楽しい、すごい小説を書くために誰もがする失敗から学ぶ書き方の本。
下読みの気分が味わえる本。
九割が落ちる一次。一体どんな作品が落選するのか。
つい最近、ラ研に降臨した(自称)下読みのジジが「ラノベ新人賞一次選考を突破に必要な2要素とは?」で「オリジナリティのある設定」と「魅力的な主要キャラクター」の必要性を説いてたのは記憶に新しいはず。
換言すれば、それだけ新奇性と魅力に欠けてる作品が多いってわけね。
他には『ラノベの教科書』でも、一次落ち作品の九割以上はレギュレーション違反だったり日本語として成り立ってなかったり、そもそもラノベじゃないもの(日記や論文)を送ってたりと、新人賞に投稿される「ラノベ」が少ないことへの嘆きが伝わってくるわね。
じゃあ実際に一次を通過できない作品はどれほどの酷さなのか。
これまでは2chやラ研のコメントを頼りにあーだこーだ根拠があるのかどうか皆目検討もつかない推測をすることしかできなかったけど、あの榎本先生がそんな下らない議論に終止符を打ってくれたわ!
本書はなんと、榎本先生の教え子が執筆した長編小説がまるまる一本、校正レベルと編集レベルで赤字が入れられてるのよ!
これ以上に具体的なラノベハウツー本は絶対絶対絶対に存在しないわ!
実際にページをめくると、いやーこれは目も当てられないレベルね。
っていうか読書メーターでもコメントあったけど、あまりにも様々な種類のミスを網羅していて、榎本先生の創作を疑ってしまうクオリティだわ。
表記の不統一や同一単語の反復といったありがちなものから、改行・句読点ミスや誤字脱字といった小学生レベルのものまで、おおよそ想定されるパターンが何度も何度も出てくるんだもん。こんな生徒が本当にいるのなら専門学校って恐ろしいわね……
肝心のストーリーも超超超やな感じ。超超超超やな感じ。
タイトルが『アウトルール・ウォー』だけど、第三章まで読んでもどこにアウトルールやウォーの要素があるのか全く理解できないわ。反王国軍のところ? でも「日本」とか「魔術学園」って世界なのに「ガンラルバ王国」ってどうなのよ。現代ファンタジーなのか異世界ファンタジーなのかハッキリしてほしいわね。
とまあ、こんな感じの全七章(一~六章&終章)構成よ。
ラノベ初心者(超初心者?)がやりがちな要素の集大成だから、何度も一次落選で涙を呑んでる志望者には最適な一冊じゃないかしら。
掲載されてる作品が常軌を逸したレベルでつまらないこと。
とにかく褒めるところを見出すのが困難で、レビューしたあたしが言うのもどうかと思うけど、三章まで読んであとはギブアップしたわ。
榎本先生はつまらない最大の原因を「要素の寄せ集めであるため、全体に統一感がない」って終章まとめで評価してるけど、あたしはもっと根本的な部分に欠陥があると思うわ。
それは「何がやりたいのかさっぱり理解できない」こと。
普通に商業流通してる作品なら「科学と魔術の交差」「生徒会でハーレム」「VRMMOで俺TUEEE」「攫った姫がエロ同人作家」ってな具合に概要を「一言で」説明できるけど、『アウトルール・ウォー』にはそれがないのよ。作者の溢れんばかりのパッションが伝わってこない。
やる気のない設計士に建築なんてできるはずがないわ。
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