昔むかし、どこぞの坊主が「大きなものを食うホラ話合戦」みたいなことをやったそうで。何人もが挑んだものの、皆すごすごと引き返すはめになったとか。坊主は誰に対しても同じ言葉で返したという。
さて、その言葉とは何か?
答え。「そういうお前を、わしゃ食った」
わりと有名な話なのでご存じかもしれませんが。
これも人間の思考の特徴の一つ。どんなに大きいことを考えても、「それよりも大きい」と言えてしまうんですね。
論理的に突き詰めて考え極限まで突き詰めきった瞬間に、「それを超える何か」「それとは次元の違う人間には観測できない何か」というメタ思考が生じるものです。
しかし、それも人間の脳内でやっていることには違いないですから。
こういうのは少なくとも現実の生活や仕事にも、小説を書くにもほぼ役に立たないので(狂気の哲学者や人を食った生臭坊主をキャラとして登場させるときには役に立つかもしれませんが)、ちょいと面白い思考遊びとしてこじんまりとまとめ、脳の片隅にしまいこみ、たまに取り出して楽しめばよろしいかと考えます。