ライトノベル作法研究所
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  4. 伝え方が9割公開日:2014/06/10

伝え方が9割

ジャンル:名前・タイトル
著者:佐々木 圭一
出版社: ダイヤモンド社
サイズ: 単行本
ページ数: 212p
発行年月:2013年03月01日
ラノベの王女様さんのオススメ!

■ 解説

なぜ伝え方で結果が変わるのでしょう?

たとえば、好きな人がいるとします。
でもその人は、あなたのことに少しも興味がないとき、
何と言ってデートに誘いますか?

「デートしてください」

こう言ってみました。あなたのピュアな気持ちそのままですね。
これだと断られる確率が高いですよね。
ですが、コトバ次第で結果を変えることかができます。

「驚くほど旨いパスタの店が
あるのだけど、行かない?」

こう言ってみました。相手は行っていいかも、と思う確率がぐんと上がるコトバです。
どちらにしても、実は「デートしませんか?」という同じ内容なのです。
同じ内容なのに、伝え方で結果が変わってしまう。
これは驚くべきことと思うかもしれません。
ですが、あなたは今までの人生で、「伝え方で変わるのでは?」と、
うすうす気づいているのではないでしょうか。

伝え方にはシンプルな技術があります。

■ ラノベの王女様さんの書評2014/06/02

 ラ研で最も向上心のあるあたしは、当然ラノベ以外にも目を通すわ。

 今回のレビューは、佐々木圭一の『伝え方が9割』よ。
 瞬く間にビジネス書市場を席巻した本だから、知ってる人は知ってるんじゃないかしら。電車のドア横ポスターにも広告が掲載されてたくらいだしね。

 この本は「ビジネス書」という位置づけのため、「なかなか上司や取引先を説得できない……」「メールを送っても反応が悪い……」なんて悩みを抱えるビジネスマンが主要読者層になってるわ。
 相手の「ノー」を「イエス」に変える。具体的にはこうやってくの。

(1)自分の頭の中をそのままコトバにしない
ラノベ作家になるつもりなのに、『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』を読んでないですって?!
信じられないわ! 今すぐ筆を折りなさい! あんたは作家失格よ!(これは悪い例です by管理人)
(2)相手の頭の中を想像する
楽してプロデビューしたい! めんどくさいのは嫌だ!
(3)相手のメリットと一致するお願いをつくる
プロデビューへの最短切符。それが飯田一史先生の『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』よ!
一冊読むだけで他の志望者を圧倒できる知識が身につくの! お得でしょ?

 さて、ここまでがオーソドックスな『伝え方が9割』の利用法だけど、これで終わるんだったらわざわざ「ライトノベル」作法研究所でレビューする意味が無いわ。「王女の読書量自慢UZEEE」って反感買って終わり。

 じゃあどうして紹介したかって?
 実はこの本、作品タイトルの制作において驚異的な威力を発揮するのよ!

 疑問に思ったことがないかしら?
 なぜ無双しまくり俺超TUEEE状態なのに魔法科高校の「劣等生」なのか。
 なぜ何人もの異性と駄弁りながらも僕は友達が「少ない」のか。
 ろくに物事を思考してこなかった2chやラ研の住人は、「タイトル詐欺」「作者の自己満足」と批判するだけ。
 そこにベストセラーへのヒントが隠されているとも知らずにね。

 もちろん、劣等生やはがないに限らず、ラノベのタイトルは「適当に付けた」「語感が良かったから」が決定理由かもしれないけど、だからって分析するのがナンセンスであることにはならないわ。

 結論から言ってしまえば、ネットで話題になるタイトルってのは、「強いコトバ」でできてることが多いわ。特にアニメ化作品では。
 それが次に挙げる「サプライズ法」「ギャップ法」「赤裸裸法」「リピート法」「クライマックス法」の五つよ。

(1)サプライズ法(伝えたいコトバを決める→適したサプライズワードを入れる)
例(感嘆符) 『はたらく魔王さま!』『這いよれ!!ニャル子さん』『この中に1人、妹がいる!』『迷い猫オーバーラン!』『パパのいうことを聞きなさい!』『まよチキ!』『れでぃ×ばと!』『デュラララ!!』

(2)ギャップ法(最も伝えたいコトバを決める→伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる→前半と後半がつながるよう、自由にコトバをうめる)
例 『魔法科高校の劣等生(実際は優等生)』『僕は友達が少ない(実際は多い)』

(3)赤裸裸法(最も伝えたいコトバを決める→自分のカラダの反応を赤裸裸にコトバにする→赤裸裸ワードを、伝えたいコトバの前半に入れる)
例 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』

(4)リピート法(伝えたいコトバを決める→くり返す)
例 『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』『ノーゲーム・ノーライフ』

(5)クライマックス法(いきなり「伝えたい話」をしない→クライマックスワードから始める)
例 『だから僕は、Hができない。』『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』

 方法論の説明文と一致してない部分があるけど、それでもニュアンスは感じ取ってもらえるはず。
 『伝え方が9割』を読んでタイトルを作れば、作品の魅力が二倍、三倍、あるいはそれ以上にまで膨れ上がってくんじゃないかしら。ゾクゾクするわね。

■ この本の欠点、残念なところはどこですか?

 元がビジネス書だから、方法論を応用するにはラノベ向けにアレンジする必要があるわね。

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