↑目次へ戻る |
からくり夢時計
小6の聖時の家は時計店。 冬のある日、年の離れた兄と大喧嘩、父にも叱られ店の作業部屋に隠れこむ。 そこで聖時は不思議な鍵を発見。 古い時計に差し込むと、突如、部屋の時計がすべて反時計回りに回転しだした。 やがて聖時の前には一人の同じ年頃の男の子が―どう見てもそれは12年前のお兄ちゃん。 さらに幼い頃交通事故で死んだ母親の姿が。どうやらタイムスリップしたらしい。 そして、聖時のかけがえのない時間が刻まれてゆく……。
私は、この小説の中で二回涙を流してしまいました。 特に、ラストはもう嗚咽しながら……次の日学校だってのに、目が腫れてしまいそうです(泣 心身ともに幼かった主人公が成長していく様も、素晴らしかったですね。 主人公だけでなく、他に登場してくる人物たちも過不足なく活躍しており、 構成がよく出来ているなぁ、と思います。 何度も読み返したくなるような、心温まる小説ですw
ネタバレになるので詳しいことは書きませんが、ラストでのこの二人の会話が……あぁ、もう涙が(号泣 ※この先、若干ネタバレはいります。 諒子が母親として、真剣に聖時を受け止める姿が良かったです。 何より、「違う世界に住むことになってしまっても、私はずっと聖時と家を守る」 「死んでも、守る」「人と人は、見えない絆で繋がっている。それは家族も同じ」 などの名台詞が……涙を、誘う原因です。
この作品は聖時の一人称なのですが、どうも今まで読んできた本と比べてしまうと、 地文の量が圧倒的に少ない。その為、テンポが崩れてしまう。それだけが残念でした。
|
||||||||||
傷物語
高校生・阿良々木暦は、ある日、血が凍るほど美しい金髪の吸血鬼と出逢ってしまった……!? 彼女がいなければ"化物"を知ることはなかった―― 『化物語』で大好評を博した台湾のイラストレーター"光の魔術師"ことVOFANとのコンビ再び! 西尾維新が全身全霊をかけて描く、これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
化物語で展開された言葉遊びを内包しつつ、 主人公阿良々木暦がどうして半分吸血鬼として生き続けなければならなくなったのか―― その辺の事が書かれている点、化物語で謎のままだった疑問が語られているのが良かったです。 それに、伝説の吸血鬼キスショットとの出会い。 羽川翼と阿良々木暦との関係。羽川が持つ問題……それらがとても印象的であり、 それぞれが持つ闇の部分を、どうやって昇華するのか。タイトルの「傷」にどう結びつくのか。 全体としては、羽川と阿良々木暦との掛け合いの部分が楽しい作りになっているのですが、 最後の最後にキチンとしめてくれているので、良い作品だと思いました。
主人公の阿良々木暦から、「む、胸を触らせてはもらえないだろうか――」と言われて、 ブラウスの中からブラを抜き取る懐のでかさ……委員長最高です。
先に読んでいた方が理解出来る点かな…… それに、化物語で登場した、戦場ヶ原や八九寺とのやり取りが好きな方には、 少々の物足りなさが感じられるかも。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||
その小説、105円で売られているかも…… |
トップへ戻る |