ライトノベル作法研究所
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  4. RAIL WARS!4公開日:2012/11/27

RAIL WARS! 4 ―日本國有鉄道公安隊―

ジャンル:現代FT
著者:豊田 巧
出版社:創芸社クリア文庫
発行年月:2012年11月

ドラコンさん一押し!

■ 解説

「高山!この裏切り者ー!」
 桜井あおいの撃った弾丸が俺の頭をかすめる。おかしい、桜井が痴漢から助けた中二女子佳奈ちゃんの進路相談にのるだけだったはずなのに、なんで俺銃で追い回されてんの。
 えっ!國鉄の分割民営化を企む「RJ」の大規模テロがはじまっ? 24時間以内に解決しないと國鉄解散! 冗談じゃない! 俺の一生安泰國鉄人生のため、今度は戦争だ! 國鉄が分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテイメント第4弾。

■ ドラコンさんの書評2012/11/17

 今巻は、3巻の後編です。
 鉄道ファンの中でも、貨物好きの方にお薦めできる1冊です。

 鉄道好きなら“ニヤリ”とさせられる小ネタが出てきます。そして、モデルの旧国鉄最大の欠点「派閥争い」など、鉄道史もそれなりに踏まえられています。

 1巻で、主人公が小海はるかの家族関係について、気付いていないことに違和感を持っていました。「今ごろになって」との思いもありますが、この点がうまく処理されています。
 “ネタばれ”になりますが、創芸社クリア文庫のサイトで、今巻の紹介記事を読んでいると、「ひょっとして最終回か?」と感じる部分もありました。しかし、「あとがき」によると、今後も続くようなので、安堵しました。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 2、3巻では出番が少なかった一見駄目っぽいが、実はデキル人、飯田班長の出番が多かったのは嬉しいところです。
 登場シーンは少ないものの、「上司とは、かくあるべし」といった感じの、南武本部長・五能隊長もいいものです。
 そして、「こんな上司のもとでは働きたくない」大湊室長が、男を上げました。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 一概に「欠点」とは言えないのですが、今巻は既刊に比べ、貨物線が舞台で“マニアック”です。

 旅客線であれば、少々、いやかなりマイナーな所でも、全国版時刻表の索引図を見れば足ります。しかし、旅客線の時刻表には、さすがに貨物線までは載っていません。かなり細かい地名が出てきますので、その点が分かりにくいかもしれません。

 シリーズ全体にも言えることです。私は舞台で読んでいるのであまり気にしていません。が、伏線が見え見えなので、「張り方が稚拙」との評価を受けてしまっても、不思議ではありません。もっとも早発・延着もなく、時刻表通りの定時運転といえば、その通りです。 

 これは3巻の書評で書いておくべきことでした。今巻で重要な役どころの北上佳奈について、初登場の2巻では「女子高生」とありました。
 しかし、氏名・学校名が明らかになった3巻では「中学生」とあります。

 主人公は2巻時点で、彼女を「年下」と認識していたので、この点では大きな矛盾はありません。また、高校生と中学生の違いが、外見ですぐつかなかったとしても、無理からぬ場合もあるでしょう。

 それでも、自己紹介を受ける3巻で、「中学生だったの?」程度のセリフは必要だったのでなないでしょうか。

 既刊の書評で再三指摘している文書校正です。今巻では「鉄道ファンがこんな間違いをするのか!?」といった駅名・線名の誤りはありませんでした。

 しかし、主人公らの配属部署「第四警戒班」を「第四警備班」と書き間違えています。作者が、主人公らの研修部署を間違えるのでしょうか。また、ほかにも誤字が数箇所見受けられます。

 ネタばれになってはいけませんので詳しくは書きませんが、3巻で運んだ重要品が考えていたほどストーリーにかかわっていませんでした。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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