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さくら荘のペットな彼女

ジャンル:恋愛・ラブコメ
著者:鴨志田 一
出版社:電撃文庫
発行年月:2010年01月
○読者投票結果
最高です!一押し。 56
おもしろいです! 23
なかなか良いです。 0
ふつうです。 1
イマイチです。 1
おもしろくないです。 0
買うと損します。 2
aka2さん(男性・25歳) まりおさん(男性・22歳) Mashironさん(男性) TenHieさん(男性・21歳)一押し!

■ 解説

 俺の住む寮『さくら荘』は、学園の変人たちの集まり。
 そんな寮に転校早々入ってきた椎名ましろは、可愛くて清楚で、しかも世界的に有名な天才画家だという。
 天才美少女を寮の変人たちから守らねば! 
 と意気込む俺だったが、入寮翌日恐るべき事実が発覚する。
 ましろは、外に出れば必ず道に迷い、部屋はめちゃくちゃ、ぱんつすら自分で選べないし、穿けない、生活破綻少女だったのだ!
 そんなましろの“飼い主”に任命された俺。って、服とか俺が着替えさせるの!?
 これでも俺、健全な男子高校生なんですけど!?

■ aka2さんの書評

 全力で何かに向かっていくとどうなるだろうか。
 スポーツに、勉強に、趣味に、なんでもいい、何かに本気で取り組み、そこから何が得られるだろうか。また何を失うだろうか。

 人間誰しもが何かに本気になったことはあるだろう。
 継続的でなく一瞬でもいい、必ずあるはずだ。
 その時に得られた結果はどうだっただろうか。
 結果がよく、頑張って良かったと思ったか、それとも頑張ったのに結果が思わしくなく後悔したか。
 この作品はそんな人達に読んでもらいたいと思っています。

 この作品はコメディタッチに描かれている部分が多いです。

 ボケとツッコミの役割がきっちりと出来ていて面白く読めます。
 また文面に会話形式が連続して続く部分などは非常にテンポが良いです。
 とりわけ主要キャラクター達が寮で共に暮らす(男女)ことからも、コメディタッチであることは想像にたやすいことと思います。
 その部分も大変魅力的です。

 しかしそれと同時にこの作品では、それぞれのキャラクターが「自分が望んだ何かに全力で突き進む」という姿を色濃く描く部分もあります。

 また各キャラクターそれぞれの行動に「結果」は訪れます。
 その結果を得た時、どう感じるのか。そしてどう行動するのか。
 ぜひ作品を読んでその顛末を見届けてほしいと思います。

 何かに頑張って良かったと思った人には更なる共感を。
 何かに頑張って後悔したと思った人には新たな共感を。

 本気だったからこそ「成功」は言葉にならない喜びに溢れ、「失敗」は言葉にならない悔しさを生む。
 そんな失敗の中で強い後悔を感じた人もいるだろう。
 しかし、言葉にならない悔しさを得られたのは自分が本気だったからではないか。

 そんなことに気付かせてくれる作品です。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 ヒロインの椎名ましろです。
 無垢に自分の好きなことに突き進む姿、異常な生活力のなさ、常識力のなさ、妙にずれた発言など魅力満載です。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 客観的な指標になるのですが、青臭い青春(恋)というものが非常に苦手な方にとっては一部ストーリーが苦痛に感じるかもしれません。

■ まりおさんの書評

 この作品を手に取ったきっかけは友達から借りて「おもしろい!」と思ったからです。
 迷わず発売されてる全巻を買いました。
 このおもしろいというのは登場人物それぞれの恋愛やギャグもそうですが、

 何よりこのさくら荘で繰り広げられる心温まる日常です。
 好きな人にはたまらないと思います。

 また、主人公もそうですがみんな自分のやること・やりたいことに一生懸命です。
 読み終わった後に自分の中の熱い気持ちがうずくかもしれませんw

 それと完全に主観ですが、この作品は雰囲気が「ハチミツとクローバー」(作:羽海野チカ)に似ていると思います。
 美術学校での物話というのもあるのかもしれませんが、キャラクターが少し似ていると思います。
(主人公に竹本君を、男の先輩に真山を感じます)

 そのような点で「ハチクロ」好きにもお勧めです

 ページ数の割にはとても読みやすく、分量が少なく感じられるので気軽に読んでみるといいと思います。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 ヒロインの椎名ましろです。
 一生懸命で絵に対して本気です。
 また、心の成長が楽しみな娘です。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 前述しましたが、感覚的にあっさり読み終わってしまうことですかね。
 何度も読んでみるのをお勧めします。

■ Mashironさんの書評

 思いをぶつけて、傷ついて、仲直りした先に見えるもの。
 それは、今よりも相手をよく知っている自分であり今よりも、自身の気持ちときちんと向き合えた自分でもある。
 そうやって変わっていけたらいい。きっとその顔は今よりもっと、凛々しくなっているはずだから。
 そんな青春物語。

 如何わしいタイトルは仮の姿。
 中身はとても正統な青春ラブコメとなっています。

 学園屈指の変人たちが暮らしている『さくら荘』。
 人外と思しきバイタリティで周囲を振り回す美咲を中心に、神田空太が過ごしていくのはとても騒がしく波乱な日常。
 迷惑だし、休まる暇もないけれど、それ以上に空太にとってそこで過ごす皆との日々は

『いつか大人になったとき・・・
 さくら荘で過ごした日々を思い出して、何を思うんだろう。
 みんなバカだったなあって呆れるのかな。
 それとも、賑やかで楽しかった日々を懐かしく思うのかな。
 その両方なら、言うことない。
 なんたって、ここでの毎日は、ほんと最高なんだからさ。』

