ラノベのハーレムテンプレ。絶対に自分を裏切らない立場(配下、奴隷、妹)の女性に囲まれる

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0年代のハーレムと10年代のハーレムの変化

0年代のラノベハーレム。
・美少女大好き。ハアハア。萌え!

10年代のラノベハーレム
・絶対に自分を裏切らない配下。奴隷。好き!

ハーレムの目的が性欲から、承認に切り替わっています。

「萌え」というヒロインを賞賛する言葉は2010年あたりから、徐々に使われなくなりました。ハーレムとはヒロインを愛でるためのものではありません。主人公を賞賛するための仕掛けの1つです。

「絶対に自分を裏切らない配下」がハーレムの構成要員

大ヒット作品「転スラ」「オーバーロード」の共通点として、主人公が絶対的な支配者であり、ヒロインたちは彼に忠誠を誓っています。
「絶対に自分を裏切らない配下」が、ハーレムの構成要員です。

「異世界迷宮でハーレムを」は「小説家になろう」にて『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』というタイトルで2011年4月より連載されていた作品です。
ヒロインを奴隷にするタイプのハーレム物が、この小説をパイオニアとして出るようになりました。

受け身の立場で何もしなくても、女性が絶対的な尊敬を捧げてくれるのが良いのです。

●古代の王様
力を誇示して嫌がる女性を従える。主体的。(始皇帝。豊臣秀吉など)

●ラノベハーレム
何もしなくても、絶対に自分を裏切らない女性に囲まれている。受け身。

後者は、人類の究極の理想です。

  • 嫌がる女性を無理やり従えるのは罪悪感がある。
  • 女性にアタックして傷つく心配もない。
  • 裏切られる恐れもない。

主人公が支配者で、ヒロインは配下や奴隷という立場では、ヒロインは絶対に主人公には逆らえません。

ヒロインは、主人公に脅威を与える存在であってはいけないのです。

ヒロインが奴隷なら裏切られる恐れはありませんが、嫌がる女性を無理やり従えるのは罪悪感があるので、やりたくありません。そこで、ヒロインは喜んで積極的に主人公に支配されることを望むことで、読者の罪悪感を消します。

『異世界支配のスキルテイカー ~ゼロから始める奴隷ハーレム~』 (2015/6/2刊行)なろうから書籍化された35万部超えのヒット作です。

この作品ではヒロインの方から、主人公の奴隷にして欲しいとお願いしてきます。
承認欲求が満たされる上に、女性を奴隷にするという罪悪感もなくせる素晴らしい構造です。
以下、ヒロインの名台詞を抜粋します。

「も、申し訳ございません! 私のような若輩者が、ふてぶてしくもユウトさんの奴隷になりたいだなんて……頭が高いにも程がありましたよね! ごめんなさい! 調子に乗りました! 今の発言は忘れて下さい!」

「ご主人様は素晴らしいお方です! 肉体や精神的な強さはもちろんのこと! 誰にでも分け隔てなく接することのできる大きな器を持っています! 断言します! 私の人生における最大の幸福は、ご主人様の奴隷になれたことです!」

大ヒット作『盾の勇者の成り上がり』(2013/8/20刊行)では、仲間の女性に裏切られて犯罪者にされ、財産を奪われた主人公は、仲間として病弱な奴隷の少女を買います。
奴隷は、主の命令を拒否した場合、魔法によって激痛で苦しむようになっているので、絶対に裏切りません。

いつ裏切るからわからない対等な存在より、絶対に裏切らない奴隷の方が良いのです。

2010年代の大ヒット作の主人公は、性欲があまりありません

10年代の大ヒット作の主人公は、性欲があまりありません。

  • オーバーロード。アンデットに転生したので性欲があまりない。
  • 転スラ。スライムに転生したので性欲があまりない。
  • 幼女戦記。幼女に転生したので性欲がない。

と、魂が男性でも、肉体が人間の男性ではなくなったので、性欲そのものがほとんどなくなっています。

つまり、求められているのはあまり性欲のない主人公です。

現代の男性は性欲が薄くなっている。なので性欲が薄い主人公に共感しやすい

古代の王様とは異なり、『転スラ』や『オーバーロード』の主人公は、配下の女性と性行為しようとは、まったくしません。
始皇帝は、子供が合計二十数人いたそうです。
ですが、オーバーロードのアインズ様にお世継ぎは一人もいません。

おそらくガツガツしてる古代の王様に、現代の読者は共感できないからだと思います。

厚生労働省のデータによれば、2000年にはコンドームの出荷数は341万8000グロス(注・1グロスは144個)でしたが、2011年には199万9000グロスと、10年間で実に4割も減っています。

現代の男性は、性欲が薄くなっているのです。なのでラノベでも性欲の薄い主人公が共感しやすく、人気なのだと考えられます。

ラノベ読者は、主人公になりきって物語を楽しむので、これは自分の物語だと感じてもらうために、主人公は読者に近い、共感してもらいやすい個性にする必要があります。

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ハーレムがラノベテンプレになっている3つの理由

性欲が低下しているのに、ハーレムがラノベテンプレの1つになっているのは、

  • 女性は自分(男性読者)に脅威を与えないから
  • 見栄えが良いから(漫画化した際)
  • 性欲は一応まだある。本能は強い。

の3つの理由かと思います。

男性は、本能的に他の男性に対してマウンティングをしてしまいます。(どちらが強いか、上か下か)
女性に対しては、マウンティングをしないので、女性に囲まれている方が、脅威を感じにくく、自尊心が低下せずにすみます。

ラノベでは、主人公に匹敵するライバルキャラを出さない方が良いと言われているのは、これが理由です。
自分に対して脅威となる存在など、いない方が良いのです。

『転スラ』や『オーバーロード』では、女性だけでなく、主人公に忠誠を誓う男性の配下もたくさん登場します。
絶対の忠誠誓う、自分より弱い部下に囲まれているなら、安心して承認欲求を満たすことができます。

恋愛はそもそも求められていない。必要なのはノーリスクの賞賛

ヒロインが奴隷や配下という立場では、恋愛がそもそも成立しにくいです。
恋愛物語は、お互いの気持ちのすれ違いや、試練を乗り越えて信頼関係を構築していく過程を描きます。

主人公が絶対的な支配者で、ヒロインは忠誠を誓っているという立場だと、お互いに自由意志を持てないので、恋愛物語が成立しません。

つまり、ラノベ読者は、恋愛物語をあまり求めていません。

ヒロインは主人公の奴隷、配下という絶対に裏切らない立場で、主人公を賞賛、尊敬し続けることが求められます。

ラノベヒロインに妹が多いのも、主人公より立場が弱くて、裏切らない存在だからです。
妹ラブコメには嫌われるリスクがありません。

ラノベハーレムまとめ

  • 奴隷。配下、妹といった立場の絶対に自分を裏切らない女性に囲まれている。
  • 主人公は性欲がほとんどない。
  • ハーレム要員は、最初から主人公が大好きで、常に彼を賞賛し続ける。

恋愛のドキドキは求められていない。必要なのは安心と賞賛。

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