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  4. イスラム幻想世界公開日:2013/09/11

イスラム幻想世界 怪物・英雄・魔術の物語

ジャンル:ファンタジー資料
著者:桂 令夫
出版社: 新紀元社
サイズ: 文庫
ページ数: 336p
発行年月:2013年09月05日
ドラコンさんのオススメ!

■ 解説

 『コーラン』『千一夜物語』『王書』などイスラム世界の宗教・神話・伝承から、興味深いエピソードを紹介していきます。ジン(妖霊)、イフリート(魔神)、グール(食屍鬼)といったおなじみの怪物から、歴史上の英雄たちや、アラビア魔術、占星術、幻術などに関することまでイスラム世界がよくわかる入門書です。

■ ドラコンさんの書評2013/09/11

 『アラビアンナイト』をモチーフにしたファンタジーに参考となる1冊を紹介します。

 この本は副題通り、イスラム世界の怪物・英雄・魔術を取り上げています。『アラビアンナイト』はなじみ深いですし、怪物や魔術は西洋経由で入ってきています。そのため、RPGなどで「案外聞き覚えのある話が多い」というのが、率直な印象です。

 「魔術の世界」の章では、占星術、観察術、呪いの仕方・祓い方、幻術、錬金術、変身術が取り上げられています。
 特に、呪いの仕方・祓い方では「どのような道具を使うのか」や「どう印を結ぶのか」が具体的に書かれています。この点は呪いに限らず、

 「魔法のかけ方」という点で参考になるのではないでしょか。

 イスラム世界の魔術師のエピソードが豊富ですので、ヨーロッパ風の西洋ファンタジーや和風・中華風の東洋ファンタジーでも、「異国から来た魔術師」のキャラ作りに役立ちそうです。
 冒頭で、イスラム教の成り立ちについて説明があるので、イスラム世界への理解がしやすかったですね。

■ この本の欠点、残念なところはどこですか?

 『アラビアンナイト』というと、「空飛ぶじゅうたん」に代表される“魔法の道具”が出てくるのですが、それについては特に出てきませんでした。ただし、「ビンの中の魔人」のように、怪物をとらえて召し使いにする話は出てきます。
 天使や駿馬、霊鳥といった、“聖なる存在”も、人間に害をなす妖霊(ジン)と同じく、「怪物の世界」の章に入っています。この点はご注意ください。

 イスラム教の成り立ちについて説明があるのはありがたいです。しかし、イスラム世界、特にこの本の対象になったアラビア世界の習慣、それも衣食住など、生活関係について、「もう少し紙幅を割いても良かったかな?」と感じます。

 また、イスラム教はユダヤ教やキリスト教を母体にしています。そのため、「キリスト教でいえば○○」という説明が出てきます(特に天使で)。ですので、キリスト教の知識があると、より理解しやすいのではないでしょうか。

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