戻る 目次へ戻る 次へ

世界各地にある「物語」が、人を蝕み、現実を侵食する!?

Missing


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 476
 おもしろいです! 100
 なかなか良いです。 34
 ふつうです。 8
 イマイチです。 8
 おもしろくないです。 5
 買うと損します。 12

ジャンルホラー・オカルト
著者甲田 学人
初版発行 2001年 07月
電撃文庫( メディアワークス)
価格(第1巻)570円 (税込:599円)
V`Xさん(男性・17歳) 希巳さん(女性・16歳) 青紅千刃鶴さん( 男性・13歳)
さん(女性・14歳) 緋月さん(男性・20歳)一押し!

■ 解説                               

 物語は『感染』する。そして徐々に、現実は『異界』に喰われている。
 これは現代の『神隠し』の物語。
 その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へ消え失せるという怪異なり都市伝説。
 幼い頃『異界』から生還した過去を持つ少年――空目恭一。
 常に黒ずくめの格好をしている彼は、
 傲慢な態度とオカルトに関する圧倒的な知識量から「魔王陛下」と呼ばれ変人扱いされていた。
 そんな空目恭一が、一人の『神隠し』の少女と出会った時……!
 鬼才が贈る現代ファンタジー、登場!


■ V`Xさんの書評                        

 なんといっても、この設定ですね!
 
 物語は人がその話を知ることにより感染する・異界は常に現実のとなりに存在する。
 この二つの設定は本当に見事です。


 これで話しさえ知ればいつでも、異界に喰われるという状況が完成します。
 知らないモノが後ろにいるのではないかという恐怖。
 ホラーでは定番の怖さですがそこらのホラー小説とは一味も二味も風味が違います。

 もう一つは皆さんもおっしゃっていますが、伏線の回収率。
 十三巻通して一つの話としても出来上がっています。

 あれはそういう意味だったのか、こことそうやって繋がるのか、と感心の連続です。
 伏線の回収は後半の巻に偏ってますけど。

 おっと忘れてた、キャラもいいです。
 巻を追うごとにそれぞれ成長がうかがえます。
 特に近藤が激しく変わっていきます。
 でも、空目はあまり変わってないかも……。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 小崎摩津方です!! いやホントにかっこよすぎですよ、あの爺さん。
 ちょっとネタバレですが最終巻での一言が本当によかったです。
 そのページに付箋貼り付けてるくらいです(笑)

 でも、やっぱりみんな好きですよ。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 中盤、なんとなくダラダラしたな、と感じてしまいます。

 実際は伏線を張り巡らしているところだったんですけどね。



■ 希巳さんの書評                       

 私が友達に「面白いラノベ無い?」と聞かれた場合、
 「あるよ」と一番に答えるのがこの『Missing』です。

 『物語』は語られ、知られる事によって『感染』する、と言う事で綴られる幾つものストーリー。
 一人一人が個性的で、物語の主役であり脇役として話が進んでいきます。
 文は高い筆力で書かれていて、
 オカルティズムやホラーのシーンなどは背筋が冷たくなるときも……
 
 また、伏線の張り方や回収の仕方がとても上手で、読んでいく内に感嘆させられます。
 ずばり、練り込まれた設定に個性的な登場人物、
 レベルの高い描写などは一見の価値があります。


 私が文を書き始めるきっかけとなったのも、この本だったりします(謎)
 私にとってのバイブルですね。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 魔王陛下』こと「空目恭一」ですね。
 あのクールな雰囲気にメロメロ…………脱線しちゃいますね。
 この本に出てくる登場人物の中でも、飛びぬけてヘンな(勿論良い意味にですが)人です。
 それ故に――大好きですね(笑)。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 最終巻の終わり方は人によって賛否が分かれるかもしれないですね。

 「ここから先はネタバレですが……」
 通常は「なんだかんだ言っても空目が主人公」として読んでいる方が多いと思いますが、
 あとがきに書いてあるとおり、実は近藤が主人公だった、というものです。
 これは空目を中心として考えていた人には、少々納得がいかない終わり方かもしれませんね。
 (実は、私も「ん〜?」という感じになりました)

 ただ、大逆転などの要素で考えるとプラスの方に傾くのかもしれませんが……



■ 青紅千刃鶴さんの書評                    

 まず、はじめに思ったことはイラストが綺麗ということです。
 特に11巻なんかお勧めです。
 それに、とても読みやすいというところもあります。

 主人公はある意味5人なのに、それぞれの個性がごちゃ混ぜになっておらず、
 それであって5人の個性がうまく出ている、という所にも魅力が。


 巻ごとに中心となる人物が違うこともいいです。
 さらに、普通の本は巻と巻が直接繋がっているので、
 前の巻を読まないと次の巻はわからなくなります。
 しかしMissingは一つずつの巻が間接的にしか繋がっていないので、
 少し飛ばして読んでも大丈夫だと思います。


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 神隠しの少女、あやめですね。
 イラストから見ても、文章から見ても自分好みですから。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 一気に読むと疲れることですね。
 最初に読む時は時々休んだほうがいいでしょう。



■ 鐵さんの書評                        

 魔術 呪い 伝説 民俗学 怪談 都市伝説 学園 魔女 狂気―――――…
 そういったモノに興味がある方に是非読んで欲しいです。

 絵はメッチャ綺麗で、推敲に推敲を重ねた文章も読んでてとても惹かれます。
 とってもダークですが、その中に美しさがあるんです。

 何かの機会で本屋に行った時には、表紙だけでも見ていってください。
 素晴らしいですよ。(特に11巻)ちなみに全13巻です。
 Missingはそれぞれ「・・・の物語」となっています。
 好きな物語でけでも結構楽しめますよ。

