ライトノベル作法研究所
  1. トップ
  2. 一押しラノベ
  3. ミステリー
  4. ひぐらしのなく頃に公開日:2008/06/02

ひぐらしのなく頃に

ジャンル:ミステリー
著者:竜騎士07
出版社:電撃文庫
発行年月:2008年09月
本体価格 750円 (税込 788 円)
○読者投票結果
最高です!一押し。 112
おもしろいです! 17
なかなか良いです。 9
ふつうです。 3
イマイチです。 2
おもしろくないです。 1
買うと損します。 18
Ri81さん一押し!(男性・15歳) カミツキーさん一押し!(男性・18歳)
ランドさん一押し!(男性・15歳)

■ 解説

 昭和58年。
 のどかな雛見沢村に伝わる秘祭・綿流しに潜む決して犯してはならなかった禁忌に触れたとき、転校生・前原圭一の“日常”は“非日常”に一瞬にして染まり、二度とは戻ることはない……!?

 かつてない恐怖、そして来るべき未来の物語(ストーリーテリング)の可能性を斬新に詰め込み、あらゆるメディアを席捲したゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント、『ひぐらしのなく頃に』の最終形態は、今ここに「小説」として結晶する--。

 これぞ小説。『ひぐらしのなく頃に』の到達点にして新たな原点!

■ Ri81さんの書評2011/04/11

 はい語ります!

 ……っと、その前に、これ、ライトノベルですよね?
  ものすごく有名だと思ったのに、 ざっと一押しリストを見て、どこにもなかったので。
 既出でしたらすみません。

 では前置きはこれくらいにして……

 「ひぐらしのなく頃に」は、元々は同人ゲームでした。

 それが漫画化され、アニメ化され、
 その他様々なメディアミックスを経て、
 ついには実写映画化にまで至りました。拍手!
 講談社BOXから小説版が刊行されており、全17巻。

 一冊1000円から1500円。
 高い? いえいえ、安いもんです!
 こんな感動作めったにない!

 というわけで、皆さん読んでみましょう!

 ……内容の説明がないですね、はい。
 どんな話かというとですね。

(以下ネタバレ含みます)

 主人公の少年、前原圭一君が、 雛見沢という小さな村に転校してきます。
 そこで、気の合う仲間(全員女の子)と楽しく日々を過ごします。
 ゲームをして罰ゲームで誰かをメイド装束にしたり膝枕してもらったり。
 逆に負けると、ネコミミ+首輪+シッポに女子スク水まで着せられて、校長室までいかされたり。

 そんな楽しい(羨ましい)日々がいつまでも続くと思っていた。
 しかし、現実はそんなに甘くなかった!
 何かをきっかけに、日常が崩壊を始めます。
 そして、物語は惨劇へ……。

 惨劇を回避する手段はないのか!?

(以下、激しく何もかもネタバレ)

 この物語の真の主人公は、古手梨花という少女です。
 彼女は村の神社の巫女で、村の神、オヤシロさまの 生まれ変わりと呼ばれていました。

生まれ変わりなので、梨花ちゃんはオヤシロさまが見えました。
 オヤシロさまは、羽入という女の子でした。
 梨花ちゃんと羽入は、生まれた時からずっと一緒でした。

 ……この辺りまでの説明だと、何がなんだか分からないと思います。
 ハーレムだったりシリアスだったりファンタジーだったり。

 実はこの物語のテーマは、 「仲間を信じることの大切さ」です。

 「どこがだよ!」……そう今あなたは思ったでしょう。
 無理もありません。
 私自身、自分の説明を見返してそう思いました。
 というわけで、以降はそういう感動的な内容に関して語ります。

 梨花は、惨劇が起きるたび、 羽入の力で時間を遡り、何度も惨劇と戦ってきました。
 そして、自分を惨劇の運命に縛り付ける、 三つのルールの存在に気付きます。
 それはどれもが、仲間が互いに信じあわないと破壊できない法則。
 そんなの無理だ、とほぼ諦めていた梨花と羽入。

 しかしそこで、圭一が奇跡を起こします。
 彼は言います、

 「運命なんて、金魚すくいの網より簡単に破れるんだぜ」と。

 そして梨花は再び、惨劇に立ち向かっていくことを決意します。
 互いを最後まで信じあい、 彼女たちは運命に打ち勝つことができるのか!?

