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魔術士オーフェンはぐれ旅
「てめえいいかげんフザケタことばっか言ってっと、ローラーでひき殺すぞ。」 俺は心地よい眠りから、罵声でたたき起こされた。 俺の名はオーフェン。本業は魔術士だが、副業でモグリの金貸しなんぞやっている。 罵声の主はボルカンという地人のガキだ。 俺から金を借りているくせに、ちっとも返そうとはしやがらない。 このガキがどうやら、金儲けの話を見つけてきたらしい。 あまり、アテにはできないが、とりあえず奴に言われたとおり盛装して、 とある金持ちの屋敷にやって来たのだが…… そこで、俺はあいつに出会ったのだ―。 コミカルでシリアスなハイブリッド・ファンタジー。 アニメ化までされたファンタジアの超人気小説。
「スレイヤーズ」とは同レーベルでの二枚看板。 「微妙に現代っぽいファンタジー」と評されている通り、 スレイヤーズほど固くはなく、どことなくフランクな印象を受けるファタンジー作品です。 また、「今さら押す必要がない」と評されている通り、 現在のライトノベルの礎となった作品の一つであることは確かです。 位置的にはスレイヤーズとスニーカー文庫の「ラグナロク」の中間のような作品かもしれません。 よく評価が割れる作品です。 その原因は12・13巻で前後に分けられる、全体のストーリー前半と後半のテンションの違いでしょう。 既に挙げられている書評での「コミカルでシリアスな」や「ギャグとシリアス」という評価は、 主に前半のストーリーにつけられたものだと思われます。 そうした前半は、基本的に1巻で1話完結でストーリーが進みます。 短編集に当たる「無謀編」にも通じるコミカル・ギャグの要素が、 抑えられつつもシリアスなストーリーの端々に挿入されており、 また、1話完結気味であることもあって読み易く、爽快感があります。 対して、後半の雰囲気は打って変わって陰鬱なものです。 前半にあったコミカルな要素はほぼ皆無と言っていいと思います。 会話などで少々のギャグが挟まれたりもしますが、 後半全体を覆う重く暗い空気の中ではどこか乾いた印象を受けます。 前半のような爽快感はありません。 しかし、ストーリーが核心に迫るにつれ、 「陰鬱な空気の正体は何なのか」ということがはっきり分かるようになっています。 また、作品全体のストーリー展開が「何故そういうものになったのか」、 また「それはどういう意味を持つのか」ということが理解でき、 その答えが最終盤の展開の肝になっていきます。 爽快感は確かにありません。「暗い雰囲気でしかない」そうかもしれません。 けれど、全てを読み終えた後に来る読後感は、 前半で得られるソレや無謀編でのソレとは違う種類の感慨深いものです。 少なくとも自分はそうでした。 推理小説のそれに近いかもしれません。 「重苦しいのが続くのはダメ」という方には勧められませんが、 ストーリーや世界観の仕組みが秀逸なので、参考にする価値は大いにあると思います。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? コルゴン。 いわゆる寡黙・変人キャラ。誰の理解も得られない孤高の人。 実際この手のタイプがいたら迷惑そうです。 ですが、行動の裏にある意思が分かると、途端に人間臭く見えてきます。 そういう部分が魅力ではないでしょうか。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 前半と後半のギャップ。 賛否両論でしょうが、あまりの雰囲気の違いに吃驚して離れてしまった読者は多いと思います。 また、後半の暗さから来る評価は、そういうのが苦手な方を遠ざけるものになっているとも。 そういった意味では残念な点だと思いますが、 内容自体にマイナス評価をつける部分では無いと私は思っています。
今だかつてこの本を越えた作品は無いのではないでしょうか? 「微妙に現代っぽいファンタジー。」 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? コギ―様に1票です!!!!!!! ボケただけの人じゃないんです。 この作品の欠点、残念なところはどこですか? 後半になるに従い、本来のノリが失われてしまいました。
