キャラの喜怒哀楽の振れ幅が大きいほど、物語はおもしろくなる性質があります。
ストーリーと事実の羅列の違いは、キャラの感情が絡んでいるかです。
1は事実、2はストーリー。
感情、特に愛情が絡むとおもしろくなります。
エンターテイメントの本質とは『感情体験』
泣ける名作。
笑えるコメディ。
手に汗握るサスペンス。
などヒット作について私たちが評価する時、感情がセットになっています。
ドキドキ、ハラハラさせてくれる物。気持ち良くスカッとさせてくれる物。
小説、漫画、映画、音楽、これらはすべて受け手になんらかの感情を喚起させ、それによって夢中にさせます。

なろう小説の場合なら、主人公をすごい、すごいと褒めて称えることで、読者の承認欲求を満たすという感情体験を提供します。
読者はキャラ。主に主人公に共感し、その感情を追うことで感情体験を行います。
エンターテイメントとは、読者になんらかの感情体験をさせなければならないのです。
そのために必要なのが、ストーリーにキャラの感情を絡ませるということです。
人に最も強い感情を起こさせるのは対立
物語とは極論すれば、個人vs個人、個人vs組織、組織vs組織、人vs世界(神)、といった対決を描いたものです。

人に最も強い感情を起こさせるのは対立です。
このため、対立やトラブルが起きやすい設定を作ってあげることが、物語作りの1つのコツになります。
累計発行部数780万部突破のヒット作『盾の勇者の成り上がり』(2013/11 刊行)では、異世界に4人の勇者が召喚されます。
主人公の岩谷尚文は、盾の勇者として呼ばれましたが、攻撃力を持たない最弱の勇者であったため軽んじられ、他の勇者に罠にはめられて財産を奪われたあげく、犯罪者にされてしまいます。
主人公は生き抜くため、パーティーの攻撃役として奴隷少女ラフタリアを買い、2人で旅を始めます。
「設定はシンプルでかつ、人間ドラマを盛り上げられるような仕組み(対立や協力が起きやすい)」になっているところが、この作品のポイントです。
時限爆弾テクニック
物語によく使われている手法で『時限爆弾テクニック』というのがあります。
2の方が1より、おもしろい話になります。
より主人公がせっぱつまって感情がむき出しになるからです。
(ただし、なろう小説では、主人公にストレスを与えるのはタブーなので、他のキャラクターをこのように追い詰めましょう)