セランさんの質問2016/06/09
プロとして本を出されている方の、行動や精神の持ち方について、教えていただきたいことがあります。
アマチュアのうちは、締め切りが過ぎても「来年の賞に回せば…」などと考えることもまあできますが、プロやプロ候補になるとそうもいきませんよね。
私は期限の厳しい締め切りを課されると、それだけでもう酷く焦って落ち着きを失い、完成させることや既定の枚数を書くことにばかり腐心してしまいます。
自作がつまらないということがわかっても、引き返す時間はなく、筆も乗らない状況に陥ります。
自分なりの対策も取っているのですが、対策が取れない状況、要は作りこんだストックがなくなったときにはどうしようもありません。
当然そんな状況ですから、私はプロではありません。
そこでお伺いしたいのが、プロの方はそういった状況に陥ったとき、焦りやプレッシャーにどのように対処しているかです。
また、そもそもクオリティをどの程度で許容するのか。つまらないと感じている原稿を編集者に渡してしまうことはないのか。売れている作家さんなら、締切を伸ばしてもらって書き直すこともできるかもしれませんが、あくまでそうでない場合、どうしているのでしょうか。
むろんのこと、クオリティが低いと感じる自作など出しても意味がない、むしろ自分自身の首を絞めて作家として死ぬだけ、というのは痛いほど理解しております。
ただ、どうしてもうまくいかずに妥協するしかないとき、というのは、プロでは現実的に、どのくらいのレベルでどのくらいの頻度、あるものなのでしょうか。
この質問には、いつも感じてしまう過度の焦りをなくすため、なんとか気が楽になる回答をいただきたいという浅はかな思いもあります。
しかし、実情を知って、自分の中に残った甘えを吹き飛ばしたいという思いもあります。
ジジ様ご自身やお知り合いの作家の方の経験談など、実際のところをうかがえましたら幸いです。
●下読みジジさんの回答
言葉を濁さないほうがよいかと思いますので、そのままお返事をさせていただきます。
基本的に、自力を振り絞るしかありません。
そして現状の自分に出せる最高のクオリティの作品を、締め切り内に提出するのです。
先生未満の創作者・制作者・新人に「次の保証」はありません。
だからこそ常に「今」、「ベスト以上」が求められます。
逆に言えば、それができない人間がプロであり続けることはできないのです。
そしてプロに気を休めている時間はありません。
次から次へと最高品質のものを送り出し続ける必要があるからです。
しかし、だからこそ今のうちに悩んでおいてください。
悩んだり迷ったりする時間は、アマチュア時代にのみ許されるものです。今からプロの流儀にならう必要はありません。