まこさん一押し!(女性・19歳)
人間が妖精を使役する、ハイランド王国。
少女アンは、一流の銀砂糖師だった母を亡くし、あとを継ぐことを決意する。
銀砂糖師とは、聖なる砂糖菓子を作る特別職のことで、王家勲章を持つものしか名乗れない。
用心棒として、美形だが口の悪い戦士妖精のシャルを雇い、旅に出たアン。
人間に心を閉ざすシャルと近付きたいと願いつつ、王都を目指すけど……。
第7回小説大賞審査員特別賞受賞作。
砂糖菓子職人なら誰もが憧れる、銀砂糖師。
母を失くし、彼女ような銀砂糖師になりたいと奮闘する主人公アンのサクセスストーリーです。
展開は王道ですが、それゆえ読んでいて心地いいです。
職人の世界にありがちな、嫉妬心や歪みもしっかり書きだされていて、そこがまたいい味を出していると思います。
そんな悪意を向けられ、理不尽とも言える境遇に立たされてしまいがちなアンですが、それでも力強く歩んでいく姿が頼もしいです。
ひたむきに頑張ることの大変さ、難しさ、嬉しさなど、当たり前だけど忘れてしまいがちなものを呼び起こしてくれる作品だと思いました。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
やはり主人公のアン。
しっかりした意志をもっていることにも好感がもてますが、なによりも努力家なアンが好きです。
他人には優しいのに自分には厳しい。
すごいなあ。
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
もう少し恋愛色が濃かったらな、と思います。
じわじわと進展しつつあるのですが、少し読んでいてやきもきします。
・1巻帯の「この面白さ大賞レベル」というあおりに偽りはありません。英国をモデルにしてはいますが世界観に独創性があり、手に汗握る展開と真に迫る心理描写で楽しませてくれる、骨子のしっかりとしたドラマティックな作品です。
2012/12/31
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