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ほうかごのロケッティア
何もかもが、順調なはずだったオレの学園生活。あの電波女が来るまでは―。 「私の“友達”を宇宙に返して!」 電波女に弱みを握られたオレに与えられたのは 「携帯電話を人工衛星にする」というバカげたプロジェクト。 高校生が自作ロケット? ほかに行き場のない連中の現実逃避だろ!? オレの心配をよそに、ひと癖もふた癖もある連中が集まり、ロケット制作が始まった。 カウントダウンの先にあるのは、バカげたドリーマーの自爆行為か、教室という箱庭からの脱出か――。 青春と妄想をのせたロケットが今、宇宙へ「リフトオフ」する。
真っ青です。 高校生で、ロケットです! うおおお! 王道です。 宇宙とかロケットって、単語を聞いた瞬間に燃えますよね。 放課後に仲間同士で集まって、秘密でロケットを製作します。うおおおお! 恋です。 とうぜん恋愛なんかもあったりします。 ヒロインは問答無用で電波です。 圧倒的に手遅れです。 電波の入らないその孤島で、 ヒロインはケータイ電話に閉じ込められているという宇宙人と交信しています。わお。 彼女は言います。 「わたし、彼(ケータイ)を宇宙に帰してあげたいの」。 学校への閉塞感です。 主人公はもと電波なオタク。中学時代は苛烈なイジメの標的となっていました。 高校では必死に過去を隠し、ある使命のために、 誰にも気付かれないようにクラスを裏から操作しています。 彼はスクールカーストの閉塞感に対して強烈な違和感を感じています。 この作品のもう一つの主題でもあります。 たんなるロケット王道物に、オリジナリティを与えている点です。 良作でした。 特に後半からラストにかけての疾走感は爽快です。 こういうライトノベルをもっと読みたい。 ガガガ文庫はあまり人気がないみたいなので、紹介させていただきました。
ロケット狂いの高校生です。 主人公にのせられてロケットつくりを決意し、 そのまま逃げようとする主人公をロケット作りに引きずり込みます。 名言。 「我がロケット部では君を歓迎する! 一緒にロケットを作ろう! 我がロケット部では、ロケットが君を作る!」
しかし、おそらく作者個人の持っている原的なテーマというか、創作へのエネルギーというか、 作者を作者たらしめているモチーフはおそらくこのスクールカーストへの違和感であるようです。 少しだけ鬱ですが、欠点と言うほどでもありません。
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蓬莱学園の初恋!
蓬莱学園、東京から2500キロ、南洋に浮かぶ宇津帆島。 島ひとつがまるごと学校になっていると思ってくれればいい。 海と山、港に飛行場、原発に謎の怪獣……。そして10万人の生徒たち。 一筋縄じゃいかない連中ばかり、一触即発の青春無法地帯。春4月、 新入生の朝比奈純一は、学園遊覧の飛行船から覗いた双眼鏡に映った少女に一目惚れ。 「あの娘を見つけるんだ!」不屈の情熱(だけ)を武器に、初恋の君を追う純一が巻き起こす、 前代未聞のノンストップ・スラップスティックアクション。
青春って、きっとこういうこと! ライトノベルって、きっとこういう小説! 「彼女に会いたい!」「名前を聞きたい!」 一目惚れした主人公のひたすらに真っ直ぐな気持ちは誰にも止められなくて、 物語はコメディタッチ、ハイテンポであっという間に進んでいきます。 けれど、主人公の情熱とは関係ないシリアスな事実が徐々に明らかになって…… ネタバレになるのでここまでですが、 すべてが一気に収束するクライマックスをぜひ読んでください。 萌えが流行る以前の古い作品ですが、最高の読後感を与えてくれると思います。
どんな困難があってもどんな事実を知っても、最後まで揺るがない情熱。
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その小説、105円で売られているかも…… |
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