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ちーちゃんは悠久の向こう
「ちーちゃんこと歌島千草は僕の家のごくごく近所に住んでいる」 ――幽霊好きの幼馴染・ちーちゃんに振り回されながらも、 「僕」の平穏な日常はいつまでも続くはずだった。続くと思っていた――あの瞬間までは。 怪異事件を境に、ちーちゃんの生活は一八〇度転換し、 押さえ込んでいた僕の生活の中の不穏まで堰を切って溢れ始める……。 疑いもしなかった「変わるはずがない日常」が音を立てて崩れ落ちていくさま、 それをただ見続けるしかない恐怖を描いた、新感覚のジュブナイル・ホラー。 世紀末の退廃と新世紀の浮遊感を内包した、新時代作家・日日日(あきら)、堂々デビュー!! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 日日日 1986年7月29日生まれ、奈良県出身。千葉県在住。 本格的な活動を開始した04年だけで、 “第4回新風舎文庫大賞”大賞をはじめ“えんため大賞”佳作(エンターブレイン)、 “角川学園小説大賞”優秀賞(角川書店)と次々大きな賞を獲得。 文庫大賞受賞作となる『ちーちゃんは悠久の向こう』で待望のデビューを果たす
読んだのは結構前なので覚えている範囲で語ります。 最初はたんたんと物語が進んでいくのですが、 ある時を境に主人公の生活が一変してしまうのです。 それでも主人公は変わらずに生活をしていて、見ていて感動したのを覚えています。 ああ、この主人公は強いな、って。 この話の中に出てくるキーパーソンが女キャラでいるのですが、 そのキャラが読んでいくうちにすごく気に入ってしまいました。先輩です。 でも、まさかあんな形であんなふうに扱われるなんて思いもしませんでした。がっかりでしたね。 プラスに見れば、最後のどんでんがえしは思いもよらなかったから大変良かったです。 まだ二作しか出ていないうちの一作ですが、 一読の価値は十分にあると思います。自分的にこちらのほうが上だと思っています。
常に主人公のそばに登場して彼に声をかけてくれます。 主人公が他の部活仲間に目をつけられているときも守ってくれようとしますし。 おそらく健気なんです。そこがいい。 最後の主人公との雰囲気もたまらなく好きでした。あのまま行くと思っていたんですがねぇ。
最後にいい方向に向かおうとしていたところであのように扱ったところですね。 その分、今でも印象に強く残っています。 読後感としては最悪ですが、日日日さんの狙ったことなのでしょう。この印象の強さは。
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夏と花火と私の死体
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。 こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。 次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、 早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。 第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。
そしてジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞した小説です。 この本はとても斬新なやり方で書かれており、 この書き方で書かれている作品を私はこの作品しか知りません。 この小説を最初に読んだときにびびっと私の体に衝撃が走りましたね。 この小説の怖さは、犯人に追い詰められていく、狂った人が襲ってくる、 幽霊が呪ってくるといったたぐいの怖さではありません。まるっきり逆です。 というかあまりホラー要素はないかもですね。 私がこの作品に恐怖を感じたのは登場人物たちの様子です。 みんながどこかねじが外れているというか、子どもの無邪気さが逆に怖いといったかんじです。 でもやっぱりこの作品といったらサスペンスという言葉が実に合っていますね。 健くんと弥生ちゃんの一挙一動にとてもはらはらさせられました。 そしてこの本は他にもう一作の小説が入っています。 『優子』という題名ですがこれもまたいいです。 優子に対する主人公の解釈と政義の解釈、果たしてどちらが正しいのか。 それは最後までわかりません。これもやっぱりはらはらしますねw
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PSYCHE (プシュケ)
どうせ僕には、自分が見ているものしか見ることが出来ないんだ。 「僕」には死んだはずの家族たちの姿が見える。 一人、絵を描きながら過ごす「彼ら」との奇妙な日々がやがて、「僕」の本質を引きずり出す…… 「しかしこの家は気持ち悪いな。きみの内臓のなかにいるみたいだ」
その事故で家族を失った彼であったが、ある日突然、死んだはずの家族の姿が見えるようになった。 奇妙であるが楽しい日々が戻ってくる。 とりあえずすばらしい作品! 情けない主人公の絵にかける情熱!! 恐怖に立ち向かう情けない主人公の姿!!! 全体的に暗い雰囲気ですが、その中にも楽しさがある。 いずれ死ぬんだから悲しみに時間を使うのは無駄だ。 絵を描こう。 僕だって楽しいことのほうが好きなんだ。 開き直りなのか前向きなのか。 そんな作品です 。
頼れる兄貴的存在。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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