↑目次へ戻る |
眠り姫
彼女は『眠り姫』と呼ばれていた。 成績優秀で美人だった彼女の唯一の欠点である“居眠り”癖を、 同級生たちがからかい半分で付けた渾名だ。 そのことに拗ねる彼女の顔がまた可愛らしく、私はさらに「姫、姫」と意地悪をした。 そんなたわいもない、しかし幸せな日常を私は楽しんでいた。 そして、彼女との日々がいつまでも続くものと思っていた――。 彼女が、本当に『眠り姫』になってしまうまでは……。 あまりにも静謐な純愛を描いた表題作ほかバリエーション豊かな作品を収録! 大賞受賞作家・貴子潤一郎の珠玉の短編集登場。
月刊ドラゴンマガジン及びファンタジアバトルロイヤルで掲載された4作品及び未発表作品が3点、 書き下ろし作品が1点収録されています。 この短編集でのお勧めは、表題作の『眠り姫』ではなく、 巻末に掲載されている探偵真木シリーズ! 主人公の真木が、 ひょんなことから知り合ったヤクザの橋爪との仕事を通じての友情(?)を描いた作品です。 生き生きとした魅力的なキャラ、渋くてかっこいいストーリー、 そして何よりテンポの良さ!(←ここが僕には重要です) 次!次!と思わず読み進めてしまうこのテンポのよさは圧巻です。 また、読者をあっといわせるような刺激的な転換はありませんが、 要所要所でにやりとさせてくれる渋さには心を鷲掴みにされました。 探偵真木シリーズは三作品収録されていますが、どれも面白い作品。 僕はこの作品に“オススメぴよ”マークを押します(笑) 後は蛇足ながら同じ収録作品の『さよならアーカイブ』。これもお勧めです。 この作品を端的に表すならば“歴史は繰り返す”と言ったところでしょうか。 これだけでも重大なネタバレですが・・・(苦笑) さすが大賞を受賞した作家なだけのことはあると思わせてくれる、 力作の数々が詰まったこの『眠り姫』。 是非一度手にとって目を通していただきたい一押し作品集です。
根っからのヤクザですが意外に愛嬌のあるキャラクターなので親近感が沸きます。
作品自体はまとまったものなのですが、後味が悪いというか・・・。 まぁ、これは好みの問題ですね。 ベロニカとの関連性があるそうなのでベロニカを読んだことのある人には、 「お!」と思わせてくれるかもしれません。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||
ハイスクール・オーラバスター シリーズ
崎谷亮助。身長163cm。趣味、絵。好きなコ、約1名。ごくふつうの高1生。 ただし、見るはずのないものが見える。厄介な感覚強し。 そんな彼の周りに、最近、妙になれなれしいヤツらが出没しはじめた。 謎の転校生・諒。異様に態度のでかい美少女・冴子。街で遇然でくわした十九郎と希沙良。 彼らの話を総合すると、〈妖の者〉とかいう怖~いヤツらが、亮介に取り憑こうと狙っているらしいのだ!!
このシリーズで、まず面白いのは脇役達が主人公よりも人気があることです。 少女向けでありながら、主人公に彼女がいること、 脇役に個性的な人が多いことが原因だと思います。 この本で私が是非お薦めしたいのは文章です。 やや難解な語彙も多いのですが、 この世界観は本当にこの文章でしか表されないと思います。 繊細でスピード感に溢れ、深い文章です。 最近のライトノベルと比較すると文章の説明文の少なさに戸惑うかも知れません。 読者の想像をますます膨らませてくれる含みのあるお話です。 是非一読下さい。
十九郎との関係も気になりますが、彼の素直で正直な性格がとても好きです。 同じく純粋な主人公の崎谷とは異なり、感情表現がストレートなところも好きです。
|
||||||||||
|
|||
その小説、105円で売られているかも…… |
↑目次へ戻る |