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タイトル:異世界の食文化について(改)の返信の返信 投稿者: ドラコン

 こんばんは、ドラコンです。ハンバーグに関する件を拝読しました。

 迷える狼さんが、そこまでハンバーグに迷われるぐらいなら、無理してまで出される必要はないようにも存じます。

 ハンバーグなら、ヨーロッパ風の世界観で出しても、出さなくても、気になるものではないでしょう。ただ、パンにはさんで「ハンバーガー」にして、フライドポテトを添えると【アメリカ合衆国】のイメージが強くなって、違和感が出るでしょうが。

 それに、「ハンバーグ=騎馬民族由来」にこだわりがあるのなら、いっそ騎馬民族の影響の強い町や騎馬民族系の人物が経営する店で食べられているとの設定にされるのも、一案です。

 ハンバーグに類する「ひき肉を固めて焼いて食べる料理」なら、遊牧民の系譜を受け継ぐトルコ料理のシシ・キョフテ(串焼き肉団子)がありますね。『食はイスタンブルにあり』(講談社学術文庫、鈴木董)には、1640年の公定価格表に見えることが紹介されています。気軽につまむ、という点では、串焼き料理のほうが屋台で買って、片手で歩きながら食べられるので、ふさわしい一つかと存じます。なお、ケバブ類は、トルコの隣国のギリシャにも類似の料理があるようです。

 この『食はイスタンブルにあり』は、1453年以来のオスマン帝国の食文化を中心に描いています。トルコ料理は、ヨーロッパにも影響を与えていますし、中近東の文化は、ヨーロッパ側から見て「異国」と描きやすいです。押さえておかれても良いでしょう。一読される価値のある一冊です。

「ヨーロッパ風の世界」というなら、パンとスープまたはシチュー、チーズ程度の食事を出せば、十分伝わります。

 異世界転生・移転の要素がなく、剣と魔法のヨーロッパ風世界が舞台の『狼面司祭(ビーストプリースト)』(ファミ通文庫、秋津透)は、主人公が司祭なので、教会で食事を取るシーンが多かったです。概ね上記の食事に、果物の砂糖煮が添えられるぐらいでした。

 カレーライスも気にされているようなので、書いておきます。何の脈絡もなく、中世ヨーロッパ風世界に、日本の国民食であるカレーライスが出てくれば、違和感を持ちますよ。だいたいカレー粉の原料の香辛料は、昔は同じ重さの金と同じ価値があることすらあります。

 ただ、「香辛料をふんだんに使ったスープやシチュー」で逃げる方法もあります。

『狼面司祭(ビーストプリースト)』の2巻は、香辛料の産地でもある東方への玄関口の交易都市が舞台でした。あとがきによると、オーストリアのウイーンをモデルにしたとのことでした。相当豊かな都市で、質素を旨とする教会の食事でさえ、香辛料をふんだんに使ったスープが供されています。

 それ相応の説得力があれば、違和感はありません。
 
 逆に、出なかったことで違和感があったのが、牛筋、鶏手羽、ソーセージです。中世ヨーロッパ風世界を舞台にした、典型的な異世界移転モノの『現実主義勇者の王国再建記』11巻では、主人公がおでんを作っていました。ちくわなど「練り物は全く用意できなかった」とのことで、具は大根、タコ、卵、出汁取り用の昆布でした。主人公の立場からすれば、牛筋(9巻で実食例あり)、鶏手羽(同じ11巻で普通に食べられている食材であることが明示されている)、ソーセージ(存在の有無は明確になっていないが、畜産・酪農をやっている世界で、古くから食べられているのに存在しないほうがおかしい)は、いくらでも用意できるはずです。それなのに出てこなかったのには、違和感がありました。

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