ガンダムの小説版とアニメ版の違い。ノベライズは人間ドラマ重視

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野崎昭彦さんの意見2016/06/05

『ロボット小説は当事者の心情や葛藤に重点を置く』が、興味深い話題だったので少しばかり援護射撃をしておきます。

『ガンダムUC』は「トミノイズムの継承者」福井晴敏氏が『逆襲のシャア』と『閃光のハサウェイ』の間の時代を舞台に書いた小説が原作でして、その後OVA、若干表現を和らげてテレビ放映となったわけです。雰囲気を強く残しているというか、最初から正史に組み込む前提で書かれているわけですね。『ムーンクライシス』? 知らんな。

そして、アニメと原作小説では当然ながら細部が異なっていますし、そもそもメインで登場する機体であっても外見の描写は最低限ですし、比べてみれば色々と参考になる部分があると思います。
余談ながら、博物館見学のシーンで出てくる機体、アニメではザクでしたが、原作ではギラ・ドーガだったりします。

一方、最初の『ガンダム』は……最初は冴えない機械オタクのアムロや、成り行きで宇宙空母の乗組員になってしまった少年たちが戦争という荒波の中で次第に成長していくお話だったのが、出資者の無理難題により次々とザクに代わる新しい敵メカを出さなければならなくなったと聞いています。

なので、監督が当初思い描いていたストーリーを形にした(らしい)小説版では中盤以降の展開がアニメとはまったく異なるものになっていますし、多くの兵器がリストラされています。主にズゴックとかジオングとかガンタンクとか。

ですがその分人間ドラマは濃厚になっています。濃厚すぎてラノベ的にはギリギリなシーンもありますが(悲しいけどスニーカー文庫なのよね)。
こちらも機会があったらチェックしてみるといいかと思います。

以上、後方のエンドラより援護射撃でした。

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リック・ドMさんの返信

ご教示、大変ありがとうございます。助言して頂ける方がこれほどにいらっしゃるとは、質問するときには思っていなかったもので、嬉しい想定外にそわそわしてしまっています。

ユニコーンは、最初はOVAでシリーズ化され好評となり、リメイクと言っていいんでしょうか、細部の変更を加えてTVシリーズとして放映されていると聞いております。ロボット物が文章で書けるものかどうかと考えあぐねている真っ最中に放映開始と知り、待ってましたという感じで観始めました。今回の質問で、「ユニコーンはドラマ部分が面白い」ということを教わり、また理解し始めた次第です。

ユニコーンを正史に組み込むということまでは知りませんでしたが、はっきりそう教わってみると、最初のガンダムからスムーズにつながっている理由がはっきり分かりました。明確に同じ世界と歴史を共有する作品群だったわけでしたか。

そして小説版から始まったということだったんですね。それも初めて知ったのですが、ロボットのバトルの見せ場で押さず、ドラマ部分に力が入っている理由が分かった気がします。文章作品の得意とするのは、派手なロボット戦闘ではなく、そのロボットに関わる人を描くことらしい、といったことです。

アニメ作品として始まった最初のガンダムですと、スポンサーの意向でメカが次々と出てきたということだけは、理解していたつもりです。機種をいろいろ出すだけでなく、変形、合体といろいろ出てきて、それが全てプラモになるという流れですね。お蔭さまで、多種多様なガンプラを今も楽しめるわけで、スポンサーの意向もあながち悪くありません。

お教えいただいた作品タイトルで、『ムーンクライシス』というのをネットで検索してみると、正史外、外伝的作品のようですね。話のスケールが、どうやら世界の存続を左右するほどと、容易には正史に組み込めそうにないという感じだけは掴むことができました。

ちょっと調子に乗って、正史ではない作品をネットで探してみると、イデオンが出てくるガンダムもあったと出てきて、あまりなクロスオーバーにちょっと唖然としてしまいました。そんな組み合わせ、どうやって整合性を持たせるんだろう?

媒体はいろいろですが、ガンダムでは有名どころ以外に、どれだけ後継やスピンオフ作品があるのか、ちょっと想像がつかない感じです。逆にいえば、非常に多数の作品が生み出されたということでもあり、小説も少なからずあるようですから、「文章でもやればできる」という証拠になっている気もして、希望が出てくるように思えます。

調べていて、ふと思い出したのですが、おそらく私は最初のガンダムの小説版を読んだことがあるようです。どうも不確かにしか思い出せないのですが、憶えているのは、アムロとセイラが大人の男女関係で、そのなんと言いますか、お守りだと称して、セイラの下の毛をアムロに渡すとか、そんなところだけです。

たぶん、小説版のストーリーがアニメ本編とあまりに違うので、途中で読むのをやめ、下の毛のエピソードだけが記憶に残り(なんともびっくりするような内容ですから)、それがガンダムだったということはすっかり忘れてしまったのだと思います。要は記憶の混乱です。

読んだのはずいぶん前のはずで、人から貸してもらってだったと思います。その頃は、小説でロボットを、どころか、小説を書くなんて少しも考えてなかったので、「こんなのあるんだ、ふーん」程度だったのだろうと思います(本当に記憶が曖昧で、よく思い出せない)。

せっかく見たり聞いたり読んだりするのなら、吸収するつもりでないといけませんね。と、後悔先に立たずのことがいかに多いか。

しかし、わずかでも思い出せただけで、私としては大変な収穫です。これも、いい刺激を与えて頂いたお蔭です。見逃した作品は、探してみて読んでみたいし、中身を忘れたものもやはり探して、読み直してみたいと思います。大変、ありがとうございました。

下読みジジさんの回答

これはミリタリ好きな作家さんにお聞きした話なのですが、昆虫業界では絶滅の危機が訪れた際、生き残りを模索して、短期間でかなり多くのタイプの進化形を生み出すそうです。そして敗戦間際の軍隊もまた、戦局を覆そうと試作品を次々開発し、投入することになるのだと。

この話が本当なら、ジオンが1年の間にあれだけの数のMSを造ったことにも納得できますね(プラモデル的な事情からはあえて目を反らしつつ……)。

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