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「すき」と言えない高校生の揺れる思いを描く、ちょっと怖い物語。

ロミオの災難


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 4
 おもしろいです! 3
 なかなか良いです。 1
 ふつうです。 1
 イマイチです。 0
 おもしろくないです。 0
 買うと損します。 0

ジャンル恋愛・ラブコメ 
著者来楽 零
出版社:電撃文庫
発行年月: 2008年01月
本体価格 610円 (税込 640 円)

妃芽さん一押し!(女性・18歳)

 そこにいるだけで空気が華やぐような綺麗な少女、雛田香奈実。

 彼女にうっかり一目惚れした僕が演劇部に入部してしまってから数カ月、
 文化祭公演のための台本を選ぶ時期がやってきた。
 現役の演劇部部員は僕と雛田を含め、一年生五人きり。
 僕たち五人にはそれぞれ想い人がいたりいなかったりしたのだけれど、
 部室で見つけた、ぼろぼろの『ロミオとジュリエット』の台本を使うことに決めたときから、
 五人の心に奇妙な変化が起こり始め―。
 これは、「すき」と言えない高校生の揺れる思いを描く、ちょっと怖い物語。

■ この作品について、熱く語ってください! 

 紹介文には「ドロドロ愛憎劇ホラー」のような事が書かれていますが、
 全然そんな事ありません。むしろ、爽やかな青春小説といった雰囲気の作品です。


 事の起こりは、演劇部員五人が劇のシナリオをどうするか部室で相談していたときに
 偶然「ロミオとジュリエット」の台本を見つけた事から始まります。
 そしてその台本でお芝居をする事に決めてから、五人の心境に微妙な変化が訪れます。

 とにかく、書き方がとても丁寧。そして繊細。心理描写がとにかく巧いです。

 派手さはあまりありませんが、完成度はとても高いと思います。
 文章も凄く丁寧で綺麗。一人称で書くときは、この作品を参考にしています。

 それから、私としては登場人物達が安易な萌えに走っていない事も高ポイントです。

 なのに皆すごく魅力的。周りの人たちをちゃんと思いやって行動しているキャラクターばかりで、
 変に自己中心的なキャラがいないので、読んでいてとても心地良いです。

 いい意味で、ラノベっぽくない作品でした。
 読む人を選ばないと思うので、男性女性問わずオススメです。

 一巻でちゃんと完結していますので、シリーズものはちょっと、という方も、ぜひ。

■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 雛田香奈美。
 彼女の考え方には、共感するところがとても多かったです。
 性格も自然体で素敵。

 如月行哉。
 ラノベでは特に主人公は好きになれない事が多いのですが、如月は好きでした。
 気持ちがフラフラしないところが良いです。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 特にありませんが、あえて挙げるなら帯の紹介文……(笑)
 これでちょっと損をしている気がします。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
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 変わり者の美少女2人と田中くんの、おかしくてちょっと切ないラブコメディー

わたしたちの田村くん


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 183
 おもしろいです! 76
 なかなか良いです。 30
 ふつうです。 7
 イマイチです。 2
 おもしろくないです。 7
 買うと損します。 3

ジャンル恋愛・ラブコメ 
著者竹宮 ゆゆこ
出版社:電撃文庫(メディアワークス)
発行年月: 2005年 06月
本体価格:610円 (税込:641円)

TenHieさん(男性・21歳) まりおさん(男性) 
有蛇さん(男性・18歳) 別府さん(男性・23歳)一押し!

 「中学生活最後の夏」

 という魅惑のフレーズに浮かれるクラスから取り残されていた田村くんの前に現れたのは、
 進路調査票に「故郷の星へ帰る」と書き続ける不思議少女系、松沢小巻だった。
 受験直前のバレンタインデー、田村くんの部屋に投石して窓を粉砕&チョコを誤爆したのは、
 学年随一の美少女にしてクールなツンドラ系、相馬広香だった。
 そんな変わり者の女の子2人と、
 空回りしながら奮闘する田村くんが贈る、おかしくてちょっと切ないラブコメディー。
 「電撃hp」で人気の『うさぎホームシック』『氷点下エクソダス』に、
 田村をそそのかす男・高浦とその奇妙な妹を描く番外編を加えて待望の文庫化。

■ TenHieさんの書評

 帯にある通り、キャッチフレーズは『あなたのツボにくるラブコメディー』。
 まさに読み終わってから「ツボにくるなぁ〜」と思いました。
 丸パクリな感想ですが、帯を見なくともこんな感想が浮かんだんじゃないかと思うくらい、
 キャッチフレーズが的確な青春ラブコメだったと思います。

