小説家/漫画原作者になるために必要な訓練とは?作家・平井新さんに創作に関する18の質問

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作家でフリーライターの平井新(ひらいしん)と申します。別名義にてノベライズ小説二冊とオリジナル小説一冊(映像化)を出版しております。

また、各種ゲームシナリオの執筆や、ボードゲームのレビュー記事執筆などの他、大阪アミューズメントメディア専門学校ノベルス文芸学科にて講師も務めています。

このたび「めちゃコミック」にて連載が始まりました『冴えない私と彼女な彼氏』で、初めて漫画原作の仕事をさせていただきました。

(AMGとのタイアップ記事です)

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冴えない私と彼女な彼氏

(C)Nishiki Isumi / Shin Hirai 2020

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  1. Q1:物語の根幹をAMGで教えられているそうですが、それはどのようなものでしょうか?
  2. Q2:漫画原作者になるためにどのような訓練が必要ですか?
  3. Q3:小説家と漫画原作者の最大の違いとはなんでしょうか?
  4. Q4:漫画原作者にとって最も難しいと感じることはなんでしょうか?
  5. Q5:漫画原作者になるためには、漫画を描くべきでしょうか?
  6. Q6:漫画と小説で、台詞回しにはどのような違いがあるでしょうか?
  7. Q7:パソコンでゲームを作ってネットで無料配布されていたそうですが、この経験は創作に役立っていますか?
  8. Q8:同人誌を作って漫画の即売会で手売りした経験があるそうですが、創作に役立っていますか?
  9. Q9:小説では文章の読みやすさが重視されます。リーダビリティを高めるために、どのような工夫、訓練をされていますか?
  10. Q10:人気作を書くためには人気作の分析が欠かせないと聞きます。一ヶ月にどれくらいの小説を読まれていますか?
  11. Q11:小説家になるためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?
  12. Q12:ストーリーを考える際に重視していること、気をつけていることがありましたら、教えてください。
  13. Q13:どのような方法でプロットを作られていますか?
  14. Q14:キャラクターをどのように考案、作成されていますか?
  15. Q15:小説のアイデアが浮かぶのはどんな時ですか?
  16. Q16:実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか?その方法をどのようにして知りましたか?
  17. Q17:執筆のモチベーションを保つために、どのような工夫をされていますか?うまくいかない時はどうやって乗り越えていますか?
  18. Q18:最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

Q1:物語の根幹をAMGで教えられているそうですが、それはどのようなものでしょうか?

「目標→障害→達成」ですね。これは私自身も先人から教えられたことです。

主人公が物語の主人公たりえるのは、何かしらの目標を抱いているからです。

それは「作家になる」でも「平穏に暮らす」でもなんでもOK。
ただ、それが簡単に達成されては物語になりません。そこには必ず障害がある。それを乗り越えるために成長し、ついには目標を達成する。

これが物語の基本的な構造です。障害が大きければ大きいほど、物語は盛り上がります。

Q2:漫画原作者になるためにどのような訓練が必要ですか?

まず、漫画という表現の本質を理解する。それが大前提でしょう。

これは絵の上手い下手とは別の話です。その上で、ネーム原作ならネーム、脚本原作なら脚本の腕に磨きをかけることが大切だと思います。

Q3:小説家と漫画原作者の最大の違いとはなんでしょうか?

小説家と違って漫画原作者には「単著」が存在しません。

成果物としての漫画は必ず「共著」。つまり、相棒となる作画者がいて初めて成立するお仕事なんですよね。これが小説家と漫画原作者の最大の違いではないでしょうか。

これは例えば「舞台脚本」などでも同じことです。演じる人がいて初めて成立する。

読者に届ける前に、その人たちとしっかり足並みを揃えることが大切です。

Q4:漫画原作者にとって最も難しいと感じることはなんでしょうか?

一人ではないことです。相棒である作画者と、二人で一つの作品を作り上げるわけですから。
意思疎通が難しいのは、共同作業ならなんでもそうですよね。

でも、それゆえにいい効果が上がるのも本当です。困難を乗り越えた先にある喜びはひとしおですよ。

Q5:漫画原作者になるためには、漫画を描くべきでしょうか?

必須ではないでしょう。でも、やれば間違いなく漫画表現への理解を深めることができます。作画をする人の立場も知ることができるでしょうし、得るものは多いと思います。

Q6:漫画と小説で、台詞回しにはどのような違いがあるでしょうか?

「長さ」ですね。漫画ではセリフを短くする意識が必要です。これは、漫画という表現の本質が「読む」より「見る」にあるためです。
コマを追う目の動き≒時間の流れを鈍らせないために、必要な意識だと考えています。

Q7:パソコンでゲームを作ってネットで無料配布されていたそうですが、この経験は創作に役立っていますか?

