確かに彼らは、生き抜いていた。
詐欺、闇金、美人局、架空請求、強盗――家族や地域から取り残され・虐げられ、居場所を失った少年たちは、底辺の仲間となって社会への「復讐」を開始する。
だが大金を手にしてもなお見つからない、"居場所"。彼らはそれを探し続けるーー。
取材期間10年、語られなかったこの国の最深部を活写する、震撼ノンフィクション。
『モーニング』連載漫画「ギャングース」原案。
裏社会のカテゴリがあったので、使えるかな、と。
00年代の不良について詳しく紹介されています。
90年代はヤクザの弱体化と中国マフィア三大グループの躍進の時代でした。
そんな中、21世紀との到来と共に始まりを告げたのは、一時期ニュースでも話題に上がった関東連合や、中国残留孤児で結成された怒羅権などの、いわゆる「半グレ」の時代です。
この著書の中には、そんな新世代の不良たちの事情が詳しく描写されています。
彼らにとっては、一般のヤンキー漫画は嘘っぱちのようです。彼らに言わせれば、どんな底辺校だろうと、高校に入れただけでエリートなのだそうです。
内容の中心となるある不良グループは、過酷な家庭環境に生まれ、施設の虐待と少年院を経験した後、窃盗で生計を立てていきます。
最終的に数億円を稼ぎ出し、リーダー格の少年は不動産経営で月に150万を稼ぐ「不良の勝ち組」に。しかし、グループは四散してしまいます。
彼らの生き様は壮絶にして過酷。一般社会に住む我々にとっては、圧倒されるような出来事ばかりです。
余談ですが、この著書では不良少年について描かれていますが、同じ著者の「援デリの少女たち」「家のない少女たち」には、不良少女について紹介されています。
そちらも壮絶です。現代社会の闇をたくましく生きる少女たちの姿に、僕は涙しました。
参考になれば。
僕自身はまったく問題ないと思いますが、著者は犯罪少年たちに真っ向から味方しています。
不良に苦しめられた過去を持つ方にとっては、怒りに震えるような内容だと思います。
また、不良たちの間で使われる隠語が多く登場しますが、これは丁寧に脚注されているので、問題ないと思います。
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