ライトノベル作法研究所
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  4. 天鏡のアルデラミン公開日:2014/11/14

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン

ジャンル:異世界FT
著者:宇野 朴人
出版社:電撃文庫
発行年月:2012年06月08日

サイラスさん(男性・28歳)一押し!

■ 解説

 隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。
 その一角に、とある事情で嫌々、高等士官試験を受験しようとしている、一人の少年がいた。彼の名はイクタ。
 戦争嫌いで怠け者で女好き。そんなイクタが、のちに名将とまで呼ばれる軍人になろうとは、誰も予想していなかった……。
 戦乱渦巻く世界を、卓越した才で生き抜くイクタ。その波瀾万丈の半生を描く、壮大なファンタジー戦記、いよいよ開幕!

■ サイラスさんの書評2014/11/03

 展開や配役が上手いことにあります。

 主人公陣営が、どう危機に直面し、それを乗り越えるために、各キャラクターがどう奮闘し、乗り越えたかのが、なかなか痛快です。
 また、戦記ものなのですが、結構笑える日常部分もバランスよく含まれるため、堅苦しさがなく、スラスラ読めるところも魅力的です。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 どのキャラクターも魅力的なのですが、男性なら、主人公のイクタ。女性なら、ヤトリを挙げます。

 まず、イクタの魅了は、二面性です。
 兵士としては、貧弱ですが、作戦立案や交渉事や演説には長けており、それが、味方の能力を引き出したり、危機を救うことがあります。
 また、サボりやおふざけ、女(特に熟女)好きという困ったところがありますが、いざというときは、率先して動く、リスクを取るという姿が清々しく、理不尽な理屈や論理には怒りを露わにする等、熱さもまた彼の魅力です。

 次に、ヤトリは、凛々しさとイクタとの絆が、魅力的。
 近接戦での強さ、頭の良さ、振る舞いが凛々しいのですが、それよりも、目を引くのがイクタとのやり取りから夫婦さながらの、的確なツッコみや気遣いなどは、彼への信頼がすごく素敵です。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 1つは、主人公サイドが少々大人びていることです。
 これは、舞台設定や各キャラの出自の関係上仕方ない、側面はあるのですが、今の、17,8と比べると大人びて、共感しづらい部分があります。

 2つめは、作風が少し古いため、10代の読者には、少し馴染みづらいところもあります。

 最期は、途中で、絵師さんが体調を崩したためか、5巻では、挿絵がほとんどなく、6巻では、絵師さんが変わったのですが、画風があまりにも対極的なため、違和感満点の挿絵になっていることです。
 文字媒体であるため、作者が無事なら、問題ないのかもしれませんが、あまりにも違和感があるため、途中で読むのを放棄したくなるかもしれないので、気を付けてください。

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