メールによって直接ユーザーの声を聞けたのが楽しかったですね。また、次々に事象が起こっていったのがおもしろかった。

フリーゲーム攻略サイトの方から「取り上げていい?」と連絡が来たり、ムック本の編集の方から掲載依頼がもらえたり。

発信することの大切さを知りました。

あとは、ゲームがどのようにしてできているのかを体験できたことが、のちにゲームシナリオの仕事をする際には、少なからず役立った印象があります。

Q8:同人誌を作って漫画の即売会で手売りした経験があるそうですが、創作に役立っていますか?

これはしょっぱい経験でしたね。手に取ってもらうことや買ってもらうことの難しさを、とくと味わいました。

でも今にして思うと、作品に興味を持ってもらうための目線や「伝える」という意識が芽生えるための、いいきっかけになったと感じます。

Q9:小説では文章の読みやすさが重視されます。リーダビリティを高めるために、どのような工夫、訓練をされていますか?

どう書いたら読者がどう感じるか、読者の頭の中でどう思い描かれるか――それを理解することが大事だと思います。これは、正確に書いたから正確に伝わる、というものでもありません。

これといった工夫や訓練は意識していませんが、普段誰かと会話するときにも、言い方による相手の感じ方の違いを意識していることが、ひょっとしたら訓練になっているのかもしれません。

Q10:人気作を書くためには人気作の分析が欠かせないと聞きます。一ヶ月にどれくらいの小説を読まれていますか?

現在、小説は月に0冊です。それなりに読んでいた時期は月に12冊くらいは読んでいましたが、近年は小説よりも文化や物事を知るための本を読むことが多くなっています。

人気作は、もちろんチェックくらいはしますが、人気作だから読むといった思考はないですし、人気作を書こうと思ったことは一度もありません。

Q11:小説家になるためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?

人への興味と、人の心を理解する力だと思います。あとは、根気とサービス精神でしょうか。

Q12:ストーリーを考える際に重視していること、気をつけていることがありましたら、教えてください。

人物(キャラ)の心を見失わないこと。あとは、読者の期待を裏切らず、予想を裏切ること。

Q13:どのような方法でプロットを作られていますか?

キャラやテーマ、世界観など、どこから思いつくこともあって、作品ごとにプロットの作り方はまちまちです。

ただ、どこから思いついてもまとめられるのは、学生としてAMGに通っていた時に習ったもののおかげだな、と掛け値なしに思います。

Q14:キャラクターをどのように考案、作成されていますか?

まずは主人公で、どう生きづらいのかを最初に考える。また、それがなぜなのか。

基本的に、これを解決できる人に成長させてあげることが、そこから展開される物語の役目となります。

キャラの基本は共感と憧れ。それぞれ「共感=読者自身もついしてしまうこと」、「憧れ=したいけどできないこと」と考えるとわかりやすいかもしれません。

Q15:小説のアイデアが浮かぶのはどんな時ですか?

おつむのネジがいい感じに緩んでいるとき、ですね。

ベッドの中で目が覚めたばかりのときや、のんびりお風呂に浸かっているとき、街をただ歩いているときなど、場面を問わず、気が緩んでいるときにアイデアは浮き上がってきます。

あとは、今まで知らなかった新しいものに触れたときも、発想のチャンス。

Q16:実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか?その方法をどのようにして知りましたか?

短大に通っていた頃、恩師の先生に勧められてやっていた「身辺スケッチ」というものがあります。エッセイのショート版とでも言うのがわかりやすいかもしれません。

日記のように実際に体験した出来事を、小説のように誰にでも伝わるように書く。

これをこまめに行い、推敲も五回十回と重ねたことで「自分の意図したように読者に伝える」という力が身についたように感じます。

Q17:執筆のモチベーションを保つために、どのような工夫をされていますか?うまくいかない時はどうやって乗り越えていますか?

執筆や読書は、食事や睡眠ではありません。無理してまで欠かさずしなければいけないことではない。ただしたいからすることです。

だからモチベーションが落ち気味のとき、私は無理にモチベーションを保とうとはしません。落ちるときは落とせばいいんです。そのほうが、また上がってくるのが早くなります。

行動としては「あえて寝る」。有名な漫画家先生の言葉ですが、これは大変有用です。私の場合は、思いっきり遊ぶ、も同様です。
さっさとスッキリさせて、さっさと前を向きましょう。

Q18:最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

おこがましいですが、私なりに――。

私は、なんでも最終的に「ま、いっか」で済ませられる気性の人です。ただ、物語創作だけはそれで済ませられなかった。だから作家をしています。

本気になってしまうなら、やるべきです。本気になれないなら、やめたらいいと思います。

成果が上がるからやるのではない。成果が上がらなくてもやらずにはいられない。

一見無駄にしか見えないその行動が取れる人だけが、成果にたどり着くのではないでしょうか。

「無駄なんかじゃない」そう信じ切れるのなら、続けてください。
「続けられるってことが才能なんじゃないかな」と私は感じています。

平井新さんはAMG出身の作家です。
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