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描きかけのラブレター
絵を描く以外これといって取り柄のない高校生の僕・遠藤ユキオにとって、 神木円という女の子は異分子そのものだった。 憎らしいほど美少女だった彼女の存在は、平凡だった僕の生活をムチャクチャにかき乱した。 けして甘い思い出ではない。仲は良くなかった、むしろ悪かった方だ。 つまらない誤解が原因で、僕は円から数々の意地悪をされ続けていたのだから。 卒業式も近くなったある日、僕は親友の巧から円のことが好きだと告白された。 巧に請われるまま、彼が円にプレゼントするための〈円の絵〉を描くことになった僕。 放課後、ひとり美術室に残りカンバスに筆を走らせていた僕は、やがてただひとつの事実に気がつく。 ――僕は、円が好きだった。 白いカンバスにひとつひとつ絵の具がのっていくように、ゆっくりとユキオと円の物語が始まる。 不器用な少年と少女が描き出す、ピュアで優しく、そして少しだけせつない青春ストーリー。
ツンデレです。 純粋です。純粋にツンデレです。 最近のライトノベルはファンタジーが主流で現代が舞台でも魔法なんかが飛びますが、 この作品は完全に地に足が着いた設定です。 それ故にヤマグチさんの書くツンデレが強調され凄まじいことになっています。 あまりに純粋なものでここまで純粋なものを書いていいのか? と、作者に尋ねたくなる一品です。
守るべきものを守る古い時代の人みたいな考えが逆に新鮮でかっこいいです。
ストーリーに意外性があれば、なお良かったと思います。
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Kaguya―月のウサギの銀の箱舟
“自分の見ているものを他人に見せることができる” という使い道のない超能力を持つ真田宗太。 そんな超能力を隠して普通に生活していた宗太は、 ある日、自分の住んでいるマンションの前で不思議な少女と出会う。 少女は素肌にシーツを巻きつけただけの姿で、頼りなげにしゃがみこんでいて、 しかも目が見えない様子で……。 ひょんなことからその少女、立花ひなたと一緒に暮らしはじめた宗太は、 彼女が特別な力を持っていることを知り……。 不思議系ヒロインとのラブストーリー、誕生。
『超能力を得た子供達』 これを見て、恐らく大半の人は「禁書目録」に出てくるように、 かっこよく能力を使って悪役を退治するような物語をイメージするのではないでしょうか。 この物語は、その点で違いました。 とある事件をきっかけに、超能力に目覚めた子供達が世界中に出てきます。 しかし、その得たくて得たわけでもない能力に、少年少女は迫害されていくのです。 普通の人たちからは、まるで人外扱い。 この物語は、それに必死に抗おうとする少年少女の織り成す、 優しくて健気で儚くて、そして綺麗な物語です。 以下ややネタバレを含みます。 他人に自分の見ているものを見せることが出来る能力のある主人公――真田宗太 。 そんな彼はなんでもない学校の帰り道、綺麗な銀色の髪の、盲目の少女に出会います。 彼女は世界的に最も危険とされる能力者であり、そして同時に、どこにでもいる普通の女の子。 そんな少年少女は、やがてお互いを想うようになります。 人種差別。 それについて、少しだけ考えさせられる作品でもありました。 そういうところも含めて、全部面白い作品です。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? うーん。全員好きですけどね…… やっぱりヒロインのひなたが一番好きです。 一途なところがとても可愛いですね。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 進み方にやや淡白な部分があるところ。 えぇ、こんな大事なことさらって言っちゃっていいの? もう少し間を持たせて、重みを出してここは書いたほうがいいのでは……? と思うところが少々ありました。 あともう一点。 ラストにやや強引さを感じました。 物語は上手くまとまっていて、それ自体に違和感は感じませんが、 どうもこう、拍子抜けする部分がありました。
まるで魔女狩りのように迫害されている世界。 能力者達は迫害の対象になることを恐れ正体を隠し、 時に強い能力を持つ者は政府の研究機関に送られる。 そういうことが日常的に起こる、わりと空気が重い作品です―― と、言いたいところですが、正直どうでもいいです。 いえ、良くはないのですが。 世界設定は重いし、殺人やらテロやら謎やらが蠢く、 とても血生臭い光景が多々出てくるので結構内容はシリアスだったりします。 しかし、それ以上に熱いんです!(恋愛が) 以下ネタバレあり。 ムーンチャイルドの真田宗太と、同じくムーンチャイルドであり、 かぐや姫と呼ばれる程強大な力を持つヒロイン立花ひなた。 偶然であった二人は、ひょんなことから同じ屋根の下で暮らすこととなり、 喜怒哀楽が入り混じった、ある意味とんでもない学園生活を送ることになります。 そして紆余曲折の末、一巻のラストではヒロインが主人公にアタックします!(恋愛的な意味で) つまり何が言いたいかというと……この二人、イチャイチャしすぎです。 それはもう、こちらがうらや――もとい、赤面したくなるほどイチャついてます。ラブラブです。 二人とも初々しいのですが、それがまた雰囲気に拍車をかけて暴走し……既に凄いことになっています。 むしろまだ一線を越えていないことの方が驚きです。 生徒会シリーズやテストと召喚獣シリーズとは全く違う意味でにやけてしまいます。 それはもう、(あらゆる意味において)迂闊に屋外で読めないほど。 この二人の前では、世界観など月の重力より軽いです。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? ヒロイン立花ひなたですね。 もの凄く純粋で正直で、呆れるほど素直なところが最高です。 多少暴走してしまうところもありますが、とにかくそれほど一途な少女です。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 展開が速すぎるところでしょうか。 先ほども書きましたが、このヒロイン、一巻ラストで告白します。 だけに留まらず、二巻でお付き合い、三巻で全世界に対しプロポーズ! そして四巻ではとうとうこ(省略)まで!? 速過ぎます。
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