ライトノベル作法研究所
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  4. 七都市物語公開日:2013/07/22

七都市物語

ジャンル:SF
著者:田中 芳樹
出版社: ハヤカワ文庫JA
発行年月: 1990年03月

TFAさん(男性)一押し!

■ 解説

 突如地球を襲った未曾有の惨事“大転倒”―地軸が90度転倒し、南北両極が赤道地帯に移動するという事態に、地上の人類は全滅した。しかし、幸いにも月面に難をのがれた人類の生存者は、地上に七つの都市を建設し、あらたな歴史を繰り広げる。
 だが、月面都市は新生地球人類が月を攻撃するのを恐れるあまり、地上五百メートル以上を飛ぶ飛行体をすべて撃墜するシステムを設置した。しかも、彼らはこのシステムが稼動状態のまま、疫病により滅び去ってしまったのだ。そしてこの奇妙な世界で、七都市をめぐる興亡の物語が幕を開くのだった。

■ TFAさんの書評2012/04/22

 大変動で荒廃した地球上に設けられた七つの都市の間で、繰り広げられる抗争。地上から500メートル以上、上昇できないという制約された状況は、航空機のなかった古代における戦闘を未来において再現させるという画期的なもの。
 軍事に疎い人でも、読みやすく書かれており、滅亡の淵に在っても、人類は争うことをやめないという皮肉さも伺える。

お気に入りのキャラはいますか? どんなところが好きですか?

 各都市にそれぞれ代表するようなキャラが登場しているが、アクロイニアにおけるリュウ・ウェイが注目される。銀河英雄伝説におけるヤン・ウェンリーを彷彿させる存在である。
 他にも魅力的なキャラが多数登場する。

この作品の欠点、残念なところはどこですか?

 女性が殆ど出て来ないこと。OVAではオリジナルの女性キャラが登場しているが、無理に嵌め込んだような感じで共感し難い。

 だが何といっても未完であることが最大の欠点であろう。

 初版が1990年に出ており、巻末を読んでも、続きがあるのは明らかだが、もう20年以上中断したままである。新しい作品も結構だが、こうした未完の作品にも目を向けていただき、早く続編を書いて欲しいものである。

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