 『故郷の月と電波を送受信』、不思議系少女な松澤小巻。
 『私はいつも一人でいたい』、クールなツンドラ相馬広香。
 
 この2人が抱く、いじらしい恋心がまず何よりのツボポイント。

 松澤小巻は主人公、田村くんの高校合格を願って、
 引っ越しで別れた遠路はるばるお守りを送ってきてくれます。
 気持ちを確認する前に別れてしまった彼女が送った、そのお守りの「中身」とは・・・
 高校進学後(厳密に言えばその前日)、田村くんと数奇な出会いを果たした相馬広香は、
 強がって隠していた弱い自分を支えてくれる田村くんに一途な恋心を抱くこととなります。

 でもそんな田村くん自体は松澤との恋に揺れているわけで、
 自身をまっすぐ見てくれない心に募るのは辛く苦しい、傷ついた感情。
 まさに甘酸っぱい恋ですが、それらを経て彼女がついにお守りの「中身」を目にした時。
 走りだす田村くんの前に割り込んだ彼女は自転車を停め彼を見据え、そして・・・

 田村くんを巡る2人の、ほんのり切ないそんな恋愛模様が、
 この作品の最大の魅力なのではないかと思います。

 個人的には、そんな2人に振り回される田村くんのズレた発言も結構ツボで

『別にO字型のコースだからといって、O字型に走らなくたっていいのではないだろうか。うん、そうだ。』
『θ!』

(外の女の子が投げた石が部屋の窓ガラスを割って)
『まさか?ゴルゴが?俺を?狙って?』

(思い悩み、色々とドジを踏んで相馬から「変な田村」と言われ)
『そうです。私が変な田村です』


 爆笑ではないものの思わずクスっと笑ってしまう田村くんのキャラクターも、
 この青春物語にスパイスを添えていたように思いました。


 そしてそれは作者自身の独特のセンスでもあり、
 田村くんを苛む板挟みの感情をダークになりすぎないよう緩和していたようにも思います。

 でも大切なのはやはり、相手の気持ちに気づけない馬鹿な自分に苦悩しながらも、
 がむしゃらにもがく姿があったということ。


 相手の気持ちに向き合いながらも、「答え」を定める勇気があるか否か。
 たとえ気づくのが遅くとも、その時走り出す衝動があるか否か。
 美学にするなら、やっぱりそんな勇気と衝動の方が格好いいですよ。

 そういう意味で、田村くんは『馬鹿だからこそ』格好よかった。
 2人の女の子が惚れるにふさわしい主人公だったと思います。


 竹宮ゆゆこの魅力が詰まった、あなたの『ツボ』にくる短編集。
 友達から借りているので、返して後で買いに行きます。
 いつまでも手元に置いておきたい、心に残る良作でした!


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 松澤小巻です。あのお守りの「中身」はもう・・・ツボですよ(語彙貧困)


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 『高浦さんちの家族計画』がどうしてもよくわからなかった、くらいです。
 補話?の扱いなのでしょうか?


■ まりおさんの書評 

 この作品を手に取ったキッカケは竹宮ゆゆこさんの作品だったから 、
 ただそれだけです
 そういう興味本位でこの本を読んだのですが、とても面白い作品でした。

 青春時代のぎこちない恋の話なので、読み終わった後思わずニヤニヤしてしまいますw

 話の概要は解説にあるので省略


以下ネタばれ注意

 この話を読んで感じた事は、少し変わった人でもみんな普通の人なんだなということです。

 作中に登場する松澤小巻は進路調査表にヘンテコなことを書くし、クラスではいつも1人でいる。
 また、相馬広香は人を突き放すような態度をとります。
 でもそれらの行動は、失って悲しくなるなら、
 最初から欲しくないという彼女らなりの自己防衛だったのです。

 主人公・田村雪貞は始めの内は彼女らはちょっと変な子という気持ちで接していました。
 少しずつ相手の秘密や過去を知っていくにつれ、彼女らの助けになりたいと思うようになっていきます。
 そして次第に自分に一生懸命な田村くんに惹かれていきます。

 上のような書き方だと田村くんは単なる二股に見えてしまいますが、
 出会う時期が少し違うのでそれは大丈夫です!・・・多分
 実際、作中で表紙の彼女ら二人は顔を合わせることはありません。


