けっこう売れ線なところを狙ってきますね。怪物事変とコンフィデンスマンを足して割ったみたいな。
主人公候補A・Bですが、定石ならBじゃないですか?
理由は、
・Aの印象
1)クセモノ感があり、ひょうひょうと我が道を行くタイプと思える。
2)こういうキャラはすでに人間性や能力が完成されているか、完成とまでは言えなくても相方よりは先を行っていると想像する。包容力で相方を受け止めるか、一見横暴に引っ張り回すようでも陰ではさりげなくサポートしているというタイプかなと。
3)2のようなキャラは安定感がある分、意外性や成長の期待は薄そう。トリックスター的なキャラなのでストーリー的な仕掛けとしては意表を突く動きを見せるかもしれないけれど、それは「安定の意外性」という感じで読者にはそれほど意外に見えない。何か意外なことをしそうなキャラが意外なことをしても、「ああ、やっぱりね」という感じで想定の範囲内。
・Bの印象
4)純粋で、危なっかしい感じがする。
5)出自に悲劇性がにおう。
6)不安定な分、意外性と成長、いつか爆発的に大化けするかもしれないという期待感がある。
なので、主人公にして書きやすいのはBだと思います。
ただ。
この二人の関係性を「探偵と探偵助手」と表現されているのが、やや気になります。
……いや、Aは実際に探偵事務所(もどき?)をかまえているようなので、そこでの関係は「探偵と探偵助手」には違いないのでしょうが。しかし物語的なポジションまで主人公が助手的なのはまずいかと。
それと、超常存在は嘘をつかない、という設定。面白い設定で作品の売りになり得ると感じるのですが、おそらく詐欺師的なAとの対峙要素でもあるのだと思うんですね。
そう考えると、この点からもBよりもAの方が作品のコンセプトに近いところにいて、物語の軸になりそうな気がしてしまいます。
あと、ぶっちゃけ大野さん的にはBよりもAの方が好きなタイプなんじゃないですか?
等々から、Bの存在感をいかに確保するかに注力されるのがよいかなと。個人的には大野さんのイメージの中でAの色を薄くして、徹底的にBを軸に据える方向で考えてみることをお勧めしてみたい気がします。