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変態王子と笑わない猫。

ジャンル:恋愛・ラブコメ
著者:さがら総
出版社:MF文庫J
発行年月:2010年10月
本体価格 609円(税込)

ハブクラゲ(男性・18歳)さん かばさん一押し!

■ 解説

 横寺陽人は頭の中身が煩悩まみれな高校二年生。
 ひょんなことで“笑わない猫像”に祈ったら、心で思ったことがいつでもどこでも垂れ流しになってしまった!
 人生の大ピンチを救ってくれたのは、クールでキュートな無表情娘、筒隠月子――
「頭の先から尻尾の終わりまで撫でまわしたくなる感じの子だなあ」
「変態さんですね」
「ち、違っ、褒め言葉の一種だよ!?」
「裁判沙汰の多そうな変態さんですね」
「!!??」
 とにもかくにも猫像のせいで喪われた本音と建前を奪還しようと、ふたりは協力してアニマル喫茶に行ったり水着を買いに行ったりお嬢様のペットになったり――ん?
 第6回新人賞<最優秀賞>受賞、爽やか変態×冷ややか少女の青春迷走ラブコメ!

■ ハブクラゲさんの書評

 この本を開くとまず、主人公の一人称による語りが特徴的で引き込ました。

 変態王子というタイトルにふさわしく、頭の中が「煩悩まみれ」でもちゃんと人の気持ちや問題解決の努力に悩む姿などにも好感が持てます。

 そして、世界観。この物語は祈った人の願いをかなえる「笑わない猫像」が中心となって展開されていきます。
 ちょっと変わった方法(これがまた僕のこの作品にはまる一つの原因になる)で願いをかなえてしまう猫像の理不尽さや、猫像に付随する登場人物の心境などによって話が進行していくさまがおもしろいです。

 もうひとつこの物語のテーマとして「本音」と「建前」があります。

 煩悩たっぷりの主人公は「建前」が使えず本音が垂れ流しになり、感情がすぐに表に出てしまうヒロインの女の子は「本音」がうまく表に出せない無表情な人間になってしまいます。

 建前が無いせいでいろいろと無謀なことをしてしまう主人公によるコメディな部分は、さきに書いた独特の一人語りをもってリズミカルに書かれていて読んでいて楽しいです。
 また女の子の方も「本音」が表に出せないせいで気持ちが分かりにくい分、仕草に注目されています。
 これがとてもかわいいのでぜひチェックすべきです。
 もちろんこの「本音」と「建前」は物語にも大きく関わってきます。

 その他のキャラクターも魅力的です。
 さきほどから書いているメインの二人にも深く関わってくる登場人物にもそれぞれ仕掛けがあって退屈しません。

 作品は3巻まで刊行されています(2011年7月現在)。
 3巻で物語が大きく広がるので、今後の展開にも期待です。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 高校1年生のヒロイン、筒隠月子というキャラが好きです。
 上で書いた「本音」を失うヒロインで、これも上で書きましたがその仕草が本当に可愛いです。
 またどこか片言の言葉づかいなどポイント高いです。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 女の子たちと主人公の関係がありきたりな印象を受けました。
 これは読んでてちょっと気が滅入りました。

 あと1巻だけで話として完結しているので、2巻が無理やり続編書いた感じがして違和感があったことがマイナスです。

■ かばさんの書評

 本屋に行ってセンターにあまりに堂々と「変態」の文字。買うしかないじゃないですか(笑)

 いつも建前を並べて自分の本音を言えない変態高校生、横寺陽人。
 なんとか建前を捨てたいと願う彼が聞いたのは、今町で話題の「笑わない猫像」の噂。
 その像は、お供え物と一緒に自分が「要らない」と思うもの祈ると、逆にそれを欲しがっている誰かに押し付けてくれるそうです。

 その晩、半信半疑で「笑わない猫像」にお祈りをしていると、背後に人の気配が……
 驚いて呼び止めてみると、なにをかんちがいしたのか、その少女‐筒隠月子は大騒ぎしはじめます。
 何とか落ち着かせ話を聞いてみると、彼女もまた「笑わない猫像」にお祈りをしにきたそうです。

 彼女の願いとは、すぐに口に出してしまう自分の本音を捨てること。
 せっかくなのでと二人で一緒にお祈りをして、翌日、学校に行ってみると……

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 主人公、横寺です。こいつはもうどうしようもないですね(笑)
 どんなワードでもたちまちアッチ系のネタにリンクすることができる才能の持ち主です(笑)

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 素人の私から見て、これといった目立つ欠点は見られません。

■ 一言感想コメント

・筒隠みたいなキャラは、あまり見たことがないので、とてもおもしろいです♪
2013/03/23

・言葉の使い回しが上手です。
2012/05/30

・内容がとても面白く、笑いあり涙ありの差を十分に見せつけることで、その世界そのものに自分自身が入り込めるような感覚になれる。
2012/03/14

・筒隠月子が好き。あえて主人公と同年齢ではなく一つ年下、というのが一番の理由である。口調を丁寧語にすることによってまた、違った可愛さをかもし出している。サイドのポニーテールというのも捨てがたい。
 表情を露にできないというのが凶と出るか吉と出るかは読む人それぞれなのだが、笑う・泣く・怒るを誰にも見せない、いや、見せられないというのが何かのポイントなのかもしれない。
2012/03/14

・一巻で話が完結しています。
 ですから二感以降は読む必要があまりないのかな、とも思えました。
 しかし一巻だけなら本当に綺麗に纏まっているので、一巻だけでも手に取って頂きたい作品です。

・三巻から、話がゴタゴタしているような気がします。
 素人の意見ですので気に留めないで頂きたくはあります。

・さすがレーベル初動売り上げ第一位と言ったところかって感じです。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
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