戻る 目次へ戻る 次へ

第3回富士見ヤングミステリー大賞、大賞受賞作!

平井骸惚此中ニ有リ


ジャンルミステリー
著者田代 裕彦
出版社: 富士見ミステリー文庫
発行年月: 2004年01月
本体価格 540円 (税込 567 円)
ツキトさん一押し!(男性・19歳)

■ 解説                               

 帝大生・河上太一は今をときめく推理作家・平井骸惚の本に出会い、弟子入りを志願する。
 認められずにいたところ、骸惚の知人、池谷是人が不可解な自殺を図る。
 事件解決の折には弟子入りを認められる河上だったが……


■ この作品について、熱く語ってください!            

 世は大正も十二年。講談調で綴られる、一人の学生の奮闘と密室殺人事件の顛末――
 
 文体は普通のライトノベルとは一線を画しており、ともすればとっつきにくく感じるかも知れません。
 しかし一度読み始めれば、その特徴的なリズムに引き込まれます。

 クセの強いキャラクターのやりとりも魅力的で、とりわけお調子者の《書生っぽ》、
 主人公であるところの河上君と、骸惚先生の長女・涼嬢の会話はクスリときます。

 また、大正当時を意識した、ハキハキとしたキャラクターの喋り口もこの作品の魅力の一つです。


 殺人事件が起こる以上、陰惨なイメージの付きまとうミステリにあって、
 さっぱりとした読了感を与えてくれます。

 作品の雰囲気を助長する睦月ムンク氏のイラストも素晴らしいです。


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 主人公の河上太一君……と言いたいところですが、
 彼の惚れこんだ探偵小説作家、表題にもある平井骸惚先生です。
 本名は平井京太郎。名探偵の類に漏れず、事件の真相を見透かした理屈っぽい男性です。
 しかしそれだけではなく、妻の澄婦人に叱られたり、次女の溌子嬢に泣きつかれて困惑してみたり……
 一見スカしているようで、非常に人間味溢れる名探偵というところに惹かれます。


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 やはり文体から来るとっつきにくさでしょうか。
 人によっては出だしを流し見ただけで棚に戻してしまうかもしれません。


 また、京極夏彦氏の作品に影響を受けている節があり、
 同氏の作品の愛読者の方には物足りない面もあるかと思います。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『平井骸惚此中ニ有リ』のご注文はこちらから >>>

『魔術士オーフェンはぐれ旅』で絶大な人気を誇る著者、初のサスペンス

閉鎖のシステム


 ○読者投票結果
 最高です!一押し。 30
 おもしろいです! 11
 なかなか良いです。 2
 ふつうです。 2
 イマイチです。 6
 おもしろくないです。 2
 買うと損します。 4

ジャンルミステリー
著者秋田 禎信
出版社:富士見ミステリー文庫
発行年月:2001年05月
本体価格 460円 (税込 483 円)
蜜柑さん一押し!(男性)

■ 解説                               

 鳩時計の鳩を、また見逃した。8時、9時、そして今。――俺は鳩に負かされている。
 残業と勝ち続ける鳩にため息をつき、撞久屋市論悟はつぶやいた。
「死んじゃおうかな。いや、こんなんで死んじゃ駄目か」
 その日、巨大ショッピングモール『プラーザ』に異変が起きた。停電。
 シャッターが降り、静謐が支配するビルに残されたのは、
 そこに店を出す論悟、香澄に、高校生の康一と教子。
 まるで、出口のない迷路のような『プラーザ』を、彼らはさまよう。
 そして、暗闇の中、突然に犯罪は始まった。
 『プラーザ』に犯人が? 閉ざされた空間で緊迫は高まっていく。



■ この作品について、熱く語ってください!            

 ミステリーの要素よりも秋田氏の巧みな台詞回しで読ませる本です。
 秋田氏が書いている通り、あとがき含めて本編ですが、最後まで読んでも「へ?」って感じです。


 ネタバレしないと語れないので以下ネタバレです。
 (読むと面白さが半減するかもしれないので要注意)

 最初の殺人事件の犯人が誰か、具体的に示されません。
 探偵役によって煙に巻かれます。
 その為、読者によって犯人が変わるという不思議な現象が起きます。
 ミステリーの暗黙の了解を守るなら犯人は――。
 一応フーダニットですのでそれぞれの事件についても考えると……ちょっと怖くなってきます。

 黒星紅白さんのイラストも意味不明で素敵です♪


■ お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?  

 撞久屋市論悟(つくやしろんご)ですかね。
 こういうキャラ大好きです。現実にいたら絶対気を許せませんが(^^;)


■ この作品の欠点、残念なところはどこですか?          

 読んで貰えれば一目瞭然ですが、賛否両論……いや否の方か多いかもしれません。

 ちょっと古いので古本屋でしか見つからないかもしれません。
 ちなみに私は図書館で見つけました。サラッと読めて変わってます。お勧めです。


■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)     

最高です!一押し。
おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
イマイチです。
おもしろくないです。
買うと損します。


-Mini Vote-
『閉鎖のシステム』のご注文はこちらから >>>

あなたの知っている隠れた名作を教えてください
 
 一押しのライトノベルのレビューを大募集中! 投稿してくださる方は、

 『一押しのラノベ募集係』 『一言感想係』 よりお願いします。
あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない?

戻る トップへ戻る 次へ