 このような話はどこにでもありそうですが、この3人はもうとにかく青臭いですw
 でもそんな3人が青臭くてかわいいです・赤面ものです・思わずニヤニヤですw


 まさに「あなたのツボにくるラブコメディー」です。

 けど田村くんは保健室の先生を青い果実なんて呼びます。
 どっちが青い果実なんだかw

ネタばれ終了

 竹宮ゆゆこ先生は、このような思春期の子の心持ちをよくわかっていらっしゃいますね 。

 今さらながらこんな素晴らしい作品に出会えて本当によかったです 。
 皆さんもぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 松澤小巻です

 ちょっと不思議ちゃんな所もいいですが、2巻の最後のあたりでの松澤は・・・
 もうすんごくいかわいいです。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 何かこれからまたありそうな話の流れなのに、
 作者的にももう一区切り付いてしまって続きがないところです 。
 少し残念です。

■ 有蛇さんの書評 

 竹宮ゆゆこさんの作品と言えば、とらドラと思われるかも知れませんが、
 僕としてはもうとらドラよりもこちらの方が断然お勧めです。

 恋愛物は死ねば良いという物じゃない、と見せつけくれる素晴らしき作品です。
 主人公の田村雪貞の心情が伝わってきて思わず三年ぶりに泣いてしまいました。


 とにかく心情の描写の仕方が半端無く上手い。

 ライトノベルとしては異質なのかも知れない普通のお話しですが、
 それでこれだけ面白いのだからこの作品は神作だと思います。

 僕はこの作品を読んで作家になりたいなと思った程です!


お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 天然の不思議ちゃんキャラ、松澤小巻ですね。

 もう天然なんだけどしっかりした子で健気でもう可愛いです(笑)
 まあ、僕がただ単に天然っ子好きなだけですが!(笑)

 軽くネタバレかも知れませんが可哀想な過去を持った可哀想な女の子です。
 それでも強く生きていこうとしている彼女に心打たれました。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 欠点というと微妙に未完な所ですね。
 終わり方としてはありだとは思いますが……


 いつか三巻がでる事を願っています。

■ 別府さんの書評

 中学最後の夏。クラスのみんなが恋愛を楽しんでいるなかで、
 自分達だけが取り残されている事に気付いた田村。
 このままではいかんと焦る田村が目を付けたのは、松澤小巻という物静かな美少女。
 だが親友の高浦は「あいつだけはやめておけ」といってきかない。
 高浦が見せた、松澤の進路調査票には「故郷の星に帰る」とだけ書かれていた。

 不思議系少女、松澤小巻との初恋を描く「うさぎホームシック」


 受験直前のバレンタインデー。
 兄へのチョコを受け取り拒否された少女は、
 あろうことか田村の部屋の窓を粉砕し、チョコを投げ入れた。
 そんなハプニングがあったものの、高校は無事に合格。
 しかしクラスの自己紹介で、相馬広香と名乗るバレンタインデーの時の少女と再会。
 あの時の怒りが収まらない田村は、ささやかな復讐を試みる。

 ツンデレ系美少女、相馬広香との恋愛を描いた「氷点下エクソダス」


 電撃hpで好評だった二編に、田村の親友、高浦とその奇妙な魔女っ娘妹を描いた、
 書き下ろし作品「高浦さんちの家族計画」を加えた。可笑しく、切ないラブコメディです。



お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
 なんといっても主人公の田村雪貞がお気に入りです!

 バカで真っ直ぐで不器用な彼の魅力にもうメロメロです。

 もちろん表紙の女の子二人も、
 「不思議系」や「ツンデレ系」といった萌え属性を使っているにも関わらず、
 リアリティと親近感があって、とても素敵です。


この作品の欠点、残念なところはどこですか?
 これはネタバレですが、

 相馬広香が田村を好きになったきっかけが、理由としては弱い気がします。

■ 一言感想コメント

・作者の竹宮ゆゆこさんの、感情描写がしっかりしているので、登場人物の気持ちが突き刺さるように伝わってくるのが面白かったです。 また、冊数も全2巻とコンパクトにまとまっているので、勢いで読めるところも面白かったところです。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『わたしたちの田村くん』のご注文はこちらから >>>

あなたの知っている隠れた名作を教えてください
 
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 電車でラノベを読む際に重宝する


 文庫サイズ『Amazonオリジナル ブックカバー』 です。

 隣の人の目から、萌えイラストを隠してくれます(笑)


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