 この言葉に尽きると思います(1巻の冒頭文より)。
 楽しい日常を過ごしながらも、人は成長し、変わっていきます。
 その中で人とぶつかり、傷つくこともあるかもしれません。
 誰だって皆不器用だから。自分の気持ちを解決したり、綺麗に伝えることなんて、
 そう簡単にはできないもの。

 だからこそ、思いの丈を等身大でぶつけてみるしかありません。
 今よりもっと、お互いをよく知れた自分たちがいることを信じて。 

 さくら荘は、そういう厳しくも温かい思い出を育んでいる場所のように感じました。

 痛さ、苦しさ、辛さ、切なさ。そしてその後に訪れる、笑顔。
 自分なりのやり方でそんな青春を謳歌していくさくら荘の住人たち。
 いつまでも続いてほしいなぁ、というのが素直な感想ですが、物語の進みが速いのもあって現在4巻の時点で物語終盤。
 既刊数が少なく手がつけやすいという意味も含め、

 青春ラブコメ好きなら一度は読んでおきたいオススメな良作だと私は思います。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 美咲です!普段のバカ騒ぎっぷりと恋心を見せた時のしおらしさとのギャップはもはや凶器!

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 タイトルでしょう(笑い)

 もっとマシなのはなかったのかと。
 これさえ良ければ読者がもっと増えてたと思われるだけに残念。

■ TenHieさんの書評

 個性豊か過ぎるさくら荘のメンツが送る、
 青春な心の葛藤と恋心を描いたドタバタ物語。

 タイトルがそこはかとなく如何わしいですが、その中身は否。
 至って真面目な青春物語となっています。

 むしろ嫉妬を絡んだ恋心もテーマとして描かれているので、

 挿絵のイメージとストーリーの重さのギャップに驚くこともあるかもしれません。

※ここからは若干ネタばれエリア

 世界でその実力を認められている天才画家、椎名ましろ。
 動画サイトでも有名人であり、アニメ制作において特待生の実力を持つ上井草美咲。
 そんな2人と同じさくら荘で生活していれば、否が応でも彼女たちの非凡さと、同時に自分の平凡さとを思い知らされてしまうわけで。

 応援する一方で、好きになった人の失敗を望む自分がいる。
 付き合いたい一方で、近寄ったらその才能をメチャクチャに壊してしまいかねない自分がいる。

 この作品は、恋心の持つそういった光と影の側面をうまく描写できていたと思います。

 しかし、このようにわりと重いテーマを扱っておきながら、それでもこの作品は全体を通して重苦しい話に成り下がっていません。それは何より

 『ここ』にいれば、たとえ迷って立ち止まっても、辛く悲しくて俯いてしまっても、皆で支えあってまた前に向かって歩いてゆける、それが『さくら荘』。

 こういう雰囲気が根底にあるからだと思います。ましろや美咲にも辛いことはあるわけで。
 その上で、皆で協力してこそできることがいかに大きいかにも焦点が当たっていたこの作品には素直に感動しました。
 人の有能な一面を見てささくれ立つ心があるのは仕方ないですが、それと同じくらい、その人の真摯さも理解できるようになれたらいい。この作品でそれを感じれた気がします。

※ネタばれエリア終了

 題名で敬遠されがちかもしれませんが、青春モノが好きな人には是非読んでもらいたい作品です。
 言わば『逆タイトル詐欺』かと。勿論いい意味ですけどね。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 上井草美咲がかわいい!
 天真爛漫なところと、純粋な恋心を見せた時のギャップには最高です!

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 内容ではないですが、やはり物語のわりに絵が軽い印象を受けます。

 挿絵を全く見ずに読むのは難しいですが、絵なしで読めたらまた印象が違ってくるかもしれません。

■ 一言感想コメント

・現実逃避にもってこいの作品、頭を空にしてみると素直に楽しめる。
2014/05/20

・イラストに騙されました(-"-)
2013/04/19

・何かをがんばってもうまくいかないとき、「才能の限界」という言葉が浮かぶ人も多いと思います。
頑張っていることをやめたくなった時にこの作品を読んでほしいと思いました。
2013/03/02

・自分も本気で何かやろうと考えるいい作品です!
2013/01/06

・卒業の時の美咲の言葉にかんど~
2012/12/17

・表題で敬遠することなかれ!!単なるラブコメだけでなく青春のほろ苦さ、切なさ、苦闘が描かれています。
 物語にありがちな全てが最後には上手く行くといったものではなく、ある程度のリアリティーを持たせた結果が賛否両論を生み出していると思います。
 しかし、お金と時間に余裕があるならば是非とも手に取って頂きたい作品です。
2012/11/29

・すごくおもしろい作品です。
2012/11/08

・最高なんだけど、万人向けではない。
 このサイトに居るような人には自信を持っておすすめですが(笑)
2012/10/30

・長いことラノベ読んできたけどこんなに感動したの初めて。
2012/10/17

・ましろ可愛い過ぎる!
2012/02/15

・七海最高。めっちゃ可愛い~関西弁たまらんわ~
2012/02/13

・椎名ましろは部屋はめちゃくちゃ、パンツも自分じゃろくに選べない生活破綻少女なんですが、その無防備さがとても可愛い!
 でも意外に『絵』のことになるといつも真剣なんです!
 もうとにかく可愛いの一言につきます。

・「あぁ、青春だなぁ」って本です。
 あまりラノベというものを読まないのですが、これは気に入りました。
 好きな人にはたまらない、心温まるお話です。

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最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
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