■ 解説

　王女の秘密を守り、隠し通せ!
　絶対にばれてはいけない勇者生活《チートライフ》第二弾!

　自らにかけられた魔力の封印を解く手がかりを求め、グレイはエリーと共に王宮に訪れていた。
　王立図書館の勇者魔法を閲覧するため、王女テルティアの護衛の依頼を受けることになるのだが――

「アタシはピュア。テルティアお姉ちゃんの妹なの! 」
　テルティアの妹を名乗る王女そっくりの少女、ピュアと街で出会ってしまう!?

　テルティアを狙う騎士団長、バヌトリウスの策謀も動き出し事態は急変!
　ピュアには国をも揺るがすとんでもない秘密が隠されていたのだった……。

■ ラノベの王女様さんの書評2015/04/09

　前回から大幅に進化を遂げた広岡先生。
　不必要なシリアス設定や主役二人のキャラ崩壊のせいで一巻はところどころ後味の悪さが残ったけど、この二巻では徹底的に改良されてるわ。きちんとあたしのレビューを参考にしたみたいね。流石はプロ。

　暴言を吐かなくなったおかげで、グレイの株が急上昇したわ。
　サラのほっぺたをうにうにするグレイ。土下座を要求するエリーを上手くあしらうグレイ。サラを守るためにミレーヌの告白をきっぱりと断るグレイ。ほんっと、グレイはいいキャラしてるわよね～。
　もちろん他のキャラだって魅力がアップしてるわよ。

　あとは新キャラのピュア！　これがたまらないの！
「一巻が合わなかった人でも二巻はきっと楽しめるかと思います」と広岡先生が強気になるだけあって、彼女の萌え萌え度は圧倒的よ！　『このライトノベルがすごい！』の女性キャラランキングで一位を取ってもおかしくないわ！

　まず設定のギャップがすごいの！　「自分を人間の王女だと思い込んでるドラゴン」なのよ！

　ピュアの妄想力は桁外れよ。ドラゴンの姿をグレイに晒したまま、「自分は人間以外の何者でもない」と主張するんだから。以下、引用。

「それに王女様でもないんだ。お城で拾われてテルティア様に育てられただけだよ。――だから、ピュア。人間界では暮らせないから、魔界で暮らそう。そこなら君の居場所があるから」
　グレイが真実を言うと、ピュアがガァッとますます口を開けた。
「おかしいってば！　アタシがお城にいたのは王様の子供だからに決まってるじゃん！　だからアタシは王女だし、この国にいられるはずよ！　国民から敬われるはずよ！」
「また何か言い始めた。いいよ、聞いた上で反論するから言ってみて」
「そりゃね、お姉ちゃんと比べるとアタシはちょっとはドラゴンぽいかなっって思うけどさぁ。竜の血が流れてる可能性も考えられるけど。でもそれはアタシがお父さんやお母さんの子供じゃないっていう証拠にはならないと思うんだよね」
「ほー、どうして？」
「だって、お父さんだって男だもん。狩りに出かけたときにメスのドラゴン見かけてムラムラしちゃって、つい押し倒しちゃうことだってあるじゃん？」
「ないよ！　どんだけタフなんだよ！」
「もしくは格好いいドラゴンにムラムラしちゃったお母さんが『ヘイ、ボ～イ、カモ～ン』みたいな感じでベッドに誘ってアタシが生まれた可能性だってナキニシモアラズじゃ～ん？」
引用・ 魔王子グレイの勇者生活(チートライフ)2

　このポジティブボケっぷり！
　彼女がグレイと出会うのが一〇〇ページ頃で、あとはエピローグまでずっと登場するから、ピュアとグレイの掛け合いが実にニ〇〇ページにわたって繰り広げられるの！　ピュアはポジティブ十割だから、誰得シリアスの心配は一切無用よ！

　さあ、いますぐ『魔王子グレイの勇者生活』二巻を買って、ピュアの純粋さに萌え萌えしなさい！