 ――最後は本当に感動します。
 私は初めて小説で泣きました。
 この物語は、私に何か、本当に大切なものを教えてくれました。

「グロい」「教育に悪い」などと批判されている作品ですが、
 そういう批判をするのは、最後まで読んでいない人たちです。
 読むならば最後まで読み通してください!

↓上から順番に読んでください。

ひぐらしのなく頃に
・鬼隠し編(上・下)
・綿流し編(上・下)
・祟殺し編(上・下)
・暇潰し編

ひぐらしのなく頃に解
・目明し編(上・下)
・罪滅し編(上・下)
・皆殺し編(上・下)
・祭囃し編(上・中・下)

ひぐらしのなく頃に礼
・賽殺し編

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 全員です。
 ひぐらしには、 サブキャラを除いて無駄なキャラが誰一人としていません!

(以下ネタバレ含みます)

 まず、圭一。
 なにより熱い!
 すごく友達想いで、もう親友になりたいですね!

 次に、レナ。
 嘘を嫌い、メインキャラ(子供)の中で最も大人な存在。
 優しさと厳しさを併せ持ち、アドバイスは的確。
 先輩にほしいです。

 次、魅音&詩音。
 二人は双子で、入れ替わっても誰も気づかない。
 魅音はメンバーのリーダー的存在で、 ラストではその天才的指揮力をビシバシ発揮。
 その時詩音は、スナイパーと一緒に狙撃してましたw
 こんなヤバそうなのに、実際は二人ともとても脆い。
 そんなところが好きです。クラスメイトにほしい。

 次、沙都子。
 梨花の親友、トラップマスター小学生。
 常に変なお嬢様言葉で喋り、 圭一たちをトラップにひっかけては喜ぶ生意気っ娘。
 昔の親の確執で村八分に遭っているが、 ずっと耐え、いなくなった兄の帰りを待っている。
 そんな健気な一面がいい。うちの妹にならない?

 そして、梨花&羽入。
 いわゆる巫女属性の人にはたまらないかと。
 梨花は二つの人格を操っており、 みんなの前では「みー。〜なのです。にぱー☆」と、
 萌えキャラな感じだが、実際は違う。

「羽入、あなた何をやっているの……?(どす黒い笑み)」みたいな。
 こちらを「黒梨花」と呼びます。
 でもそんな黒梨花の状態の時にあわてさせると、
「だめだめやだやだー!(涙目)」
 みたいな感じになり、 これが超ポイント高し!
 羽入は口癖の「あぅあぅあぅあぅ〜!」が可愛いです。

 他にもたくさんいるんですが、とりあえず主要メンバーだけ。
 他の人たちはほとんど準主要メンバーで、サブキャラがほとんどいません。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 一応ミステリーということなのですが、 ファンタジー入っちゃってるところですかね。

  ミステリーとして読んじゃだめです。
 神通力とか、謎の奇病とかバリアとか時間停止とか出てきます。

 あと、グロい描写が多いこと。

 残酷な描写で読者を楽しませるためのものではなく、 信じる事の尊さ、仲間の大切さを伝えるための物語なのだから、 もうちょっと自粛した方がいいんじゃないかと思いました。

 長々と失礼しました!

