補給戦―何が勝敗を決定するのか
enkidさんのオススメ!
■ 解説
ナポレオン戦争から第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦に至るまでの代表的な戦闘を「補給」という観点から徹底的に分析。補給の計画、実施、戦闘への影響を、弾薬、食糧等の具体的な数値と計算に基づいて説明し、補給こそが戦いの勝敗を決するということを初めて明快に論じた名著。待望の復刊。
■ enkidさんの書評
軍事を語る上で欠かせない「補給戦術」の重要性を語る古典。
ナポレオンからノルマンディー上陸などの戦争を「補給」という観点から読み解いた一冊。
兵士一人が一日に消費する食糧の量。品目。コスト。それらを作戦期間中に用意し、携帯し、輸送するために掛かる期間や馬車の数。そしてそれらを維持するためにどれだけの金銭や生産力が必要になるか。
軍隊は金食い虫、という言葉を嫌と言うほど思い知ることが出来ます。中世において大国でさえ軍とは「略奪集団」であったと言い切り、近代や世界大戦でも「現地調達」に頼ったという記述は衝撃的でした。
今までとは全く違う見方を知ることのできる本だと思いました。
この本の欠点、残念なところはどこですか?
膨大な資料を基に解説されているため、歴史の予備知識がないとかなりの情報量に混乱してしまうかも。言い回しも独特なため、読み解くには根気がいるかもしれません。