今日のライトノベルの土台を創った作品であり、 ライトノベル至上最高傑作だと本気で思っています。 『ファンタジーで主人公が皮ジャン?』 軽い気持ちで1巻を購入して読み終えた時にはハマっていました。 とにかく立ちまくっているキャラクター。 巻を重ねる毎に深まる設定。 シリアスとギャグの絶妙なバランス。 そして、作者の文章の巧さ。 自分の中でこれを越える作品はないですね、今のところ。 お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか? オーフェン。 強さと弱さを合わせ持ったすごく魅力的な主人公です。
この作品は小説ではなく、アニメを見て最初に知りました。 「我は放つ光の白刃!」 「俺はオーフェン、牙の塔の黒魔術師だ」 というフレーズが好きで、たまに口ずさんでしまうほどでしたね(笑)。 この作品のすごいところは、とにかく世界観が練られていることでしょう。 魔術の設定がかなり斬新でした。 人間の魔術士たちが使う魔術は「音声魔術」と呼ばれるもので、声を媒体としています。 そのため、有効範囲は声の届く距離までという制限が加えられているのです。 魔術の構成をイメージして声を出すことで魔術が発動するというシステムで、 決まった呪文などなく、魔術師たちは、それぞれ好きな言葉を選んで使います。 オーフェンの呪文などは、どれも格好良くて好きでしたね。 「我は放つ光の白刃!」 「我導くは死呼ぶ椋鳥!」 など。彼は呪文には相当、こだわっているようです(笑)。 一方、ドラゴン種族の使う魔術は、声とは異なるものを媒介としており、 例えばディープ・ドラゴンなどは、視線を媒介として魔術を発動します。 だから、人間の魔術とは有効射程距離や発動の速度がまったく異なり、 絶対的な優位に立っているというわけです。 その上、ドラゴンの設定というのが、他にはないもので目を引きました。 ディープ・ドラゴンって、○○なんですよ(笑)。 キャラクターも個性的で、それぞれキャラが立っています。 主人公のオーフェンはもとより、全然かわいげのないヒロインのクリーオウや、 師匠より実は才能を秘めているマジクなども魅力的ですね。 地人の兄弟は、個人的にあまり好きではありませんでしたが(汗)。 ファンタジー小説を書くのなら、参考として読んでおいて損はないでしょう。
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魔術士オーフェン・無謀編
金貸し魔術士オーフェンの破滅的な日常を描いた脳髄破壊ファンタジー短編集。 書き下ろし『青春編』も同時収録。
設定は「はぐれ旅」より少し前で、これはコメディー。 1〜13巻まであるのですが、時々前後編があるくらいで基本的に短編です。 共通して出てくるキャラクターはオーフェン、マジク、地人兄弟、 いないのとおんなじ感じですがハーティアぐらいです 書き下ろしでプレオーフェンとゆうものがあって、 それはさらに昔の牙の塔時代のものですが基本はやっぱりコメディーです こちらは本編と共通したキャラが出てきます オーフェンの性格の黒さも程よく出てて面白いです! ちなみのオーフェンはひたすら貧乏です。
基本的にすべて好きですがあえて選ぶなら。 どんな規則も無視しやりたい放題すき放題、でもそれが面白い!
最後のほうでも面白かったですが最初のほうにくらべて少し・・・
イラストのレベルが高く、かつヒロイックファンタジーとしても優れた文章力・物語力がある。 かつポップでライトな印象を与えるシュールなギャグがあり、 かつそれぞれの要素にアニメやマンガなどのエッセンスが魅力的な形で凝縮されていたため。
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魔女の生徒会長
『この学園では何をするのも自由だ。ただし生徒会長には逆らうな!』 それが、あらゆる生徒を受け入れる無法地帯の帝都世紀末学園において、 唯一存在する暗黙の不文律―。 学園の秩序を問答無用で守り続ける『魔女』の生徒会長・剣シロオは、 ある日エリートたちの集まる『A校舎』で奇妙な事件に遭遇する。 隻眼隻腕の謎の少女・陽月オセロをめぐって殺し合うふたりの生徒。 争う両者をシロオがぶっ飛ばして万事解決…のはずだったのだが、 オセロに「なんで邪魔をするの?」と泣き叫ばれて―。 勧善懲悪バトルアクションに挑む新・日日日ワールド、開幕。
二言目で殺伐!!! なんでもありの、だけど決して制約がないわけじゃない世界観。それこそが面白い。 読み続けていると「え!?」的な驚きが満載…ってわけじゃないけど、一つ一つが大きすぎる。 咄嗟に「ありかよ!!」口走りそうになること間違いなし。
……元気なところ?
それぐらいかな?
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