あ、そこなんですよ。
神原さんへの返信後半の「先輩」をめぐる説明に、はじめてリアリティを感じました。是でも非でもなく、人間や人間関係には様々な側面があるということですよね?
作中には、それが少し欠けていたと思うんです。尺が短いせいもあるでしょうが、キャラとエピソードが作者の意図のために配置されている感がやや目立ってしまっていたように感じます。現状では「先輩」も「他のキャラを落として主人公を上げるための駒」の域をでていなかったかなと。後半、先輩が主人公の態度に理解を示す会話などもありましたが、あれも先輩の人間性よりも「作品の意図」として主人公を擁護するために挿入された感があるんです。
すなわち、(作者が)主人公に気を取られすぎていて、他のキャラに十分に目が向けられていない感じ。
それが、
>・テーマに飲まれている
>・ストーリー上主人公に都合の良い人物たちが登場しているように見える
>・「主人公を救うためだけに書いたストーリーを読まされている」
>・この尺であれば、主人公が報われるのは、最後の最後。ほんの一、二行だけのほうが収まりよかった。
ということなのだろうと。個人的には、たいへん慧眼だと思います。
もう一歩距離を置き。
もう一歩、主人公以外のキャラを深める。
これが上手くできたら、かなり良くなるんじゃないかと。
短い中で主人公以外のキャラに比重を置くと、バランスが悪くなるリスクが大ではあるでしょうが、こういう作品は「人間理解の底が浅い」という印象を読者にもたれるとまずいので、難しくても踏み込んでチャレンジしてみるといいんじゃないかと思います。