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ある日、爆弾がおちてきて
「人間じゃなくて“爆弾”?」「はい、そうです。最新型ですよ〜」 ある日、空から落ちてきた50ギガトンの“爆弾”は、なぜかむかし好きだった女の子に似ていて、 しかも胸にはタイマーがコチコチと音を立てていて―― 「都心に投下された新型爆弾とのデート」を描く表題作をはじめ、 「くしゃみをするたびに記憶が退行する奇病」「毎夜たずねてくる死んだガールフレンド」 「図書館に住む小さな神様」「肉体のないクラスメイト」などなど、 奇才・古橋秀之が贈る、温かくておかしくてちょっとフシギな七つのボーイ・ミーツ・ガール。 『電気hp』に好評掲載された短編に、書き下ろしを加えて文庫化。
電撃ゲーム小説大賞を受賞した著者の短編集です。 著者曰く、時間に関連した短編を連ねた、との事ですが、 確かにどの短編も構成や設定に時間軸に巧妙かつ明快に仕掛けが施されていて、 それぞれに楽しめます。 文体はやや昔風のジュブナイル小説と言った感じで、 現代にマッチしているかと言うとハテナがつきますが、 個人的には秋山瑞人氏と並ぶ名文家だと思っています。 きれいで描写に過不足の無い文章を書きたいと思っている方(私も含め)にとっては、 すごく良いお手本になるのではないでしょうか。 もちろん、単純に読むだけでも、心の中にじんわりと暖かいものが広がるような作品集です。
読んだあと不意に涙が出てきました。 決して悲しい話ではないのですが、胸にじんわりと来ました。
退廃的な雰囲気は好きなんですが、ちっと耽美っぽすぎるかなぁ、と。
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大久保町の決闘
兵庫県明石市大久保町はガンマンの町である。 ここでは男はみんな拳銃を携帯しているし、決闘で人を殺しても罪にはならない。 そんな馬鹿なと言われても本当のことである。この本に嘘はない。 受験をひかえた高校三年生の光則は、 勉強に専念しようと母の田舎である大久保町へやってきた。 異様な景色に驚く間もなくいきなり決闘に巻き込まれたり、 あたふたするうち凄腕のガンマンとかんちがいされたり、 もうどんどんいろいろ巻き込まれる光則の夏休みはすごい。 衝撃のノンストップギャグアクションコメディロマンスウェスタン。
もう古い部類に入るのに、その文体は今も新鮮でおもしろく、最後まで飽きることがない。 ちと変な主人公と無茶な設定、そして熱いベタストーリーが見事に融合して 最高のエンタテイメント作品になっています。 大久保町三部作の第一作ですが、もちろん残りの二作もオススメです。
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その小説、105円で売られているかも…… |
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