ライトノベル作法研究所
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  4. 家のない少年たち公開日:2013/11/15

家のない少年たち

ジャンル:裏社会・ヤクザ
著者:鈴木大介
出版社: 太田出版
サイズ: 単行本
ページ数: 261p
発行年月:2010年12月
布施隆三さんのオススメ!

■ 解説

 確かに彼らは、生き抜いていた。
 詐欺、闇金、美人局、架空請求、強盗――家族や地域から取り残され・虐げられ、居場所を失った少年たちは、底辺の仲間となって社会への「復讐」を開始する。
 だが大金を手にしてもなお見つからない、"居場所"。彼らはそれを探し続けるーー。
 取材期間10年、語られなかったこの国の最深部を活写する、震撼ノンフィクション。

『モーニング』連載漫画「ギャングース」原案。

■ 布施隆三さんの書評2013/11/14

 裏社会のカテゴリがあったので、使えるかな、と。
 00年代の不良について詳しく紹介されています。
 90年代はヤクザの弱体化と中国マフィア三大グループの躍進の時代でした。
 そんな中、21世紀との到来と共に始まりを告げたのは、一時期ニュースでも話題に上がった関東連合や、中国残留孤児で結成された怒羅権などの、いわゆる「半グレ」の時代です。

 この著書の中には、そんな新世代の不良たちの事情が詳しく描写されています。

 彼らにとっては、一般のヤンキー漫画は嘘っぱちのようです。彼らに言わせれば、どんな底辺校だろうと、高校に入れただけでエリートなのだそうです。
 内容の中心となるある不良グループは、過酷な家庭環境に生まれ、施設の虐待と少年院を経験した後、窃盗で生計を立てていきます。
 最終的に数億円を稼ぎ出し、リーダー格の少年は不動産経営で月に150万を稼ぐ「不良の勝ち組」に。しかし、グループは四散してしまいます。
 彼らの生き様は壮絶にして過酷。一般社会に住む我々にとっては、圧倒されるような出来事ばかりです。

 余談ですが、この著書では不良少年について描かれていますが、同じ著者の「援デリの少女たち」「家のない少女たち」には、不良少女について紹介されています。
 そちらも壮絶です。現代社会の闇をたくましく生きる少女たちの姿に、僕は涙しました。
 参考になれば。

■ この本の欠点、残念なところはどこですか?

 僕自身はまったく問題ないと思いますが、著者は犯罪少年たちに真っ向から味方しています。
 不良に苦しめられた過去を持つ方にとっては、怒りに震えるような内容だと思います。
 また、不良たちの間で使われる隠語が多く登場しますが、これは丁寧に脚注されているので、問題ないと思います。

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