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タイトル:異世界の食文化について(改)の返信 投稿者: 手塚満

何らかの客観基準、共通基準があるのでは、と思うと迷いやすいんじゃないでしょうか。もしそう思ってしまうと、作者が作品ごとに世界を創造するという大事な点と齟齬をきたすこともあるんじゃないかと思います。

いろんな作品例を比較検討するにしても、「この作品には○○があるが、あの作品にはない」とか、単純比較はできないはずです。作品ごとに世界が異なるわけですから。

食べ物って、キャラに極めて身近な小道具であり、リアリティは細部に宿るわけですから、大事なアイテムですね。どうしようか考えるのも当然で、勢い、悩みも増えはするでしょう。しかし「作品世界あってこその食べ物」ですよね。

異世界であれば、食べ物以外にも枠を広げますと、ポイントは「その異世界は、この現実世界とどれくらい異質か」になるように思います。「どれくらい異質か」は「どれくらい分かりにくいか」でもあります。

異世界の異質さを見せつけたい場合と、割とすぐ馴染める異境程度では、作品の狙いからして異なるはずです。異質さが大事であれば、その異質さで転移・転生主人公は苦労する、というところが(少なくとも序盤の)大事なポイントの1つであるはずで。読者としては「どうなってるの?」→「そうなってるのか」と納得していく面白さを感じるはずです。

割とすぐ馴染める異境の場合は、例えば「だいたいこんなもんの中世欧風」+「魔法、亜人、ドラゴンとかがいる」の舞台でしょう。知っている、すぐ分かるわけですから、そこに感動はありません。しかし、主人公が冒頭から大暴れするとか、大変なトラブルに巻き込まれてハラハラするとかだと、世界の分かりやすさは大事なはずです。主人公周囲が謎だと、本当に主人公が活躍しているかどうか、読者としては自信が持てませんから。

ですので、まず考えるべきは「作品の狙い」です。キャラの分かりやすい活躍に注目して欲しいなら、現代にある、分かるものをメインにする。異質な世界での困難を描きたいなら、オリジナルで誰も知らないものを詳述する。といった感じかと思います。

いずれの場合も大事なのは、リアリティのレベル、バランスではないかと思います。よく言われる「ジャガイモ警察」ですと、ジャガイモしか気にしていないケースがあるようです。下手するとトマトは気にしないとか。

もし「ビーフステーキを出すのはおかしいかも」とためらったとして、しかし作中には馬車や騎馬兵が出てくるとしたらどうでしょう。おかしいですよね。馬がいて、牛がいてはいけないのはなぜか。そんな理由付け、たとえ考え付いたとしても面白さにはつながらないでしょうし、読者に納得感も生じないでしょう。

リアリティのレベルは例えば「作品世界はどれくらい現実世界と異なるか」であり、リアリティのバランスは「リアリティのレベルがまんべんなく作品世界に適用されていること」です。どちらも作品ごとです。作品の狙いが決まる以前に、先に決められることではありません。

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