぼくわ、 おおきくなったら、しょうかきになりたいとおもいます」 消火器は普段は何もしない怠け者。けれども皆がピンチのときには必ず役に立つ。 幼馴染との約束を守るため、彼はヒーローではなく消火器になる。 ライトノベルを読んでいて初めて涙した作品です。 極限状態になったとき、人間にとって何が大事なのか? そんなことを教えてくれる話だと思います。 ※以上ネタバレ終わり 現代を舞台としたよくあるパラレルワールドもののお話です。 平凡だった少年の成長を描いた物語。 こう言ってしまっては陳腐ですが、 よく掘り下げられた躍動感あふれるキャラクター、 おもしろい世界設定、 繰り広げられる人間ドラマ などは陳腐という言葉を忘れさせてくれると思います。 また、食べ物の描写は必見かと。 読んでいて思わずお腹が空いてきますよ。 笑いと残酷とラブコメと、心に残る感動を与えてくれる物語です。 ぜひお試しあれ。
あえて上げるならば主人公の友人の桃山 仁でしょうか。 「心霊現象の99%は錯覚さ。じゃあ残りの1%は、何かって? それを知るために努力することが科学なんだ」 このセリフが大好きです。 それだけではないのですが、ここから先はネタバレしてしまうので……
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死神の精度
CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、 受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―― そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。 一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。 クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
こんなコミカル風な死神もいる。 主人公の千葉は、一週間以内に調査する人間を「殺す」か「生かす」かを決める職務。 死神にとっては人を殺すことについて何とも思っていない。 主人公のような死神は、調査対象によって容姿を変えて近づく。そんな7つの短編で構成されている。 調査対象を殺すも生かすも主人公の手にかかっている! ……そんなに主人公は本気になっていないけど。
死神はりんご……だけではなく音楽好き、それこそクラシックも好き。そして、基本不死身。 最後のおばあさんは妙にすごい存在感。 やはり、著者はすばらしいと確認させられたキャラだった。
個人的には第一話〜第六話までをしっかり読んでから第七話に入って欲しい。 あと、「ライト」ノベルではないような気もする(つまり、少し重い)。だが、コミカルではある。
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その小説、105円で売られているかも…… |
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