あざらしさん一押し!(男性)
第5回NJ大賞 銀賞
兄ラブ妹&国宝級美少女と贈る平成文学の金字塔!?
『きらりん!おぱんちゅおそらいろ』それは日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイの最新作だ。
彼の小説に感動した高校生イモセ・ギンは、ツンデレ気味だけど本当は兄思いのクロハ、クールでちょっと毒舌系の幼女ミルというふたりの可愛い妹に助けられオオダイラのもとを訪れる。
しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。
新人作家さんの第一作目で、これだけの話題作は久しぶりなような気がします。
以下、完全には無理ですが、できるだけネタバレに注意しながら書いてみます。
(首を傾げつつも、選択したSFはネタバレですが、選ばないわけにもいかないので勘弁してください。
まぁ、この部分は予備知識があっても差し支えはないと思います)
まず、始めに。
この作品に書評という言葉は似合いません。
好みは間違いなくある本でしょうが、読んで感じてみてください。
私が伝えたい言葉は、『なるほど!』これは話題になるはずだ、です。
面白い、笑えます。特に第一章の勢いには驚きました。
元ネタが解るほど面白いと思いますが、こちらのHPを観られている方なら大旨理解できるかと思いますし、元ネタがさっぱりでも大丈夫でしょう。
難しいことを考えずに、頭をカラッポにして楽しむのが良いと思います。
締めに、作家志望の方へ。
読んで参考にするというタイプの本ではないと思います。むしろ参考にすると二番煎じに見えてしまいそうです。
参考にするならば、ここまで突き抜けるべきだ、という気概でしょう。そこにこそ本作の凄さがあります。
いずれにせよ、読んでおくべきだと思います。
お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?
オオダイラ先生ですね。
もうあの文体は、いや、ほんと、勘弁してください。
凄いです。
この作品の欠点、残念なところはどこですか?
残念というよりも、心配なのですが。
ネタバレなしと書きましたので、たとえ話にさせて頂きますが、
『エ●タの神様』、『爆笑レッド●ーペット』、というような番組がありましたが、あれに出ていた芸人さんの匂いがします。
どわーっと一気に人気が出て、スッと消えていく。
初めて見たときは確かに面白いのだが、残念ながら同じネタは繰り返し何度も楽しめるものでありません。
客を長く楽しませる芸人になるには、やはり腕が必要になるのは当然です。
小説でその腕に該当するのは、ストーリーだとか、文章だとか、構成だとか、つまりは物語としてどれだけ面白いのか、が重要ですが、そういった部分には残念ながら現時点ではあまり魅力を感じません。
予定調和で話が進み、おおよそ誰でも思いつきそうなパターンで終わります。
今後に大いに期待したいです。