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所長もおすすめ! 僕の血を吸わないで
明るさだけが取り柄の高校3年生花丸森写歩朗の部屋へ、 ある夜1人の少女が飛び込んできた。ジルと名乗るその少女はなんと吸血鬼。 あまりに現実ばなれした出来事に驚き恐怖する森写歩朗。 しかし、吸血鬼狩りブラックウイナーに追われ重傷を負ったジルに同情し、 かくまってほしいという彼女の願いを聞き入れる。 こうして暮らしはじめた2人は徐々にお互いに惹かれていくが、 人間と吸血鬼という種族の壁は高かった。思い悩むジルと森写歩朗。 そこにとうとうブラックウイナーが現れた。 果たして2人の運命は? そして恋の行方は……!? 第4回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作。
タイトルでわかると思いますが、この小説のキーポイントは『吸血鬼』です。 吸血鬼がいて、同居する少年と吸血鬼がそれを追うハンターをやっつける…… ストーリーだけを聞けば、ありがちです。確かにそうです。 ただし、こういう小説にありがちな『重い』『暗い』『どシリアス』などといった、 そ〜ゆ〜のがいやな人にとっての要素というの一つもありません。 代わりにあるのは『ギャグ』『底抜けの明るさ』の二つです。 後は……キャラクターがとっても魅力的なこともこの小説を面白くしている要素のひとつです。 はっきり言って、キャラクターたちはみんなバカです。 ですがそのばかさ加減がまたいとおしいのです。 ところどころに小ネタがはさまれていますがそれもまたいい感じです。 最後にちょっとだけシリアスになりますが、その時もギャグをはさむことを忘れていません。 ちょっとだけかっこよかった森写歩郎は結局かっこ悪い、お笑いキャラで終わります。 読めば爆笑間違いなしです。
最もおかしな名前の彼の魅力はそのばかさ加減です。 何倍にしても平均点に達しない(つまり○が一個だけ)という偉業を達成したり、 ジルのあの熱烈な思いにもまったく気づいていなかったり愛すべきバカです。 どことなくドラえもんののび太を思わせます。 もちろん、ジルもサフィーも辰太郎もモンドーもみんな大好きです。
重くない代わりにすさまじく軽い小説なのですから。 そ〜ゆ〜のが苦手な人は読まないほうが無難です。
作者のギャグのセンスが切れまくっており、大笑いできます。 ここまで笑える小説というのは珍しいでしょう。 受賞当時、作者はまだ学生だったということで、話題を呼びました。 いや、本当に天才っているものだなぁ〜っと、感嘆しました。 ただ、本当におもしろいのは、新人賞を受賞したこの作品だけで、 それ以降の「僕の血を吸わないで」シリーズは、だんだんとギャグがパワーダウンしていき、 尻窄みになっていきます。 シリーズとして5巻出ているのですが、私は3巻まで買った時点で見切りをつけました。 1巻は買う価値十分ですが、それ以降はちょっとオススメできません。
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