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タクティカル・ジャッジメント
俺の名は山鹿善行。自分でいうのもなんだが、かなり有能な弁護士だ。 逆転無罪――この輝ける戦歴を残せるのは、世間広しといえ俺の他にそうはいない。 ある日、俺のもとに、1本の電話があった。 かけてきたのは水澄雪奈。可愛くて、優しい、俺の幼なじみだ。だが―― あろうことか、その雪奈に殺人の嫌疑がかかっているという。 どこのどいつだ? そんなタワケたことをぬかすのは!? 雪奈を悲しませる奴は、泣いてごめんなさいというまで後悔させてやる。 この裁判、何がなんでも奪うぜ、逆転無罪っ!! 第2回富士見ヤングミステリー大賞準入選作。
しかし、ただ普通の法廷を書いては面白くない。 (著者は第1巻あとがきにて、普通の法廷を見ることは進めていません。寝るらしいです) そこで著者が目をつけたのが”陪審制”という、現代でも海外で見られる ”無作為に選ばれた一般人”を相手にして依頼人を無罪にする制度です。 コレにより、ただ裁判長1人を説き伏せるだけでなく、 普通の人間をいかに納得させるかが重要になり、 見ているこっちも”なるほど!”と思えることができます。 魅力的なキャラも好感をもてますね。 見てて面白いキャラばかりです。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 主人公の山鹿 善行。 1、2巻はそうでもないですが、3巻あたりから彼流、”山鹿流法廷術”が繰り広げられていきます。 まさに彼のスタイルは”あげあし・こじつけ・いいくるめ”! この作品の欠点、残念なところはどこですか? ないですね。 強いて言えば、”探偵”の影野のほうの視点が無いので、 どうやって証拠を集めているかがあまり多く語られないことぐらいでしょうか。
主人公の山鹿をはじめ、おもしろいキャラが大勢。 しかも笑いもけっこうあり。 キャラクターの勢いのみで突っ走っていってるように見えますが、そこはやはりミステリー。 謎解きも予想不可能です。 ラスト30ページの大どんでん返し。 巻を増すごとに主人公・山鹿善行のあくどさが強烈になっていきます。 それなのに無実の被告人を救うストーリーは、不快な気分というものを感じさせません。 山鹿の独白で進んでいくストーリーは、ラストで盛大にひっくり返されます。 キャラを楽しんでもよし、謎解きを楽しんでも良し。最後まで痛快な気分でいられます。 富士見ミステリー大賞での準入選作ですが、自分的にはこれが大賞であっても良かった気が。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? 主人公・無敗弁護士の山鹿善行。 彼のあくどさは弁護士にあるまじき態度であるが、しっかり被告を救うのだから面白い。 毎回毎回超法規的手段を使って、裁判をかき回していく。 彼の動向を推理するのも、ある意味この作品の醍醐味かもしれません。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? ヒロインが目立たない(いや、他のキャラが目立ちすぎか)。 それが残念な部分。もっとも彼女は彼女でいい気も、私はしますが。
一気に親しみやすくなり、さくさくと読んでいける作品であることが特に素晴らしい。
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あれ!? その小説、もしかして105円で売られていない? |
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