ライトノベル作法研究所
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  4. 姑獲鳥の夏公開日:2012/11/22

姑獲鳥の夏

ジャンル:ミステリー
著者:京極 夏彦
出版社:講談社
発行年月:1998年09月

柘榴さん一押し!(女性・21歳)

■ 解説

「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?」
 昭和27年の夏、三文文士の関口巽(せきぐちたつみ)は東京は雑司ケ谷にある久遠寺(くおんじ)医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたというその夫・牧朗は関口の旧制高校時代の1年先輩だった。

■ 柘榴さんの書評2012/11/20

 皆様ならご存知のミステリーシリーズです。
 京極堂シリーズの第一弾であり、かつ、京極夏彦の処女作と言われております。
 とにかくドロドロした人間の愛憎劇です。
 人間の負の闇を垣間見るような、少し読んでて寒気がしますが、手が止まりません。

 一言で言うと、ミステリーとオカルトを混ぜたような作品です。

 ミステリーでは、相入れそうにない、オカルトなシーンがたくさん出ます。
 でも、決してオカルトで不思議な現象と片付けていません。現実に起こり得ていることなんです。
 不思議な部分を有耶無耶にせず、ちゃんと理屈を通してるところが味噌です!

 この作品を読んだら、間違いなく、今まで読んできたオカルトファンタジーがなんとなく薄っぺらく感じてしまいます。

 嘘くさく感じてしまいます。不思議な能力、不思議な現象、厨二まがいのラノベが薄く感じてしまいます。勿論ファンタジーラノベを批判しているわけではございません。
 一言で言うと深いんです。京極先生は博学だなあと感じました。
 幽霊、式神など、不思議な伝承の存在に、ちゃんとした理由があるんです。
 だから、ファンタジーによくあるご都合主義が起こりません。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 やはり、京極堂、中禅寺秋彦ですね。
 古本屋にして、陰陽師の京極堂がかっこいいです。
 そして、色んなことをよく知っております。
 物語の後半の京極堂がものすごくかっこいいです。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 最初、京極堂の理屈や説明で眠くなっちゃう人が多いですね。
 実際私も読むことを断念しそうでした。

 でも、そこを我慢して読んで下さい。かなり面白くなってきます。

 伏線が多いし、長いので何が何だか分からなくなりますのでご注意下さい。

 また、この話はかなりおどろおどろしい話です。PG12〜15歳以上?でないと読んだら気分を害するかもしれません。ドロドロした話が苦手な人はオススメしません。

 私はドロドロした愛憎劇は嫌いですが、何故かこの話はすんなり読めました。
 だから、それだけ読ませる力のある作品だと考えています。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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ふつうです。
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