ライトノベル作法研究所
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理由(わけ)あって冬に出る

ジャンル:ミステリー
著者:似鳥 鶏
出版社:創元推理文庫
発行年月:2007年10月
本体価格 609円(税込)

kanさん(男性) kamuiさん(男性)一押し!

■ 解説

 芸術棟に、フルートを吹く幽霊が出るらしいー
 吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。
 幽霊を否定する必要に迫られた部長に協力を求められ、葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた!
 にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは?
 コミカル学園ミステリ。第16回鮎川哲也賞佳作入選、期待の新鋭のデビュー作。

■ kanさんの書評

 高校の芸術棟に出るという噂の『壁男』の謎に、美術部の葉山君と先輩で卓越した推理力を持った伊神さんが挑むという物語です。

 推理小説としては、ありきたりですが、伏線の張り方が巧く、芸術棟に巣食う(?)一風変わった生徒達の描写が面白いです。
 作者がこういう青春を送っていたのかと思うと羨ましい。

 続編の『さよならの次にくる』は葉山君の初恋の女の子が出てきたり、伊神さんのいろいろな秘密が判明します。
 全ての出来事が一本に繋がるのが快感。

 読後に表紙イラストの謎の人物について、いろいろ推理を働かせるのも、楽しみの一つです。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 探偵役の伊神さん。
 変人で推理を勿体ぶるよくいるタイプの探偵でケンカが強く、五教科で五百点満点をとる頭脳の持ち主。
 しかも、たまに見せる後輩への優しさがカッコ良い。

 演劇部の部長、柳瀬沙織。
 持ち前の演技力と行動力で葉山君をフォローする頼れるお姉さん。
 葉山君のことが好きらしく、必死にアピールしようとするところが可愛い。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 全3巻であること。もっと、読みたいです。

■ kamuiさんの書評

 内容は日常ミステリーで米澤穂信の『古典部』に近いものがあります。

 1巻は長編、2巻からは短編連作となっており、バラバラの事件が一つに繋がる2巻、3巻の面白さが際立っています。

 普通の男の子である葉山君と周りを取り巻くちょっと変わった生徒達とのやりとりも面白いです。
 こういう学校生活を送ってみたいなあと思わされます。

 後、最大の謎は1巻の表紙だったりします。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 探偵役の伊神さん。
 基本スペックの高い天才肌のキャラクターですが、
 時折見せる人間味のある優しさがカッコイイです。

 演劇部の柳瀬さん。
 主人公の葉山君にとって頼れる先輩であり、気になる女の子という立ち位置が良いです。
 毎回、葉山君との仲はどうなるのかと、やきもきさせてくれます。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 同じテーマの事件が多いこと。

 シリーズものなのに、シリーズタイトルが無いこと。

■ あなたはこの作品についてどう思いますか?(読者投票)

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おもしろいです!オススメします。
なかなか良いと思います。
ふつうです。
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