 うわぁ・・・なんか真面目に語ってしまいました・・・。((笑


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 俊也!!
 でも文芸部も魔女も魔女団も美術部も魔術師も、
 その他犠牲等にあった人々((笑))皆大好きです


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 終わってしまったところ。
 最後の巻切なすぎです・・・



■ 緋月さんの書評                        

 怪談、神話、伝承。
 世界各地にあるそれら「物語」が、人を蝕み、現実を侵食する。

 幼児期に神隠しに遭い、そして生還した空目恭一。
 彼がもう一度「向こう側の世界」に行こうとするこの作品は、
 神隠しの少女あやめと出会ったことから始まります。

 圧倒的な知識量と卓抜した思考を持つ「魔王陛下」こと空目恭一を初め、
 この作品には読者を虜にするような魅力的なキャラクターが何人も主役を張っています。


 主人公格が五人という、異例とも言えるこの作品は、
 それでも五人ともが互いを損なうことなく成り立っている秀逸な物語です。
 特に空目恭一、村上俊也、木戸野亜紀の三人は、
 それぞれ飛び抜けた能力を持っている代償として、文字通り何がしかの「欠落」を抱えています。

 それが悲しくも力強く、危うくも引き付けられる魅力として成り立っています。

 他にも、近藤武巳と日下部稜子は普通の高校生という、読者自身が投影できる人物でありながら、
 それぞれ自分の出来ることをやるという意志の強さを魅せてくれます。

 また登場人物だけでなく、ストーリーも純粋に面白いと言えます。
 死の恐怖、未知の恐怖、狂気の恐怖、そのどれもを孕んだストーリーは、
 読む者を否応無く引き込むと思います。


 空目が天才振りを発揮するので、謎が謎を呼ぶ、というわけではありませんが、
 現代を舞台としながらも幻想性の高いミステリーを楽しめます。
 そして作者の膨大な知識量、洗練された文章力、何重にも考えられた伏線など、
 作品自体のクオリティが非常に高いのもポイントです。

 小説には登場人物・ストーリー・舞台の三つが必要と言われますが、
 これはそのどれもを極めて高い水準でクリアしています。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 自称「育ち間違えた文学少女」木戸野亜紀がお気に入りですね。
 クールでいながらも攻撃的、しかしその背景にある事情がリアリティを持ち、
 またその血筋故に事件に巻き込まれた木戸野亜紀。
 
 彼女の強さと弱さ、鋭いが故に脆いというところが、自分を惹き付けます。
 作中の「ガラスのケモノ」が純粋にカッコイイと思えました。



この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 ミステリー系統の話なので、派手なアクションが無いことが挙げられます。
 また上記のように、主人公格が五人いるので、感情移入が難しいと感じられるかもしれません。

 何事も長所が短所に変わる可能性を持つという見本ですね。


■ 一言感想コメント                       

・話の内容が濃さが良い!!!
 このmissingと言う作品はグロいという面も目立つが、それ以上に作者のこだわりがでていてすごいと思いました。 読むのに労力がかかりますが、最終刊まで読み終えた時の後味は最高です!!
 是非読んでみてはいかがでしょうか?


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『Missing』のご注文はコチラから >>>

裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。

夜市


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 0
 おもしろいです! 3
 なかなか良いです。 0
 ふつうです。 0
 イマイチです。 0
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 1

ジャンルホラー・オカルト
著者恒川 光太郎
出版社:角川ホラー文庫
発行年月: 2008年05月
本体価格 514円 (税込 540 円)


ヒロくんさん一押し!(男性・13歳)

■ 解説                               

 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。
 小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。
 野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。
 そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。
 奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング! 魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。


■ この作品について、熱く語ってください!            

 この本は、ライトノベルとホラーと青春の中央に位置する作品だと思います。
 完全なライトノベルではなく、主人公が異世界を冒険する物語でもない(多少そんな感じだが)。

 まあ、いわゆるダークファンタジー的青春小説。

 主人公の「裕司」は夜市を感じ取る力がそなわっている。
 その夜市が今宵、開かれる。
 幼なじみの「いずみ」は裕司の言われるがままに夜市へと飛び込んでいく。

 だが、いずみが夜市のシステムを知ったときにはもう手遅れだった。
 
 ……とまあファンタジーだったらなんとなくありそうな展開(女が男を連れまわすとは逆だが)。
 だが、ホラー小説大賞を取ったので、もちろんホラー。
 ただ、たいして怖くないので、僕みたいな夜トイレに行く前に我慢してもらす、なんてことはない。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 老人。あらすじっぽいもののところでは出てこなかったけど、この老人なしでは話に深みがでない。
 あと、性格が穏やかな面も良かった。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 曖昧な位置にある本なので、
 「俺は最高の恐怖を味わってみてえ!」とか「異世界ファンタジーでハーレム!」
 みたいな展開を望む人には受け付けない、といったところでしょうか。



■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『夜市』のご注文はこちらから >>>

あなたの知っている隠れた名作を教えてください
 
 一押しのライトノベルのレビューを大募集中! 投稿してくださる方は、

 『一押しのラノベ募集係』 『一言感想係』 よりお願いします。
あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない?

戻る トップへ戻る 次へ