小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

返信する!以下は元記事

タイトル:萌えは死語となっているのか? なろう系ラノベではキャラ萌えは重視されない?の返信 投稿者: サタン

>従来のラノベに比べて、萌え要素が薄い、キャラ萌えが重視されなくなっている感じがしています。
確かにそう感じます。
ただ、「キャラ萌え」というのは、つまり「キャラを立てる」「キャラを書く」って事で、じゃあそれはどうやったら出来るの? と問うと、具体的に明確な答えを持つ人は少数でしょう。
形のない曖昧なものなので、書きにくいしハードルが高いんだと思います。

対して「承認欲求を満たすキャラ」は非常に書きやすい。
極端ですが「流石◯◯様です!」と書けばいいんだから。
可愛いキャラの「可愛さ」をどうやったらアピールできるかと考えるよりも、こちらのほうが簡単です。

また、そうした作家側の技術的な話だけでなく、読者側の流行の変移というのも確かにあるでしょう。
これは、最近の流行作と以前の流行作を比べればわかりますが、以前は「サブキャラクターが主役」という書き方が多かった。物語の主人公はあくまで語り部であって、個性的なサブキャラクターがワイワイするのを面白おかしく主人公視点から語る、というもの。
この傾向がとても強いタイトルが「僕は友達が少ない」ですね。
「主人公は変哲もない普通の男子高校生」というほぼ無個性なキャラクターで、主人公を取り巻くヒロインサブヒロイン達が尖って個性的。
そんなヒロイン達に振り回される話、という構成が以前はとても流行っていた。
つまり、「サブキャラがメイン」で、サブキャラの個性を書く物語が非常に多かった。
このため「キャラ(メインに書くモノ)が大事」なわけで、キャラさえあればなんとかなったし、そのキャラが面白いがために読んでいるので、キャラ萌えは非常に重要だった。

ところが近年は、……いつ頃からだろう、「魔法科高校の劣等生」あたりからだろうか。
その頃から、「主人公主体の物語構成」が好まれるようになった。
「サブキャラの話」をするのではなく、あくまで「主人公の話」を書く物語が多くなった。
この構成だと大事なのはあくまで「主人公」なので、「サブキャラクター」は文字通り「サブ」でしかないため、重要度は低いわけですね。
主人公の造形も、「普通の高校生」から一変して「転生してる特別な人間」とか「チートな能力を持ってる人物」とか、「主人公が特別」というものに変化していった。
「サブキャラが物語を持っている」のではなく「主人公が物語を持っている」という変移ですね。
そこに「承認欲求」が入ると、「サブキャラを立てるために主人公がいる」という以前の流行とは違って、「主人公を立てるためにサブキャラがいる」ということになります。
こうなると極端な話、サブキャラは主人公との相性が良ければ何でもいいので、萌えは無くとも問題ないわけですね。

そもそも「萌え」というのは感情なので、作者が意図的に書くものじゃなく、読者が自然と感じるものです。
つまりは「このキャラのこういう言動は可愛いよね」というシチュエーションを書けば良いだけで、キャラクター性とは別の話。シチュエーションの話でしょう。
すると、承認欲求がメインの主人公の話を書いていても、どんなサブキャラを用意していようとも萌えるシチュエーションさえ用意できれば萌えは書ける(可愛いキャラのほうが萌えは書きやすいが)わけで、それをしない「なろう系」は単なる技術不足であるため避けててるだけというのもあると思う。
同時に前述した通り、現在は萌え自体の重要度が低いので書かなくとも成立しているし楽しめる内容になっている。

要するに、「萌えを書いたほうがいいか?」となると、そりゃデメリットもないし魅力が増えるんだから「書いたほうがいいに決まってる」と答える。
けど、物語の構造上「無くても問題はない」ために、現在萌えの重要度は低いということになっているのではないでしょうか。

追加で思いつきの意見だけども、
萌えというのは前述した通り「感情」の話であり、それを刺激する「シチュエーション」なので、流行りの「全肯定」と相性が悪いというのもあるかもしれないな、と思いました。
何故なら、主人公が何をやっても「流石です」と全肯定の反応をしてくる以上、シチュエーションにバリエーションを作りにくいですから。何をしても同じ反応しか返ってこないわけだし。
主人公以外で違った反応を書けば良いけど、一人称が流行ってる以上、これもちょっと難度が高いし。
単純に考えりゃ「肯定してくる、慕ってくる姿が可愛い」という画しか思いつかないんじゃなかろうか。
キャラ主体の「けものフレンズ」は全体的にキャラありきのアニメで「萌え」はそれなりにあったと思うけど、「サーバル」だけは全肯定型のキャラだった。けど、彼女のセリフは「すっごーい!」ありきで、それ以外にないと言ってもいい。
もっとバカっぽさを強調できれば、アホ萌えな姿と両立できたんじゃないかと思うけど、アホ役は「アライグマ」が担当してたし。
全肯定型というのは、承認欲求を満たすだけでなく反応が書きやすいというメリットがあるけど、それゆえ萌え(シチュ)が書きにくいというデメリットがあるのかもしれません。

コメントは4500文字以内。

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

トップページへ 「萌えは死語となっているのか? なろう系ラノベではキャラ萌えは重視されない?」のスレッドへ

小説の書き方Q&A:創作相談掲示板の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