■ カミツキーさんの書評2009/03/09

 まず言えるのは一人称での心情描写が上手いこと。
 特に主人公の圭一と読者の思考が被るようになっていて、読者を欺くのが本当に上手い。

 徐々に侵食されていく現実。誰を信じ、誰を疑えばいいのか。背後から聞える足音とは……?
 ストーリーも最後の最後で読者の予想をいい意味で裏切る展開で、最後までどうなるか分かりません。

 好きな編は目明し編と罪滅し編。
 特に罪滅し編はそれぞれの思惑と偶然が重なり合って、
 あるキャラの異常性が際立つようになってるところは、ハラハラドキドキして読んでました。

 あと赤字にはかなり驚いた。
 この作品はやたら登場人物が多く、覚えるのは慣れていないと大変ですが、個人的にここまで全てのキャラの個性が出でいるラノベはありません。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 園崎詩音かな。
 一人一人の口癖とか性格、名前にまでも理由がありますが、彼女は可哀想すぎる。
 あまり言うとネタバレになるのでいえないけど、不幸すぎる生い立ちにかなり感情移入してしまった。
 あとそんな環境に居ながらも明るいところも好き。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 やっぱり文章。「…」とか「!」の多用。あと会話が多いせいで読みにくいかもしれない。
 一人称での心情描写はすごいけど、三人称になると駄目になる。

 あと萌え要素はいらないと思う。最初はそのせいでかなり抵抗があった。

■ ランドさんの書評2008/06/02

 これをミステリーと分類するのは間違っているかもしれませんが、僕はこれが適切だと思いました。
 そう、ジャンルを分けることが難しいぐらい、この作品にはあらゆるものが詰め込まれていると思います。

 突如豹変する親しい友人、ぺたぺたとくっついてくる足音の恐怖。
 そんなものばかりが続いていくと思えば、急に熱い展開になったり。とにかく目が離せません!

 ちなみに、ホラーやサスペンスに分類される様な内容のくせに、萌えキャラが凄いです(笑)
 天然からツンデレ、妹キャラ、ヤンデレ、ナース服、メイド服、スク水、etc…
 間違いなく、お気に入りのキャラが出てきますw
 それも楽しみの一つでしょうね(笑)

 原作がゲーム、その後漫画やアニメ、映画にまでなっているこの作品ですが、
 それだけ有名になるだけの力強さが感じられました。
 相変わらず、話の進め方がうまいと思います。

 以下、わずかにネタばれ含む。

 ひぐらしの世界がぐるっと変わっていく、罪滅し編では、物語の動きが鳥肌立つぐらいにすばらしいです。
 互いが互いの動きを怪しいと思いつつ、徐々に狂っていくシーンがあります。
 このシーンでは、視点がころころと変わってくんですが、悪いと思わず、
 むしろスピード感があって良いと思いました。 

 これは、創作をする者なら一度は見ておくべきと思います。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 宮レナ。
 なんていうか、もう言葉に出来ない(笑)
 冒頭なんかは普通に天然キャラみたいで萌えなのに、最後のほうになるとすごい。
 病んでる様子が見ていて痛々しく、作品中でかなり感情が乗り移ってしまいましたw 

 前原圭一。
 彼の視点で語られる事が多いせいか、読み手の思考と一致します。
 また、諦めずに戦い続ける力を持っていて、彼の言動に僕はいつも勇気付けられてしまいます(笑)

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 文章が荒い。
 感情の描写はすばらしいけど、一人称と三人称の切り替えが頻繁にありすぎるように思います。
 それも急に変わる場面が何度かあったので、そこがちょっと残念ですね。

■ 一言感想コメント

・これほどいい作品はしりません!これを読んでくれたあなたも是非是非、買ってみて下さい!
2014/02/24

・すばらしい。
 圭一は僕の師匠です(笑)
2012/07/28

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-

『ひぐらしのなく頃に』のご注文はこちらから >>>

一言書評コメント 作品の感想を送って下さい。

←前の小説レビューへ
(パララバ―Parallel lovers)
次の小説レビューへ→
(ヒトクイマジカル)

一押しのライトノベルのレビューを大募集!

あなたの知っている隠れた名作を教えてください。投稿してくださる方は、

『一押しのラノベ募集係』 よりお願いします。