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タイトル:追記 投稿者: あまくさ

通常のエンタメ小説の作法が当てはまらないジャンルが二つあります。ハードSFと、本格ミステリです。
本格ミステリは謎解きが興味の主眼なので、理屈っぽい説明の文章が多用されます。プロットも、謎が深まる課程と探偵による解決編によって構成されるため、普通のエンタメの盛り上げ方とはかなり異なります。キャラの心理や行動もトリックを成立させることを主眼に組み立てられるためやや不自然だったりしますが、本格ミステリの読者は割とそういうところには目をつむってくれるんですね。謎解きの鮮やかさが優先され、主人公の心理や成長とかにはあまり興味が無いんです。
ハードSFも同様で、理屈っぽさは欠点になりません。ただし、これらのジャンルは最初からそういうのが好きな読者しか読まないから通用するということです。

このことを踏まえて、あらためてSFにおける科学知識や専門用語の扱いについて考えてみます。

1)ハードSF
難解さや理屈っぽさは問題なし。疑似科学ではあるけれど、一定の前提の上に立った整合性は重視され、ロジックの破綻は許容されない。

2)ハードSF的要素を盛り込んだエンタメ小説
この場合は普通のエンタメ小説の作法に準じます。こういう作品の読者は、コアなSFファンではないからです。理屈ぽい説明は避ける方がよいでしょう。
ただし、ハードSF要素があるゆえ、ある程度ロジカルな思考は必須とまでは言えなくても、あった方が楽しめます。よって「相対性理論」などについての説明をどうするかが最も問題になるのはこのタイプかと。
対処法としては、なるべく文章による説明は避けて、ストーリーに盛り込みながら伝えるなどの技術が要求されます。
先の書き込みで上げた庵野秀明監督は、この辺のタイプに近いと思います。

3)SF的味付けだけの普通のエンタメ、またはラノベ
この場合は、用語の説明は不要。「相対性理論」という言葉が出てきても、それ自体が科学っぽい雰囲気を漂わせるための演出として使われているだけです。

ガチガチのハードSFって、実は現在はほぼ絶滅危惧種です。ただSFは多様化を果たし終えたジャンルでもあり、2~3の名作が数多く生み出されている状況です。
そういう意味で、

>SF小説を書く場合、現実に存在する物理法則に忠実に則って書いていかないと駄目なのでしょうか?

そんな必要はまったく無いと言えます。

>内容が面白ければこういった物理法則を完全無視したご都合主義でも読者に納得してもらえるのか。

そういうご都合主義のレベルが高くなっている状況なので、問題ないかと考えます。

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